それから | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

動かなくなった《つんでれ》を抱いて

魔女はもう何も考えられなくなってしまい 

これを茫然というのか・・

 

暫くそうしていて

私は 「ごめんなさい」、と言いながら《つんでれ》の口の中を診させて貰いました

まず目に飛び込んできたのは舌の一部に長さ1㎝ほど、楕円の赤い潰瘍

その部分の舌は削れたようにへこんでおりました

 

これでは相当に痛かったに違いありません

食べ物が口内に入る度に沁みる痛みに悶絶していた《つんでれ》

辛かったね・・

ほんとうに辛かったね

 

口内炎と思っていた私は

《つんでれ》の歯が立派なままで、歯茎にも全く炎症がないことを確認し

悔しさが募りました

 

舌の潰瘍さえなければこの子は

まだまだどんなご飯も食べられ、楽しく生きられたはず

 

美しい歯を見詰めていると、悔し涙が零れて来て

血が滲むほど唇を噛む自分がいて

 

 

 

夜にあんずママさんが庭の美しいお花を抱えて泣きながら訪ねてくださいました

あんずママさんは何度も何度も《つんでれ》を撫でて・・

私たちは様々な想いを胸にして泣きました

 

 

この夜、魔女は《つんでれ》を抱いてベッドに入りました

 

13年前に《つんでれ》と出会った日のこと

あの時、《つんでれ》は擦り切れてぼろぼろになった首輪をしておりました

人に捨てられてのらさんになった《つんでれ》の首輪を私は切りました

 

広い駐車場では毎晩《こだくさん一家》がそれは楽しそうに駆けまわって

そんな様子を駐車場の隅っこで羨ましそうに見ていた《つんでれ》

 

この前も書いたけれど

それから3ヶ月ほど経ったある夜

駆け回る《こだくさん一家》に《つんでれ》が混じっているのを見た時の嬉しさ

 

時が経ち

そんな駐車場にどこからか大きな雄猫が現れ、それまでいた子たちは散って行きました

 

それから暫くして公園の片隅に《つんでれ》の姿がありました

その頃は《ちずのすけ》、《オダギリくん》、《すがりつきにぃ》などが公園の中心猫として君臨し、それは多くの猫たちが暮らしていました

 

彼らの生活の邪魔をすることなく、離れた場所でひとり大人しくしていた《つんでれ》を

《ちずのすけ》たちは迎え入れました

 

そうして10年の月日が経ち、辛い病気になってしまった《オダギリくん》や歳を取ってしまった《ちずのすけ》の側にはいつも《つんでれ》と《もりだくさん》、そして《たてがみ》が寄り添っておりました

 

 

 

 

 

公園にやって来たよそ者の雄猫を追い払う《つんでれ》

 

 

 

冬もサンダルの魔女

いつもその冷たい足を舐めて続け、懸命に温めてくれた優しい子

 

 

 

魔女家に向かう《オダギリくん》、《ちずのすけ》、そして《にぃ》を

《つんでれ》は《もりだくさん》と共に見送りました

 

 

13年間のたくさんの想い出がさらに私を辛くします

枕を濡らして迎えた明け方

 

どこからか聞こえる気がしたのです

声ではなく、言葉でもないのだけれど

それは確かにその朝の記憶として鮮明で

 

 

(まじょ なに ないてんだよ)   え・・《ちずのすけ》?

 

(いのちが おわる、っていうことは やっと らくになる、っていうことなんだ)   ・・《オダギリくん》?

 

(ぼくらは それを けいけんしたんだよ)

 

(あとは おれらに まかせて、まじょは なくな!  そんなじゃ 《つんでれ》の きがまよう!)

 

 

 

この世でいろんな思いをして生きて

いつか私も楽になるためにそちらに逝くんだね

 

そうして、やっとみんなに逢えるのね

 

 

 

 

ここは《つんでれ》が最も気に入っていた公園奥の場所

 

 

一昨日、しげみママがいつもこの場所で見かけることのない《もりだくさん》を見ました

ひとりになってしまった《もりちゃん》・・ 何を想ってここにいるのでしょう

 

 

 

 

読者様、みなさまのお心に深く感謝致します

《つんでれ》がなくなった日にいただいたコメントからお返事書いています

目が辛いので少しずつしか書けませんが・・ すみません

 

その前のコメントにはお返事できていません

不義理をしてごめんなさい

 

みなさま、ほんとうにありがとうございます