《ビキニ》
「《チャンドラ》・・」
私は最初そう思いました
こんなとこにいたの?! って
そしたら・・ 《チャンドラ》が私たちにガンを飛ばした
それでよお~く見たら・・ 《チャンドラ》じゃない
匂いも違いました
誰? って 心の中で思いました
私たちは魔女の部屋に誰かがいることを気づいてました
それで魔女が私たちと一緒にリャビングでな寝くなったんだ、ってみんなで魔女の悪口を言いました
たぬたぬ 「ずるいよね!」
私 「ずるくはないと思うけど」
78 「前は私が魔女と寝てたんだよ、いつの間にこうなっちゃった?」
たぬたぬ 「待って! その前にもうひとりいたよね」
私 「見てはないけど確かにいた」
ちゃちゃ丸 「その子はどこに行ったの?」
78 「いつの間にか違う猫になってるよね」
私 「ドアの前にいたら魔女が《つんちゃん》、って言ってた あの子、どこ行ったんだろ・・」
じゃじゃ丸 「旅立ったみたいだよ」
私 「どこへ?」
ちゃちゃ丸 「公園じゃない?」
たぬたぬ 「そうか・・ 魔女は毎日旅してんのか」
ちゃちゃ丸 「近くない?!」
78 「そうだよ、旅って、なかなか帰って来ない遠いところに行くことでしょ、ニャパールとか」
私 「恐怖の袋を持って行くんだよね」
たぬたぬ 「なら公園じゃないか」
ちゃちゃ丸 「どこいったんだろうね」
たぬたぬ 「あのさ、なんであの時 《にゃっぱ》だけ魔女と寝てたんだよ、そんなのずるいじゃないか!」
78 「確か・・ 訳があったんだよね」
私 「やだ《にゃっぱたん》、忘れたの?! 重い病気だったじゃない」
78 「あぁ、そうだ しにかけてたんだ」
ちゃちゃ丸 「しにかけって、てなに?」
78 「私もよくわかんないけど、病院の先生がそう言ってた 先生のあの顔つきからして悪いことらしいよ」
私 「それなのにどうしてこんなに元気になったの?」
78 「わかんない・・」
たぬたぬ 「ひとりだけ魔女と寝てたからだろうよ!」
ちゃちゃ丸 「そやって怒んのやめな!」
私 「しにかけたら・・ 魔女の部屋で一緒に寝られるってことか」
たぬたぬ 「じゃあ今魔女の部屋にいる猫はひどい病気でしにかけてるってこと?」
みんな 「そうは見えないよねーー!」
ちゃちゃ丸 「てかさ、あの猫、すごくない?」
たぬたぬ 「すごい! 《意地悪ビキニ》も睨まれて後ずさりしてたもんな」
私 「あの目で睨まれたらすくむよ」
78 「私もチラッと見たけど、あの目には勝てないわ」
じゃじゃ丸 「僕はそばまで行ってよ~く見たけど、『でてけ!!』 って言われた」
もりだくさん 「あんた だれ」
じゃじゃ丸 「あ、こんにちは 《じゃじゃ丸》です」
もりだくさん 「そこで なにしてる」
じゃじゃ丸 「トイレの点検」
もりだくさん 「よけいなこと しなくていいから でてけ!!」
じゃじゃ丸 「僕、《ゆず》との思い出を見に来ただけだから気にしないで~」
もりだくさん 「まじょ なに、あの猫」
私 「で、出てったの?」
じゃじゃ丸 「出てかなかった」
私 「そしたら?」
じゃじゃ丸 「 『わたしの りょうどからでろーー!!』
『しゃーー!!』 ってされた」
ちゃちゃ丸 「で、出てったの?」
じゃじゃ丸 「出てかなかった」
たぬたぬ 「おまえ、勇気あるなーー!!」
私たちはこんな話をしました
私たちは魔女にあの猫はだあれ? って聞きました
魔女は
「あの猫は《もりだくさん》、って言うんだよ 仲良くしなくていいからね」 って
仲良くしなくていいのか・・
・・・・・
昨日公園に、《もりだくさん》がうちの駐車場で動けなくなっている、と知らせてくださった方が訪ねていらした
あの時、《もりだくさん》はもう目も開けられなくて
毛はバサバサで固まっていて
口からは大量の涎を垂らし
触っても、声を掛けても動かなかった
その体には骨が付き出していて・・
それでこのままでは死んでしまう、と思い、連絡をしたと
その状態で家に来て
酷い下痢をしていて
何度も何度も吐いて
それが今では
毛艶も良くなり
涎も出なくなり
鼻詰まりも解消し
太ってきたので突き出た骨は目立たなくなり
ほんの数日で大変身
それにしても・・ 《もりだくさん》、って
こんなに甘ったれだったっけ?!