あえて不謹慎を承知で書きますが――
この新型コロナウイルスによる混乱は、実は一部の受験生とある種の進学塾にとって「静かな追い風」となった側面があります。

 

時間を“味方にできた”受験生たち

まず、最も恩恵を受けたのは、もともとトップ層にいた受験生と、この夏以降に急浮上する可能性を持った“新興勢力”の子どもたち

彼らはこの期間、学校という日常の枠が一時的に外れたことで、
時間を比較的自由に使える環境を手に入れました。

勉強において、時間とは何よりも大切なもの。

…とはいえ、
その“あり余る時間”を漫然と過ごしてしまった子も少なくありません。
つまり、時間を「活かす」ことは、実は誰にでもできることではない。

そこに見えたのが、日常的に時間管理がうまくできる家庭の存在だった

 

保護者の皆さまへ――本当にお疲れさまでした

この期間、子どもが家にいる時間が増え、
日中のスケジュールを親が組まねばならないケースも多々あったことでしょう。

「宿題が多い」「学校が面倒」と言っていた子どもが、
いざ学校がなくなってみると、日々のリズムを失い、勉強が止まり、生活が乱れる。

このとき、多くの保護者の方が「学校のありがたさ」に気づいたとも聞きます。
改めて、親の役割と学校の価値、その両方を見つめ直す期間にもなったのではないだろうか。

 

ZOOM授業と塾の“スピード感”

一方、塾業界でも、この事態にいち早く対応し、
ZOOMやオンライン授業を即導入した進学塾が目立ちました。

フットワークの軽さと行動力には、素直にすごいなと思います。

ただその反面、
このオンライン対応を“転塾勧誘の道具”としてフル活用しはじめた一部の塾は残念でなりません。

「うちの塾はZOOM導入済みです!」
「他塾で不安な方、ぜひ無料体験を!」

こういった“営業戦略”のような動きが、保護者を翻弄したのも事実。

 

プロの講師たちが抱えた、見えない苦労

実は、私の知る何人かの先生たちが、
「ZOOMは正直やりにくい」と口を揃えていました。

画面越しの収録。
視線の配分や板書の工夫。
画面の向こうに、保護者の目線がある可能性――
それらが、普段は無意識に保っていた“講師としての油断”を奪ったからです。

一見、便利そうに見えるこのオンライン対応も、
実は講師側の負担や不安もかなり大きかったということです。

それでも夜を徹して「早く対応しろ」と現場の声も聞かない上層部の指令に汗を流した講師たちには同情します。

 

「ZOOMじゃない塾なので不安です」…?

ここまで読んでいただいた保護者の方に伝えたいこと。

コンサルでよくいただいたのが、
「今通っている塾がZOOMを使っていないので不安で…」というご相談です。

そのお気持ちは痛いほどわかります。
でも、あえて申し上げます。

大事なのは“形式”ではありません。
どんな教材や授業システムがあっても、学力に活かすことは難しい。

塾の対応力を見ることももちろん大切。
ですが、それ以上に見るべきは、
子どもが何を受け取り、どう行動するかです。

 

結局、“平常時と同じ目線”を持てる家庭が強い

今回のような予期せぬ状況であっても、
いつもと変わらぬリズムを保ち、やるべきことをやる。

そんな姿勢を持った子どもたちと、
それを支える家庭は、確実に学力面で一歩リードしました。

変化が起きた時こそ、“本質”が浮かび上がります。

 

まとめ

✔ 自由な時間を味方にできた子は、確実に力を伸ばした
✔ ZOOM導入は手段であり、目的ではない
✔ 学習の質を決めるのは、塾のシステムではなく“子どもの受け止め方”
✔ 今こそ、家庭の学びの姿勢を見直す好機

コロナが教えてくれたのは、外的要因に左右されない“学ぶ力”の重要性かもしれません。

今後も、目先のツールや形式に惑わされず、
子どもたちが本質的に学力を伸ばしていける環境づくりに、一緒に向き合っていきましょう。

 

 

 

 

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『ノートの取り方』についての取材記事を掲載

朝日小学生新聞 20年4月3日付

 

 

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