無人島へ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

月曜の早朝、予約しておいた船で小値賀島の隣に見える無人島、野崎島に渡る

 

朝は前日に買った菓子パンの残りを齧った

この日の食事は入手できず、食事抜きかと覚悟をしていた

 

前日、私たちとは別に小値賀島出身の生徒さんのけいこちゃんもこの日の食料を求めて島を歩き回っていた

だが、やはりどこも開いておらず途方に暮れていたところ

手首を骨折した民宿のおじさんにバッタリ会って

明日野崎に持って行く食べ物がなくて困っていることを話したという

 

すると当日、出発しようとする私たちの宿のおばあちゃんから差し入れがあった

おばあちゃんは手首を骨折したおじさんのお母さんで、かなりお年を召されている

 

私たちが困っていることを知ったおばあちゃんは、この日凄く早起きをしてご飯を炊き

おにぎりをこしらえてくれ、その他に少しでもお腹の足しになるようにと卵焼きやウインナの炒め物、それにお漬物もののも添えて

「こんなものしか作れなくてごめんさない」 と何度も謝りながらそれを渡してくださった

 

なんと有り難いことか・・

 

私たちもまた何度もお礼を言ってそれらをリュックに仕舞った

 

船着場まではさほどもなく、既に待っていた船で小値賀島を後にする

 

 

それにしてもこの船・・ めちゃくちゃ速くねぇ?

 

けいこちゃんがかなり揺れると思う、と言うので船酔いが心配だったがそれどころじゃい飛ばしっぷりに逆に気分爽快じゃないか

飛沫で景色が良く見えないけど・・

 

船は一直線に無人島に向かうと思いきや、さらに北にある六島に向かった

その時、船のお兄さんが 「この島の人口は三人なんですよ」 と教えてくれた

 

三人しか住んでない島

降りたい気もするが・・

 

その六島からふたりの男性が乗り込んできた

ふたりとも60~70代で、日に焼けてか肌の色は島の人たちと同じようだったが

彼らは明らかに白人だった

ひとりは背が高く、大事そうに抱えた黒いカバンを私たちの足元の先に置き

こちらを見て少し笑ってから奥の船室に入っていった

相当な年代者と思われる黒い皮のカバンには 『六島』 と書かれていた

 

大事な書類が入っていそうな古めかしいカバンを何故にここに置く・・

 

 

船は直ぐに六島を出てそのまま北側から無人島に向かった

 

途中、さっきのお兄さんが野崎島の森の中の一点を指差し

「あれが『王位石』で、その下が沖ノ島神社ですよ」 と教えてくれた

 

両脇に石がそそり立っていて、その上にテーブルのように平たい石が乗ってる

両脇の石は25メートルもあるそうな

 

どうなって・・ 

ああなった?

 

 

 

この船には小値賀島の観光課?の人も乗っていて

私たちを野崎島に降ろした船は六島のふたりを乗せたまま小値賀島に帰って行った

 

先ずは役所?の人からこの島でやってはいけないことの説明を受ける

 

何故なら

 

 

この島は世界文化遺産だった

 

マジでか!!

 

知らんかったわ・・  ← 下調べさえしない女

 

 

勿論けいこちゃんは知っていて

たぶん魔女に言ったと思う

だけど私の頭の中は、無人島! しかなくて、人の話をちゃんと聞いていなかったと思われる

 

 

 

やってはいけないことはすべて常識上当然のことで

オッケーです!

 

で・・ どこに行ったらいいのかしら 

 

それではあっちに行ってみようかしら

 

 

 

うひゃー! なんて綺麗な色なの!!

この海岸で泳ぎたいですぅ

 

 

 

そこからどんどん登って行ったら

 

 

丘の上に教会が見えてきた

 

 

 

 

野首カソリック教会 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏側

 

 

 

 

晴れ渡った青い空に月が出ていた

 

 

 

 

教会内はステンドグラスが机や床に光りの色を落としていて、実に美しかった

けれどここにはもう、祈る人々は誰もいない

 

周辺には潜伏キリシタンの人々が暮らした集落の面影が残るだけだ