小学校の卒業文集に勇気を持って女優になりたいと書いた。
その年齢の時には既に、お芝居をしたいという志があったようだ。
私は子供の頃から自我が強く、両親が決めてきた幼稚園が嫌で手続き済みだったのにキャンセルしてもらい、自分で選んだあの幼稚園に入りたいと言って困らせたりしていた。
そのくせ、児童劇団に入りたいとは恥ずかしくて両親に言えず、演劇に関わるのは難しいと感じていた。
単純に『ガラスの仮面』と、TVドラマの世界に憧れていた。
北島マヤの演技へのひたむきさや一点集中しての取り組み方を見て読んで、そうやって頑張れば何でも出来て何でも叶うのではないかと思っていた純粋な時代。
TVの中の華やかな世界の中で生きていきたいと夢見ていた時代。
衣装にも興味があり、ピアノの発表会で着た様なドレスを身に付ける事が出来るのは嬉しい事だった。
ハッキリ言うが、中学の演劇部では何を演じたのか覚えていない。
赤いベルベットのドレスを着てメイクした写真が残っていたが、何の役だったか思い出せない。
演劇との関わりはこうやって始まった。
のちに劇団に入団して舞台に立つことになるとは、その時は未だ知らなかった。
