31日からほぼ寝ていない魔女
なんかもう・・ ふらふらです
寝ていないから
月や
星だって
朝焼けだって
見放題です
元旦朝イチで《スーリヤ》を病院に運び
家に帰ってから《スーリヤ》のぐったり感は倍増して
床の上やこたつの中で横になったきり動かない
薬のおかげで吐くのは止まったのだけど
まったく生気がない
とにかくご飯を食べさせてください、という先生からの指示
しかし自らご飯を食べる気配はなく
仕方がないから鼻にちゅ~るをくっつけて舐めさせる
だけどそれもひどく嫌がり
それでも一日何回もそれを繰り返す
そうやって食べさせても一日にちゅ~る1本にも満たない
薬を飲ませると口をギーギー言わせて涎を垂らしてしまう
あからさまに痩せていく《スーリヤ》
生気のない目
夜コタツの中で横たわる《スーリヤ》を
ひょっとしたら息をしていないのではないかと何度も触っては確かめる
そして今日
早朝にまた吐いてしまった
《スーリヤ》を抱きしめながら床を掃除する
私に出来ることは、少しのご飯を鼻先に付けることと
嫌がる《スーリヤ》に一日2回薬を飲ませることしかなく
後は時間がある限り体を撫でるだけ
だけど、こんな食事量ではとても足りない
この3日間、殆ど食べてないのも同然だ
一時一時が不安で
のらさんご飯以外外にも出られない
そんな今日の昼間
うつらうつらとしてしまって
何かの気配を感じて目を開けると
そこには《スーリヤ》が座って魔女を見詰めていて
どうしたの? と撫でると
ごあん たべる と言った
私は跳び起きて食器にちゅ~るを入れて目の前に置く
《スーリヤ》はそれをほんの少し舐めてまたコタツに潜り込んでしまった
それから2時間ほどして
ごあん たべてみる とまた言い
今度は先ほどより少し多く舐めたが
それでもちゅ~る1本の5分の1にも満たない
いいよ、《スーリヤ》
自分で 「たべてみる」、って言ったんだもの
それだけで魔女は嬉しい
少しずつでもいいから食べよう
お願いだから頑張ってね
スーリヤ 「・・」
魔女 「だいじょうぶだから いつも まじょが いっしょにいるから」
スーリヤ 「まちょ・・」
魔女 「そばにいるから」
この後、《スーリヤ》の目からぼろぼろと涙が零れて
私は思わずこの子を抱きしめた
自分で 「たべてみる」 そう言ったんだから
もう薬はないけど
あとは自分の力で頑張ろう
魔女は信じているからね
いつも一緒にいるからね