けもの道軍団 ~ 逞しく生きる子たち ~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

どういう訳か窓が開いていたこの空家の網戸を猫型に破いたのは《かーら》です

 

《かーら》が体当たりで網戸を破くのを工事の作業員が目撃いたしておりました

 

 

 

そうして寒い冬を、《かーら》と《ぐれ》はここで過ごしました

 

この空家の持ち主は、彼らがここに住むことを了解してくださいました

 

 

 

けもの道軍団は元気でおります

 

 

猫捨てオヤジんち組、おばあちゃんちの庭組、そして別の空家組の《せてぃ》と《せてぃお》も、皆一緒に魔女の作ったお弁当のお食事を気に入って食べてくれます

 

 

《ぐれ》がやって来ました

 

ぐれ 「まじょ」

 

魔女 「なあに?」

 

 

ぐれ 「ぼく いつも このへんで ねてたんだよねぇ」

 

魔女 「そうね、おにわがあるときは そのへんが あなたの おきにいりの ねどこだったわね」

 

 

ぐれ 「どうして おにわが こんななったの・・?」

 

魔女 「・・にんげんの つごうなの」

 

 

ぐれ 「ぼく にんげんのつごう、っての きらいだ」

 

 

おひとりさま 「よのなかは にんげんの つごうってので かわるんだ  

おれらの せいかつだって それで おそろしく かわるんだぜ」

 

ぐれ 「そうなんだね・・」

 

 

おひとりさま 「だからってよ いちいちくよくよなんてしてたら おれらは いきていけないぞ  いつも まじょが いってるべ  あなたたちは にんげんより ただしいし つよい、って  どんなことになったって おれらは したたかに いきるんだ それが ねこのみち、ってもんだ」

 

ぐれ 「したたか、っていうより ぐうたら、ってかんじ・・」

 

 

この前まで《おひとりさま》を怖がって、姿を見れば逃げ出していた《ぐれ》

それが《ぐれ》の去勢後は次第とその距離が縮まり・・

 

 

今では《おひとりさま》のご飯を奪うほどになった《ぐれ》

 

 

《かーら》の子どものひとりがやって来ました

 

 

あなたも逞しく生きるのですよ

 

 

それでもやっぱり淋しいんだろうね・・

 

さき 「まじょ あのさぁ」

 

 

さき 「どうして おばあちゃんは いなくなったの?」

 

魔女 「おばあちゃんは としをとって このさかみちを のぼるのが たいへんになってしまったのよ」

 

さき 「ま~えは おにわで たのしかったんだよ」

 

魔女 「そうね おばあちゃんに かわいがってもらってね」

 

さき 「うん」

 

魔女 「さみしい?」

 

さき 「・・おばあちゃん どしてるかな  って おもう」

 

魔女 「きっと おばあちゃんも 《さき》は どうしてるかな・・ っておもってるよ」

 

さき 「わすれてない?」

 

 

魔女 「わすれてないよ」

 

さき 「・・」

 

魔女 「おばあちゃんは 《さき》たちが げんきで いてくれることが いちばん うれしいんだよ」

 

 

おひとりさま 「まじょ おばあちゃんに あうのか?」

 

魔女 「ときどきね」

 

 

おひとり 「じゃあ いってくれ おれらは がんばってる、って」

 

魔女 「わかった おばあちゃん、よろこぶよ」

 

 

別の空家の庭に住む《せてぃ》

 

 

魔女はこの空家の持ち主にも会って (《せてぃ》の空家閉じ込め事件の際)

《せてぃ》親子の庭仕様の許可を得ています

 

 

けもの道軍団も全員揃って春を迎えました

これからも彼らと魔女、心と力を合わせて頑張ります