「Michael / マイケル」
マイケル・ジャクソンの自伝映画、といっても前半生にスポットを当てた作品だ。
60年代のジャクソン5への参加から、1987年「バッド・ツアー」までの期間が描かれている。
私はマイケルの絶頂期を、洋楽リスナーとしてリアルタイムで見てきたので、特別ファンでなくとも彼がどれほど人気があって売れていたかは、よくわかっているつもりだ。
だがマイケル・ジャクソンというアーティストがまぎれもなく稀有な才能の持ち主ということは、彼の死後に公開された「This is It」を観て思い知ることになる(それまでまともにアルバムを聴いたこともなかった)。
「マイケル」は話題性だけで鑑賞したわけではないが、ファンでなくてもこの人物に興味があったことは事実だ。
だれがマイケルを演じるかが最大の問題だろうと思われたが、実の甥がキャスティングされ多くの人と同じ様に納得した。
実際、兄ジャーメインの息子のジャファー・ジャクソンは、半端ないプレッシャーがあっただろうが、見事にやってのけた。ダンスはもちろん、あらゆる身のこなしや歌い方などマイケルが乗り移ったようだ。
傲慢で支配的な父親との確執がこの映画のテーマのひとつだが、そのあたりのドラマは想定内。他のきょうだいがどう感じていたのか、ほとんど触れられないのが少し残念だった。
ジャネット・ジャクソンがいなかったことになっているのは、ご本人の希望だそうだけど。
また、少年虐待疑惑については、当初映画の中で触れていたそうだが「法的理由」でカットされたそうだ。だから、というわけではないが、きれいにまとまりすぎた印象は否めない。もう少しマイケルの影の部分や苦悩、といったものに踏み込んでほしかった気がする。
とはいえ子役の活躍ぶりも見事で、テンポはいいしサクサク見られる。歌唱シーンもたっぷりで、ファンには申し分ない作品に仕上がっているのではないか。
個人的には、85年の「We are the World」 が出てくるのを楽しみにしていたのだが、権利の問題とかで外されたようだ。
すでに続編の撮影も開始しているようだが、その後のマイケルが見たいか?!
おいしいところはほとんどこちらで描いてしまっているように思えるのだが。まあ、たぶん見ると思うけど…。






