『最後の晩餐』を長編化しようかと…
で、続きを書いてみました。
インスピレーションが音楽からだったので、ちょっとそういうアプローチをしてみよかなぁと
おおまかなプロットは出来上がったのですが、細かいディティールでは不安材料が一杯ですw
ではでは、『最後の晩餐』のつづきを御読みください
『最後の晩餐~あいつなんか』
彼と出会ったのは……去年の12月。
街の中を歩けば、Wham!の『ラストクリスマス』や山下達郎の『クリスマス・イブ』が聞こえてくる。
「きっと、きみは、こないかぁ~」
わたしは仕事帰り、一人家路を急いでいた。
住み慣れたこの街も、気がつけば少しずつ変わってきている。
女一人でも気軽に入ることができたショットバーは前の年につぶれてしまい、駅の反対側に住んでいた学生時代からの友人も、同じ頃に結婚して引っ越してしまった。
居場所がない
もうすぐクリスマスだというのに、スケジュール張には仕事のことと、実家に帰ることしか書いていない。
「みんなあいつがわるいんだ」
別にふられたわけじゃない。わたしからおりただけ……
「あれー、そんな歌詞のヒット曲、昔なかったかなぁ~」
わたしはいつもどおりだった。
いつもどおり恋をして、いつもどおりアプローチした。
あいつは恋の駆け引きとか、遊ぶとか、そんなこととは無縁なタイプ。
すぐ手の届くところまで近づいて、お互いに見合ってしまった。
ちょっとなれた男なら、すんなりことは運んでいたはずなのに……あいつったらちっとも煮え切らなくて、わたしは作戦の失敗を認めつつもこのままでもいいかなぁと思っていた。あの娘(こ)が現れるまでは。
妹タイプっていうんだろうなぁ、あーゆーの。
わたしは最初から相手に甘えたりするのはどうも苦手だったし、自分のことは自分でやりたいし、相手を束縛するのも好きじゃなかった。
何回かご飯を食べたりカラオケ行ったりして、すぐにピント来た。
この娘、あいつに気があるんだ……
あの娘はまるで風船のようにふわふわしていて、少しでも乱暴に扱おうものならすぐに壊れてしまいそうで……だから周りにいる誰もがあの娘のことを『守ってあげたい』と思ってしまう。でも、彼女が守って欲しいのは『誰でも』ではなく『あいつだけ』なのはすぐにわかった。
あいつもそうだけど、あの娘も世間ズレしていないまじめなタイプだった。
もし、友達になれたら、きっと彼女の恋を応援しただろう。彼女はそういう星の下に生まれたのだろうし、わたしもきっとそうなのだ。
あの二人をみていると、どうにもわたしの居場所がないような気がした。
だから、わたしは……だから、わたしは少しだけ背伸びをしようとした。
そんなとき、彼が現れた……それはまるで運命のようだったし、信じられないことに二人を結びつけたのは一本の糸だったというのは、本当の話なのだから。
つづく
別にふられたわけじゃない。わたしからおりただけ……