斯くも哀しき出会いと別れ Ⅰ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

昨日は何をする気も起こらず

きょうもまた同様で

 

 

あの日の夕刻

「逃がさないで  必ず保護して」 

私が電話の最後に専務君に告げた言葉

 

それから間もなく、ピザ職人のきょうこさんからラインが入り

「子猫ちゃん、保護したので30分程で着きます」 とのこと

 

魔女は仔猫用の布のゲージを用意し待った

 

 

やってきた仔猫は生後1ヵ月ほどの女の子

ここまで来る途中でウンチをしてしまい、それをお尻にくっ付けていた

 

専務君の話では

その子は朝から草むらにいたとのこと

夕方になってもまだいて、歩き方がおかしいので足を痛めているらしく

母親は現れない

子猫用ミルクを買ってきて与えると、かなりお腹が減っていたようで紙パック半分程を一気に飲んだという

 

専務君が 「この子の名前は《ジジ》だからね」 と言った

彼らでそういう名前を付けたらしい

 

右後ろ足を骨折しており 3本の足でそれを引きずって移動していた

そして左足の内ももに少し深い傷があった

 

この子が潜んでいた草むらの前は車通り 

前に《じゃじゃ丸》がヘクトパスカルの窓から覗いていたあの通りだ

 

事故だろうと思われた

 

 

その夜の画像

 

 

 

もう大丈夫だからね

 

 

 

 

容器にお湯を用意してお尻の汚れを洗う

 

この時気づいた

この子の下半身にまったく力が入っていないことに

洗い終わってぶらぶらの足を気にしながらそっと下半身を拭くも、嫌がる様子すら見せない

 

神経が通っていない・・

嫌な予感が脳裏を過る

 

更に気がかりなのが異常に硬く膨れた腹部

皮膚は赤黒く見え、内出血を起こしている

 

嫌な予感のせいで私は深く目を閉じた

 

それから用意したゲージに小さめのトイレと、なるべく体を動かさないでいなければならないと考え、横から入れるように作った小さな箱を入れた

抱いていた仔猫を箱の入り口に置くと子猫は足を轢きずりながら中に潜り込む

 

シーバの仔猫用ご飯を箱の入り口に置く

置いたとたん、《ジジ》が這い出てきて食器に顔を突っ込み、食べ始める

それから《ジジ》は顔を上げて目を見開いて私を見た

 

こんな おいちい ごあん はじめて・・ 

 

《ジジ》は、あっという間に1パウチを食べ終わり

今度は美味しそうに仔猫用のミルクを飲んだ

 

この夜、魔女の部屋で

心細くて時折鳴く子を撫でながら過ごし

子猫は安心したようにうとうとと眠りに就いた

 

翌朝、水曜日

 

 

 

 

大好きだよ、《ジジ》

 

 

朝イチで動物病院に電話をしたが、午前の予約が埋まっていて

午後の診察になってしまった

 

連れて来られた時はシャーシャー言いながら怖がっていた《ジジ》だが

翌日は不安げに鳴いては私を呼ぶようになっていた

まだまだ親が傍に居なけれなならない月齢

心細くて仕方がないのだろう

 

この子の只ならぬ容体に気づいている私は

のらさんご飯に出る以外は子猫を抱いて診察までの落ち着かない時間を過ごす

胸に抱く《ジジ》が聡明な瞳で魔女を見詰め、指に前足を絡めて来る

 

この幼さでこんな大怪我を負って・・

 

この子の前では泣けない、と思っても涙が溢れて止まらない

私は眼にタオルを被せて上を向き、《ジジ》を撫で続けた

 

《ジジ》は時折鳴いてみせた

タイルを取ってその顔を覗き込むと

「どうちたの・・」 と、可愛らしい目を向ける

 

 

 

時間になったので病院に向かう

 

レントゲン撮影の間

診察室で待つ私は両の手を合わせて握りしめ仔猫の負傷の軽さを願った

もうとっくに神様などいないと確信しているのに

私はいったい何に向かって祈っているのか・・

 

手の甲に爪が食い込み、血が滲むほど願ったというのに

 

《ジジ》の骨盤は酷い状態で折れていて・・

神経も寸断され

 

以前に脊椎を損傷して下半身麻痺になってしまった《あおいちゃん》より酷い状態であると告げられる

 

断脚の話も出た

下半身麻痺なら私が圧迫排尿をさせ、何とかして便も出させ、3本脚でもその生涯の面倒見る

この時、私は躊躇なくそう決断した

 

しかし、腹部が石のように固く膨らんでいるのが気になる

先生も同様で、尿が出ていないことを知り、調べてくださった

 

尿が溜まった膀胱が胸辺りまで膨らんでいる状態であることがわかった

神経が麻痺していても、これだけ溜まったら垂れ流すはずが、それが出来ないとはどういうことか・・

 

圧迫排尿をするも尿は出ない

身体があまりに小さすぎて尿道にカテーテルも入れられない

 

先生は時間の猶予がないとし

私が時折重病・重体の子たちを診てもらう病院に運ぶのが適切と判断

 

もう時間がないから急いで! と先生に急き立てられ

私は《ジジ》を抱えて車に飛び乗り、ここからは距離のある別の病院に向かう

そこは、《ジョン ブリアン》が、《ボンネット》が、《サンチャイ》が入院していたあの病院だ

 

時は既に18時を回っており

その病院の受付は18:30で、診察は19時迄

 

私はものすごい勢いで車を飛ばし、他の車を縫うようにして病院に向かった

その間車中でずっと《ジジ》に話し掛け続けながら

 

 

つづく・・

 

明後日の日曜は多忙につきブログUP出来ないと思われますので

この続きは明日載せます