「とろー」を「とろ~」に | CM大往生

「とろー」を「とろ~」に

ニット帽かぶって「スタジオボイス」あたりを鞄にしのばせて「クリエイティブがどーの」「センスがどーの」などといっている若者なんかが巷のクリエイター像なんでしょうけれども、実際にCMをえっちゃらおっちゃらとコシらえているのはふつうのおぢさんだったりします。

この人たちは「クリエイティブがどーの」「センスがどーの」などと野暮なことは云いません。そんなものはあって当然のことで、問われているのはそれに裏打ちされた技術ですから。


そうしたCMの作り手の偉大なひとりが細井威良 さん。この方はいわゆるシズル屋さんです。広告代理店の制作職でも制作会社でもそこに身を置く者なら誰しもが知っている人です。電通のクリエイターだのマッキャンのプランナーだのと名乗る男/女が居たらば、ホソイさんのことを訊ねてみましょう。ホントかウソか判ります。

『シズル』というのは お肉を焼く音を意味する英語に由来し、商品を旨そうに見せるカットを『シズルカット』と云います。脂ぎった牛肉、ジョッキからこぼれるビールの泡、そういったヤツですね。「とろ~」「じゅわ~」「たら~」 こうした擬音の記号化と云ったトコロでしょうか。

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