文化系寄り道倶楽部 -88ページ目

文化系寄り道倶楽部

アラフォーで2児のパパであり、80年代の音楽をこよなく愛し、ガンプラを愛で、パソコンをいじくり倒し、台所を妻から奪い取り、キングの小説におびえ、究極超人あ~るで笑いころげ、夜な夜なUST配信をしている

たぶん、30年近くの間、ワタシはこの答えを求めていた

80年ころのテレビCM 確か、ホンダのスクーター。。。たぶんタクトだと思うけど。。。

思い出せない。。。ヒットチャートも20位くらいまでで、ファンキーな曲。。。もしかしたら二人組み


こんな記憶を頼りに、ずっと探してきたんですけどね


今日、やっと見つかりましたよ!






80年代はスクーターが爆発的に売り上げを伸ばした時期で、どのメーカーもCMにかなり力を入れていた。。。ホンダのタクトは当時、アメリカで流行していた曲を選んでいたので、どんな曲がアメリカではやっているかをこのCMをチェックすることで図っていた。。。今では考えられないかな?


しかし、自分の記憶力はなかなかのものだと、改めて感心するw

最初の記憶。。。たしかスクーターというところから、そのころのCMの映像をみて、タクトと絞り込むまで、実はかなり時間がかかった。。。時期は79年か80年だと思ったけど、実はこの間、非常にたくさんのCMが製作されているようなので。。。なかなかその映像を見つけることができなかった。。。というか、とうとうみつけられなかった。。。そこで検索を映像からキーワードに変更、ブログなどで、この辺を紹介している記事がないかなぁと。。。ありました!

いやー、感謝です


いつかワタシも、同じように悩んでいる人の役に立てればいいなとw
序章~第1章
第2章手に入れたもの
第3章扉の向こう側の世界
第4章ヤマンバ
第5章視線
第6章闇からくるもの
第7章存在の観測
第8章感触
第9章暗転
第10章疑心
第11章恐怖の夜
第12章蟲
第13章蟲蟲蟲
第14章ガムテープ
第15章悪夢
第16章ヤマンバと蜂
第17章対決~終章

あとがき1


なんでこんなことになったのか?

実はこの物語の構想は中学生か、高校生のころにすでにあったんです
物語の骨格というか、ネタというか毛虫が嫌いなワタシなりに、こんなことあったら怖いなぁと妄想したら止まらなかった。。。自分で考えて自分で怖くなっちゃって

今のような文章力はなかったし、今でも、それほどたいしたものではない
大体が本を読むのが嫌いだった

そんな自分がどういうわけか。。。エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」を読んで、はじめて小説って面白いと思ったのだけど。。。勢いあまって。。。というか、どうしてそうなったのか思い出せないのだけれどラヴクラフトに挑んだんだなぁ

これがもう。。。難解で何回読んでも読み解けなかった。。。中学生では無理だろう
以後、高校、大学、社会人となんどか時を置いて読み直したけど、難解さは変わらない
しかし、同時に恐怖も変わらない

そして不幸にして?この時期、現役のホラー小説家としてまさにブレークしていたスティーブン・キングに出会い、夢枕獏にも出会った

キングの短編は様々な恐怖を日常的な出来事から切り取る作品が多く、その着想と救いのないオチに強く感銘した。
夢枕獏は「上弦の月を食らう」や「幻獣変化」といった作品に描かれる一種の精神世界、宗教観、哲学といったより人間の内面や本質についてのアプローチに共感した。

つまるところワタシの脳内はポーとキングと獏とラヴクラフトでできている
2:4:3:1の割合でw

もちろんそれは、小説を読んだり、今回のように書いたりする脳の部分の話で、音楽や映画、ゲームやスポーツといったものはそれぞれ独自の価値観を有している

さてさて

「蟲」に登場する主人公「ボク」は言うまでもなく「ワタシ」の小学校5年生の頃の「人格」であり、それは事実でもあるけど、妄想でもある
事実と妄想の間にはいったいどれだけのちがいがあるだろうか?
人は記憶を頼りに昔話をする
そんな昔話のエピソードすべてが完璧な事実に基づいた記録でないことは、お解かりのことだろう

記憶は嘘をつく

事実と妄想が過去のこととなったとき、もはやそれは現実との区別がつかないもの

この物語はネタは古くから考えてあったけど、書き始めようと思ったきっかけの一つが、この「記憶は嘘をつく」ということについて、思うところがあったからである

人は時に過去のちょっとよかったことをより美化して記憶する

「思い出補正」とは当時すごく面白いと思ったものが、今見るとそれほどたいしたことがないという現象をいうのだが、人間一つやふたつ、こんなことがあるものだ

逆に恐怖も思い出補正されているのではないだろうか?
すごく怖いと思った映画が、今見るとどうと言うことはない

しかし、もうひとつ確かなことがある

思い出補正されないよいもの

そして思い出補正されない恐怖

その人にとっての恐怖とは、それは絶対的なもので、40年たってもワタシは毛虫がきらいだ。。。というより怖いのだ

そして、あのとき、本当はもっと、もっと怖い思いをしたのを、精神を安定させるために記憶が欠落したり、間違って記憶されたりすることもあるだろう

だから。。。事実と妄想の区別など、つかない

という、着想から、自分が妄想したことがいかにも本当にあったように描くというアプローチで毛虫のことを描けば、面白いかもしれないと思ったわけ

まぁ、他にもいろいろときっかけめいたことはあったわけだけれども、それはおいおい

物語はいよいよクライマックスです
もし、ここまで読んでくれているひとがいるとしたら、その中にオチが見えている人もいるでしょう
大どんでん返しなんか用意してません
だって、これは恐怖をありのままに描いているのですからね
2010/6/9 めけめけ


あとがき2

いやー、本当にワールドカップ開催に間に合いましたね
びっくりするくらい、ぴったり終わりました
ヴォリューム的には当初考えていたものの倍か、3倍か
予定していなかったエピソードも入りましたしね

当社ヤマンバの構想はまったくなかったのです
これは、ワタシの想像上の人物でありながらも、ボクの記憶の中では、存在している人物なんです
子供のころ、町の中に何人かは、ちょっとかわった「おばあさん」や「おじいさん」がいましたよね
ヤマンバといわれていた人物はいませんでしたが、子供たちから親しみと軽蔑、畏敬と恐怖でみられていたお年寄は、実は遠くでぼくらを見守ってくれている存在だったのではないだろうか?
いや、実は本当に子供が嫌いで、憎かったのではないのか
いろんな思いがありますが、今回はボクを助けてくれる存在になりました

カラーボールと毒キノコのくだりと蜂のくだりは、いささか、歯がゆいというか、ちょっとがっかりな話に思えて、エピソードとして入れることには戸惑いがありましたが、多少不恰好でも、伏線はしっかり回収したいし。。。

ワタシが心にひっかかったもの。。。子供のころエクソシストをみて、震え上がり、最後は神父さんが助けてくれるといわれても、ボクには神父はまったく身近な存在ではなく、ボクの恐怖を抑えてくれる存在ではなかった。。。

だから、どうしても、身近なものに恐怖と向き合うための役割をつけたかった
人は、恐怖に打ち勝つために、神や仏や偉人の魂や教えを救いにする
けれど、それだけではないだろうと。。。そういう話を作りたかった

この話には、それから40年後という設定があり、主人公が蜂に刺されアナフィラキシーショックで死亡したという新聞記事を読んだ、SやUやOが集まって、そういえば、あんなことがあった。。。と主人公の葬儀で話をしたときに、主人公の妻が、実はこんなものがと、このエピソードそのものが主人公の遺品のノートに書かれていたという、そこから話が始まるというエピソードゼロが存在します

蜂や毛虫の描写もまだ取材が足りていないので、そこをもう少し掘り下げた形で、再編しなおすつもりです

かなりのヴォリュームだし、読んで気持ちのいい作品ではないので、全部お読みいただけるとは期待しませんが。。。まぁ、もし、気さくにもこの作品をお読みいただき、なにか感想やら、アイデアやら、子供のころの似たようなエピソードがありましたら。。。こっそり教えてくださいね

是非とも参考にさせていただき、再編のなかに盛り込みたいと思います

それができたら。。。さて、どうしましょうかねw


2010/6/12 めけめけ
ワールドカップは32カ国の国の代表の戦い。。。それだけではありません

ヨーロッパ、南米、北中米、アジア、アフリカ、オセアニアという地域の戦いでもあります

現在の各地域の枠は
ヨーロッパ13
南米4.5(北中米との大陸間プレイオフ)
アジア4.5(オセアニアとの大陸間プレイオフ)
アフリカ5+出場国南アフリカ
北中米3.5(南米との大陸間プレイオフ)
オセアニア0.5(アジアとのプレイオフ)

大陸間プレイオフの結果
<ヨーロッパ13>
イタリア、フランス、ドイツ、イングランド、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、スイス
オランダ、デンマーク、スロバキア、スロベニア、セルビア

南米5
ブラジル、アルゼンチン、チリ、パラグアイ、ウルグアイ

アジア4
韓国、オーストラリア、日本、北朝鮮

アフリカ5+出場国南アフリカ
カメルーン、ナイジェリア、ガーナ、アルジェリア、コートジボアール、南アフリカ

北中米3
アメリカ、メキシコ、ホンジュラス

オセアニア1
ニュージーランド



予選ではアジアのチームはみんな敵。。。だけどワールドカップに出場が決まったチームは戦友だとワタシは思っています

ドイツ大会でコテンパンにされたオーストラリア、永遠のライバル韓国、そして国際社会の中でも問題を抱えている北朝鮮

サッカーはやはり国境を越え、民族を超える力をもっていると思います

まずは一次リーグを突破するまではアジアのチームを応援しましょう!

そして、決勝トーナメントでアジア同士の戦いを実現させましょう!

それこそ、アジアが世界に通用することを証明する一番の方法です!



韓国VSギリシャ

韓国から勇気をもらいましょう!
もし韓国がかつてのヨーロッパチャンピオンに圧勝すれば、日本もオランダやデンマークに肉薄できると思いませんか!

今大会の韓国は史上最強との呼び声もあります

韓国の戦いの中に日本の可能性を見つけましょう!


そして今日は最高のエンターテイメントが見れるかも

アルゼンチンVSナイジェリア

マラドーナ率いるアルゼンチンは、代表で結果を出せていないメッシがどれだけ活躍できるかが注目
南米VSアフリカは実はかなり因縁めいていて、アルゼンチンはかつて不屈のライオンカメルーンに敗れたことがある。。。あれは本当に屈辱だっただろう

マラドーナ自身、選手として最後の大会になったアメリカ大会、マラドーナ率いるアルゼンチンはナイジェリアと同じ組。。。ナイジェリアに試合では勝ったものの、グループ内の順位ではナイジェリア1位、アルゼンチンは3位。。。24各国しか出場枠がなかったこのころの大会では3位のなかで4チームは決勝トーナメントにあがれたのだが。。。マラドーナ、ドーピング疑惑であえなく退場

そして夜中の試合。。。うー、きょうも寝不足

イングランドVSアメリカ
これこそ、サッカーの新旧対決!
日本がドーハの悲劇で出場を逃したアメリカ大会
そこでの活躍以来、高いレベルを維持しているアメリカは、サッカー発症の地、イングランドとワールドカップで対決する。。。世界的な歴史、サッカーの歴史を鑑みてもわくわくする対決ですね

イングランドは1966年の自国開催以来優勝から遠のいてます。
今回は優勝候補の一角に上がっており、新興国アメリカに快勝できれば、優勝への期待が一気に高まるでしょう。イタリア人の名将カペッロの采配にも注目が集まります



さてさて、今日は昨日と違ってゴールラッシュが期待できるカードだと思います

今夜も眠れないね
グループA
南アフリカVSメキシコ 1対1
フランスVSウルグアイ 0対0



グループAはタレントではフランスがぬきんでているが、チーム力を見たときには戦力の拮抗したグループ

だからこそ初戦を勝ちきったチームがあるいは優勝する勢いで勝ち上るかと期待して見たのですが。。。

しかし、実力的には上と見られていたメキシコに引き分け、時間帯によっては圧倒していた南アフリカ、退場者を出しながらドローに持ち込んだウルグアイ。。。チームの雰囲気は試合結果のわりに明暗が分かれた感がある

面白いのはこのグループの第2戦は

ウルグアイVS南アフリカ
フランスVSメキシコ

と明暗の分かれた明と明、暗と暗が対戦すること。。。ここで勝敗がはっきりすれは、1位通過チームと最下位チームが決まるような気がする

ワタシが期待したフランスは、やはり大きな問題を抱えているように見えた
前半いきなりのチャンスを逃すと、それほど効果的な攻めができないまま、特に相手が一人退場になってからは、がっちり守るチームに対して、どうも打開策が見えてこない。。。連動性と創造性に欠け、個人で決定的な仕事をする雰囲気がない。。。ワタシはチームワークなど無視した力押しのような貪欲なプレイこそ、この低迷するフランスをスランプから脱出する手立てだと考えているのだが、彼らのレ・ブルーとしてのプライドがそれをできなくしているようだ

ウルグアイは前線に二人がいい形でボールを持ったときの迫力は流石で、得点の匂いはするものの、やはり、前線へのだしどころを抑えられると打つ手がない感じ
しかし、その分戦い方に迷いがないのがこのチームの強さであり、今回一人退場になったことが、この試合の戦い方。。。負けないことに徹底できたことはフランスにとっては逆に不幸だったかもしれない

メキシコは前半ドスサントスが起点となり再三右サイドからチャンスを作るも最後の最後で決めきれないのが実にもどかしい。。。まぁ、南アフリカのゴールキーパーはこの試合のMVPだろう

ゲームを支配しながらも南アフリカに先制され、さらにドスサントスのマークが厳しくなると、ベテラン、ブランコを投入、ここを起点に見事同点においつく。。。流石中南米の雄、このグループでは一番の試合巧者である

開催国の南アフリカは名将パサレラのチームである
前半、やや硬さが見られ、形がなかなか作れなかったが、先制点をきっかけに、自分たちのやるべきことを思い出したかのように動きがよくなった。。。特に再三メキシコに崩されていた左サイドを後半頭から交代したことが実に効果的だった

この1対1の結果は南アフリカにとってはそれ以上の価値があったように思える。。。自分たちの力はあのメキシコにも通用したんだという自身が、次の試合にいい方向に向くことだろう

しかし、サッカーは何が起こるかわからないスポーツ。。。フランスは前線のアンリやリベリがスーパープレイで得点できれば、まったく違うチームに生まれ変わるかもしれないし、控えに回っているアンリやシセは本来人知を超えるスーパープレイができる選手である

それぞれ課題はあるものの、どこが抜け出すか、予想することは困難である
人は文明を手に入れ、闇に潜む猛勇や命を脅かすような外的、時にそれは人間同士の争いもあるが、様々な方法で恐怖に対抗してきた

物理的な外的との闘いは、大きな成果を得、人は今ではより内面の恐怖に対抗することに日々恐々としている。。。それは時にはストレスであったり、強迫観念であったり、トラウマであったり。。。10人いれば10人の、100人いれば100人の恐怖があり、それに対抗する手段も様々だ

ボクの恐怖をアナタが解決できないように、アナタの恐怖をワタシが解決してあげることは、たぶん、できないと思う。。。ただ、ワタシが願うのは、あの時ボクは恐怖に対抗すべき手段を見つけることができたのは、決してラッキーだったからでも運命や定めといった特別なものではなく、恐怖に打ち勝とうと思ったことと、恐怖の正体に正面から向かったことで、切り抜けることができた。。。それは何年、何百年、何千年と人類が営んできた生きる、生き抜くということへの純粋な欲求からであると確信する

恐怖には勝てる

大事なことは、その恐怖の正体をきっちりと見極めることなのだ


題:蟲 作者:めけめけ

第17章 対決

なんとなくすっきりとした気分だったボクは、家に帰るなり、すっかり元気をなくしていた

家に帰り、父や母が変えるまでに洗濯物を取り込むこと、米を研ぐこと、茶碗を洗うことはボクと弟の仕事だった。。。今日は荒いものは弟。。。ボクは洗濯物を取り込もうとした

夕方の陽射しはオレンジ色が少しくすんでいて、目にはいても痛くはない。。。ボクらの住む場所は西向きで夕方の陽射しはもろに部屋に入ってくる。。。ベランダに干してある洗濯物で厄介なのは、シーツやタオルケットで、地面に引きずらないように注意しなければならない。。。ボクらの身長にはちょっとあまるのだ

ボクは夕べ悪夢にうなされ、汗でびしょびしょになった藤模様のタオルケットを取り込もうとして、一瞬息が止まった

食い荒らされている。。。ヤツらに。。。藤の葉が。。。食い荒らされている。。。あれは、悪い夢ではなかったのか


ボクは母が変えるなり、タオルケットが大変なことになっていると見せた

あー、これねー、間違って漂白剤こぼしちゃって、あらあら、やっぱりだいぶ色が抜けちゃったわねー

そーか、そうなのか?

はたして、本当に、そうなのか?

これは、ヤツらの仕業じゃないのか?

ボクは確信した。。。まだだ、まだ、終わってないんだ


その夜、ボクは部屋の明かりが消されみんなが寝静まるまで、タオルケットのなかでじっと待っていた

きっと来る

きっと


やがて沈黙の音がボクの耳の中でキーンと響き始め、冷蔵庫は深夜の宴を初め、時計はカチカチカチからチカチカチカに変わったとき、ボクはタオルケットから首を出し、天井を眺めた

天井には何かシミのような、模様のようなものが、少しだけうごめいたような。。。

同じだ。。。ヤツらが来る

でも、ボクは、大丈夫。。。ガムテープなんか使わなくたって、ボクは大丈夫


ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ

きた

天井のシミはヤツラの姿に代わって行った

大丈夫、ボクにはできる

ボクは、必死に念じた

ボクにはできる。。。蜂、足長バチ、足長バチは毛虫をやっつける

ボクは公園でみた足長バチの姿を必死で思い出していた

黄色と黒の縞々の。。。ブーンと音がするばね。。。三角の頭、鋭いキバ、長い足。。。

コワイ、コワイ、コワイ

ガムテープ、ガムテープ、ガムテープ


いらない、ガムテープはいらない

もうボクにはいらない

黄色と黒の縞々の。。。ブーンと音がするばね。。。三角の頭、鋭いキバ、長い足。。。目は、目は、大きくて。。。長い触角

ヤメロー、ヤメロー、ヤメロー

部屋の窓の隙間から。。。そう、換気扇の隙間からだって入ってこれる。。。黄色くて、黒くて、縞々で、お尻が大きくて、羽は、羽は茶色で。。。三角の頭、長い触角、大きい目、鋭いキバ、ブーンと音が。。。

ブーン

それは暗がりの中で、どこからともなく聞こえてきた。。。蜂の、足長バチの羽音。。。そうだ、そこだ、あそこにいるんだ。。。毛虫が!

黒いシミははっきりとしたチャドクガの幼虫の形になったようにみえた。。。それが恨めしそうにボクをにらんでいる。。。いまにもボクに飛び掛りそうな感じがしたけど、ボクには次のイメージが見えていた。。。身体を振り子のようにしてボクの顔めがけて跳躍しようとしている毛虫を足長バチが鋭い牙で噛み付き、どこか闇の中に持ち去る姿を


いまだ!行け!

それは目にも留まらぬ速さで、ボクの視界を横切り、天井めがけて飛んでいった

ボクの全身にわさわさとした感覚がよみがえり、一瞬ボクの顔めがけて、毛虫が跳躍したようにみえたが、足長バチは毛虫を取られ、闇のかなたに姿を消した


翌朝、ボクはすっきりとした目覚めの中で、昨日の夜のこと、そして、今日までおきた一連の出来事を振り返った。。。やっぱり、桜堂にあやまらないといけない

ボクはヤマンバに自然といえた「ありがとう」の言葉とこれから言わなければならない「ごめんなさい」の言葉が、開けてはならない扉を再び施錠するためのカギであることになんとなく気付いていたのかもしれない


終章


恐怖は誰にでもある
でも、それに打ち勝つことのできる力を、誰もが持っているのだとワタシは思う

小学校5年生のボクは成長し、自立し、妻と出会い、子を授かり、育てている

息子は小学校2年生になるが、今、まさに恐怖を抱えているようだ

パパ。。。あっちの部屋に寝るとね。。。シーーーンって音がするから眠れないよ

娘は小学校4年生、時々夜中に泣きながらワタシを起こす。。。怖い夢を見たの。。。街にね、ひとりで。。。パパもママもいたのに、いつの間にかひとりで。。。そしたらね、ゾンビみたいのが追いかけてくるの


娘や息子はどうやってこれらの恐怖の打ち勝っていくだろうか
ワタシが闇の中に存在を確認した恐怖は今でも私たちのわまりに潜んでいる
ワタシの家の中にも、アナタのそばにも、アナタの近しい人にも

どうか恐怖に怯える人たちにアシナガバチが現れますように

もし、アナタが本当の恐怖の正体がわからず、アシナガバチに出会うことができなければ、そのときは



「アナタ」はただ、身を震わす思いで、それに耐えなければならない



おわり