《すがりつきにぃ》の言い分 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

公園から戻り、家に入れてもらい、お気に入りの場所で寝ている《にぃ》に話しかける

どういうわけか《にぃ》は耳だけ動かして寝たふりをしていた

 

家族①が、公園での飯が不満で帰って来たんじゃないの~   などと言うから

試しにひどく欲しがっていた《もどきちゃん》用の高級ご飯をあげてみる

《にぃ》は起きてそれを食べ出したが半分以上を残した

ご飯じゃないのか・・

 

 

魔女 「《にぃ》、魔女が朝ののらさんご飯に出る時、《にぃ》は庭の草むらにいたんでしょう」

 

 

にぃ 「・・うん」

 

魔女 「どうして魔女がのらさんご飯に行く時に声を掛けなかったの」

 

 

にぃ 「しかられると おもって」

 

魔女 「どうして?」

 

にぃ 「かえって きちゃったから・・」

 

魔女 「叱ったりなんてしないよ」

 

 

それからの《にぃ》は以前よりも太い金魚の糞となった

 

 

昨日は忙しく、公園から戻ってから少しの時間をこうして《にぃ》の様子を伺いに費やし

その後は仕事、それを終えて軍団と《かって組》たちのご飯を用意し、その後は所用で外出

夜に帰って来てすぐに夜ののらさんご飯に出たので《にぃ》とはゆっくり話す暇がなかった

 

 

そんな昨夜、部屋に入れた『今日ちゃんのお花』が咲いた

13輪のうち6輪が咲いた

もっと早く部屋に入れてあげれば《ジョン ブリアン》の命日と翌日の誕生日に咲いたのに・・

 

 

 

 

 

 

 

今や我が家ではネバーランドからのメッセンジャーとなっているこの花の香りに包まれていたく

昨夜はリビングで寝た

《にぃ》が魔女の体に乗っかるようにしてすがりついてくる

 

 

そして今日

 

 

魔女 「《にぃ》、どうして公園から戻って来たの?」

 

にぃ 「・・」

 

魔女 「怒ってなんてないのよ、どうしてここに帰ろう、って思ったのかな、って」

 

 

にぃ 「わかんない・・」

 

魔女 「おそとに でたい! おそとに でたい! って毎日家族①に言ってたでしょう」

 

にぃ 「・・うん」

 

魔女 「外に行きかったのよね  もう家の中で暮らすのは嫌だったんでしょう  

《にぃ》は暑い時に部屋を涼しくされるのも、寒い時期に部屋を暖かくするのも嫌だった  地面を自由に歩きたかったんでしょう  その気持ちがわかるから魔女は公園に帰したんだよ」

 

 

にぃ 「・・」

 

魔女 「公園の仲間はみんな優しかったでしょ」

 

にぃ 「うん・・  《ちずのすけ》が 『よく かえって きたな』、って  《つんでれ》は 『また いっしょだね』 っていった  《たてがみ》も《かぎすけ》も 『おかえりなさい』 って」

 

魔女 「なにも嫌なことなんてなかったでしょ」

 

にぃ 「なかったよ」

 

魔女 「なら どうして帰って来ちゃったの?」

 

にぃ 「・・ ・・ まじょが いないだから」

 

魔女 「朝は魔女、公園に行くじゃない  それで長い間一緒にいるでしょう」

 

にぃ 「だけど まじょ かえって しずかなって とおくみて よるなって さみしくなって・・ はいた」

 

魔女 「・・」

 

にぃ 「まじょ なにしてるかな、って おもって・・ そしたらさみしくなって どんどん さみしくなって・・」

 

魔女 「・・」

 

 

にぃ 「おうちに かえろう、って おもった」

 

魔女 (おうちに・・)

 

 

魔女 「だけど《ちずのすけ》たちに黙って帰ったのはよくないね」

 

にぃ 「・・」

 

魔女 「ちゃんと言って来なきゃ、みんな心配してるよ」

 

にぃ 「うん・・」

 

魔女 「お手紙しなさい」

 

にぃ 「おてがみ?」

 

魔女 「そう、公園の仲間に言わなきゃいけないことを《にぃ》が言って、それを魔女が伝えるの」

 

 

にぃ 「わかった!」

 

 

にぃ 「まじょ・・ ぼく ずっと ここに いてもいい?」

 

魔女 「いいわよ」

 

 

にぃ 「やったーー!!」

 

 

 

 

 

ここに来て初めて《にぃ》が膝に乗って来た

 

 

 

 

 

魔女 「ねえ、《にぃ》」

 

にぃ 「なあに?」

 

魔女 「どうやってここまで帰って来たの?」

 

にぃ 「どおやって?」

 

魔女 「どこ通って帰って来た?」

 

にぃ 「わかんない」

 

魔女 「わかんないのか・・」

 

 

にぃ 「こっち いけば まじょいる おうち って  かえって きた」

 

 

 

昨日も書いたけど、公園からここまでは決して近くはない

地域名も違うし

 

《にぃ》はこれまで降りたこともない階段を、小高い所にある公園から降りて行き

住宅街を通り、アパートメントの立ち並ぶ場所を抜け、車通りに出た

 

そこまでは確かだが、その後どこを通って帰って来たのか・

車通りを渡って右に曲がり、少し行って左に曲がると けもの道だ

魔女家に向かうには細いけもの道を丘の上まで登って下りなけれなばならない

 

だけど、車通りの手前は《ぼっさ》の縄張りで

けもの道の入り口は最近狂暴化してきた《ぶす》の縄張り

けもの道の奥はちょっとヘタレになったけど形がデカイ《おひとりさま国・国王》がいる

何よりも夜のけもの道は猫だらけだ

 

そこをてっぺんまで登り切ったとして、今度は下り坂をずっと歩いて途中を左に曲がらなければならない

そしてそのあたりはあの恐ろしい《はなくそ大王》の縄張りなのだ

 

でなければかなり遠回りになるが車通りの急坂をかなり歩いて上り詰める手前のどこかの道を右に曲がるようになる

そこは密集した住宅街で、魔女家までの道はさらに複雑だ

民家を通り抜けようにも、ここはどの家も高い擁壁の上に建っているので、道を進むしかない

さらにこの一帯は《かって軍団》の縄張りだ

 

いずれにせよ《にぃ》は公園から降りて住宅地を歩き続け、車通りを渡って丘をひとつ越えて魔女家に辿り着いた

 

 

昨日、これからよろしくお願いします、と頼んだ猫ボラさんに《にぃ》が帰ったとlineを入れた

 

「えー! あの子が帰って来たんですか! かなりの距離がありますよね!!  何回か行ってる私でも魔女さん宅は迷うのにすごいですね!!」  

 

 

《にぃ》は頑張って帰って来たんだねぇ

 

 

ボンネット 「なんで帰って来ちゃったのさ!」

 

にぃ 「いいじゃないか!」

 

 

猛烈な魔女コンのふたりはライバル同士にございます