《ゆず》の幸せについて | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

《ゆず》の目が開き始めてから毎日考えていたこと

 

《ゆず》の幸せについて

 

今の《ゆず》は保護時の衰弱と失明の危機が嘘のように失せて

元気いっぱいに暮らしている

 

米粒大のご飯を毎日に数十回にも分けて口に運んだ日々

瞳の見えない眼をこじ開けて日に16回もの目薬等を点した日々

あの子はそれに耐え、乗り切ってくれた

ようやく開いた目で最初に私を見つめ、懸命に歩み寄ってくれた

 

今やその身体は倍以上の大きさになり、小さいながらも猫らしい形になってきた

魔女が忙しい時は黙って仲間たちと過ごし

私が部屋に入って行くと駆け寄って来る

部屋中を走りまわり、一気に飛び乗ったベッドからムササビのように四肢を広げて飛び降りたりと

それはそれは快活に暮らしている

 

 

苦労続きだった子

それでも聡明な心を持つ続ける子

 

《ゆず》の眼が開き、自力で食事が出来るようになって以来

私はこの子がどうやったら幸せになれるのか考えに考え続けていた

毎日毎日そればかりを考えて・・

 

 

思い当たったのはただひとつ

 

1年前に《あんず》が産んだ子

《花ちゃん》が里子に行ったお家

 

《花ちゃん》は病院で私に撫でられた以外、一度も人に触られたことがないまま貰われて行って

そのお宅では家族一丸となって愛してくださり、《花ちゃん》は自由に遊びまわっている

そうしてご家族との距離は縮まっているものの・・

いまだ触らせてはくれていない

 

人と触れ合ったことがない《花ちゃん》は、人との接し方、関わり方がわからないのだ

 

同じ《あんず》の子どもで顔つきも独特な尻尾の形も《花ちゃん》にそっくりな《ゆず》

血の繋がりがあり、1歳違いの妹として、《花ちゃん》は《ゆず》に親しみを感じてくれないだろうか

 

のらさん時代の《はなちゃん》は、親離れの後ひとりぼっちになってしまった

淋しかった《花ちゃん》は周囲にいる、また迷い込んできた、小さな子たちの面倒をよくみていた

 

 

だけど、《花ちゃん》のお家とは猫はひとりだけ、の約束

 

そんないろんなことを考えていて・・

そんな時に《花ちゃん》のお家の方から《花ちゃん》の近況報告をいただいた

 

それで魔女は丸一日考えて

無理を承知で《花ちゃん》のご家族にお願いしたんだ

《ゆず》を貰っていただけませんか・・って

 

最初は難しい、 ってお話だったけど

家族で話し合い、《花ちゃん》のことも鑑みてトライアルで受けたいと言っていただいた

 

《花ちゃん》も猫としてはひとりが長くなったし

《ゆず》の心境もあるだろうし

男子より神経質な女の子同士だ

多少の時間はかかるだろうと思う

 

それでも私は、魔女と暮らした《ゆず》が《花ちゃん》に人との暮らしを教えてくれる気がするんだ

 

人は動物と暮らして彼らを幸せにしているようで、実は彼らにたくさんの幸せを貰っている

賢い子の《ゆず》が関わることで、人も猫もさらなる幸せを味わうことが出来たなら

私は本望です

 

 

8月第二週、トライアルでお渡しとなりました

どうなるかは分かりませんが

《ゆず》がいなくなった後、魔女がさめざめと泣き暮らすことは確かです 

(自分でお願いしておきながらね)

 

しかし、今の自分の気持ちをさておいても

《ゆず》が送るこれからの長い猫生は必ずしも幸せであってもらいたい

その願いを込めて、決めました

 

私が深く、深く、愛する子だから
 

 

《花ちゃん》

 

《花ちゃん》

 

 

お願いがあります

 

 

《ゆず》が行ったらどうか、仲良くしてくださいね

 

 

《ぽんず》

 

《ぽんず》は《あんず母さん》と一緒です

 

 

《あんず》は石燈籠の上から《ぽんず》の動向を見守ります

 

 

ねえ、《ぽんず》

 

 

《ゆず》にそっくりね

違うのはお鼻の色だけ

 

 

ひとり立ちを果たしたら、ここでたくさんの仲間を作って楽しく暮らしてね

 

 

 

《ゆず》

 

のらさんバッグ・・ 誰かのにおいがしますか

 

お母さんとはもう会えないけど

 

毎日ご機嫌で

 

 

魔女と遊んで

 

 

素敵な仲間に囲まれて

 

 

優しい《じゃじゃ丸》とは仲良しね

 

 

幸せになって・・ 《ゆず》