パーム油を使った製品は私たちの身の回りにあふれています。

チョコレート、スナック菓子、アイスクリーム、パン、マーガリン、カップラーメン、化粧品など、食品や日用品まで身の回りにあるものの多くに使われているのです。

 

身近にあふれている製品ですが、これらが森林破壊につながっている可能性があります。

 

 

こんなにも多くの製品に使われていることに気が付かなかったのも無理はありません。

製品には「パーム油」とは記載されず「植物油脂」と記載されています。

また、パーム油が多くの製品で使用されるようになったのは、ここ20~30年ほどのことです。

大豆油を抜き世界で最も多く生産されています。

 

 

このパーム油がどのように作られているか知っていますか。

 

 

パーム油はアブラヤシの実から絞られます。

アブラヤシは赤道付近で一定の雨量がある地域で生育します。

栽培される地域は東南アジア、アフリカ、中南米などに限られています。

 

これまでマレーシアやインドネシアで大規模アブラヤシ農園が森林を伐採して行われてきました。

アブラヤシを育てるための場所が必要で、その場所の確保のために森林が伐採されるのです。

育てる場所だけでなく、輸送のための車が通るための道を作るためにも森林は伐採されます。

 

 

環境面での問題は以下の通りです。

 

  1. 熱帯林、特に炭素貯蔵量の多い泥炭湿地林の消失
  2. 絶滅のおそれのある野生生物、生物多様性の減少
  3. 伐採、森林火災による温室効果ガスの大量排出
  4. プランテーション開発と栽培による土壌、水、大気の汚染

 

社会面でも問題があります。

 

  1. 森林に依存する先住民等との軋轢(あつれき)
  2. 農園における劣悪な労働環境、人権侵害
  3. 周辺住民と生息地を奪われた野生動物(ゾウ、トラなど)との衝突

WWFホームページよりhttps://www.wwf.or.jp/activities/2011/11/1027822.html

 

 

では、私たちには何ができるのでしょうか。

 

私たちにできることが「認証パーム油」を使用している製品を購入することです。

認証パーム油とは

 

新たに貴重な熱帯林等を伐採することなく、環境や労働者の権利に配慮した持続可能なアブラヤシ農園のあり方を示し、それに沿った農園や搾油工場を認定する制度

 

のことです。

製品には「RSPO」というマークが記載されています。

ヤシの木のようなデザインです。

 

日本ではサラヤの製品や太陽油脂の一部の製品などで、RSPO認証パーム油が使用されています。

 

消費者がRSPO認証パーム油を使用している製品を購入することで企業が変わります。

多くの消費者が選べば、選ばれる製品が多く作られるようになります。

まだ日本ではRSPO認証パーム油を使用して企業は少ないのですが、私たちがRSPO認証パーム油を使用している製品を選ぶことで、多くの企業が認証パーム油に切り替えるようになることが期待できます。