「地獄に堕ちるわよ」

4月に入院して、今もまだちょっと療養中なので、なかなか映画館に足を運べません(早く行きたいけど…)。

家にいて観られるものを、ということで何となく観始めたネトフリのドラマ「地獄に堕ちるわよ」。これが予想以上の出来で全9話、飽きずに一気に鑑賞。
細木数子の自伝的ドラマ、というのでもっとベタな内容を想像していたが、いや、これがよくできている。
ドラマは、細木の自伝小説を執筆するというライター(伊藤沙莉)の目を通して語られていく。その構成もなかなか秀逸で、時にミスリードがあったりして凝っている。
貧困をバネにのし上がる波乱万丈の人生は周知の通り。色と欲と金の権化みたいなヒロインを、似ても似つかない戸田恵梨香が見事に演じたのはちょっとした驚きだった。最初はあまりにも本人とイメージがちがうので違和感があったが、すぐに慣れた。こういうのはただ似せればいいというものではないのだ。
同じことは後半に登場する重要人物、島倉千代子役の三浦透子にも言える。彼女もまた島倉にはまったく似ていないし、あえて似せるようにもしていないようだ。でも話に引き込まれてしまい、似ていないことなどどうでもよくなってしまった。
戸田恵梨香は彼女なりの細木数子を演じきった。初恋の相手に裏切られたことに始まり、近づいてくる男のほとんどが金目当てだったり、勘違い男だったり。彼女自身も自らの欲のためには女を利用する。騙し騙され、骨の髄まで夜の女なのだ。当然、裏社会とのつながりも濃厚。
しかし、あれよあれよと言う間に水商売が成功するのは、やはり才能があったからだろう。少なくとも占い師としての能力よりも高かったにちがいない。
「地獄に堕ちるわよ」はそのまま本人にお返ししたいフレーズだが、そのことはだれよりも細木自身がわかっていたのではないだろうか。