たんぽぽ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

これはあなたですか

 

 

右側の四片は元は一つだったのに

魔女が握って割ってしまいました・・

 

 

古いアパートの解体が終わったのは雨あがりで

泥の中、《たんぽぽ》の形跡を探したけど・・

見つからず

 

土が乾くまで待つことにしたが

それから数日が経ってもそこの数か所には水溜りがあって

だけど、それ以外の部分は苗を植える前の日照りの田んぼのように土が大きくひび割れていた

 

ひび割れた土の上を用心深く歩き

そこかしこの土を掻き分け

私は必死で《たんぽぽ》の形跡を探し続け

 

そうしてやっとこれだけを見つけた

 

 

 

 

当時、《たんぽぽ》は割れたコンクリの隙間からよくこのアパートの縁の下に入って行った

 

だから、《たんぽぽ》がいなくなってから

私は毎日このアパートの前に佇んで縁の下を見詰めて

《たんぽぽ》に話し掛けてた

 

いろんなこと

思い出しながら

 

楽しかった日々もあれば

《たんぽぽ》にとって深く悲しい思い出もある

 

《たんぽぽ》の眼が見えなくなって、長期間必死で治療したこともあった

 

《とらたん》や《らぶ》、そして《ぶす》たちと一緒に魔女に向かって走って来る姿

車の後を追って来る姿

 

雨の日はみんなで車の中ご飯を食べたね

・・魔女は車外で濡れてたけど

そのうち雨でなくても魔女の車が食堂になって

 

毎晩遊んだ

楽しかった

 

《たんぽぽ》は《しゃま》の面倒もよくみてくれた

誰にでも優しく

いつも明るく

 

そして、何よりも忍耐強かった

 

産まれて間もなくから知っている《たんぽぽ》の

その生涯を私は見続けて来た

 

思い出は多過ぎて・・

 

 

人に踏まれてもまた頭を擡げる蒲公英のように強く生きた子だった

 

 

だからといって、決して目立つ子ではなかった

 

 

辛い環境にあっても決してめげることなく

 

 

日々を懸命に生きた《たんぽぽ》

 

 

 

《たんぽぽ》

どうしていますか

 

お母さんの《こだくさん》やきょうだいたちともやっと逢えてるね

もう 『はいけい 《ふぁふぁさま》』 のお手紙を言うこともないね

 

どうか、そこでみんな一緒に

うんと幸せでいてください