公園物語 ~《ドヤ》と魔女 ~ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

前にTNRで忙しいと書いたが

 

それが意外なことに

無理かな、と思っていた子たちが成功し

 

魔女に絶対的に懐いてる《ドガ》

この子は簡単ね ・・と思っていたら

意に反して失敗した

 

《ドガ》は下半身麻痺の《あおいちゃん》のきょうだいで

元々公園の子ではなくその向うのエリアの猫なんだけど私と遊びたい一心で公園にやって来る

 

性格は天真爛漫で自由

他の猫の顔色を伺う事もしない

だから時々《たてがみ》に叱られている

 

それでも懲りずにやって来る

 

 

ここで捕獲機を使うと去勢済みの食いしん坊軍団が入ってしまうのは明確

 

なので《ドヤ》を最初はキャリーに入れようとしたのだが、これが以外にも大暴れ

翌日はネットに入れたはいいけど、これも信じられないくらいの大暴れ

どうやってだか、ネットのまま走り去り、途中でそれを引き裂くようにして脱出

脱兎の如く逃げて行ってしまった

 

 

そうして

その翌日も、翌々日も姿を現さず

何日目かに遠くに姿を見せたはいいけど、こちらには絶対にやって来ない

 

遠目にも怯えた感じで目を見開いてこちらを見詰めているのがわかる

そうして魔女が自分の方に動こうものなら怯えたように逃げ去る

 

私を見るその表情にはこれまでのすっとぼけた感じは一切消えていて

 

「どうして・・?」 と、悲しそうな目を向け続けるのだった

 

 

そんな日々がもうどのくらい続いているんだろう

ひと月くらいかなぁ

 

毎日遠くから見てるんだ

悲しそうな顔をして

 

 

前みたいな仲良しには戻れないのかな・・ から 

もう 無理なんだね って気持ちに私は変っていた

 

信じていた人に裏切られた、と思ってるんだね

 

一度味わった恐怖は決して拭い去れなくて

それでなきゃ、のらとして生き抜いてはいけないもんね

 

 

あんなに甘ったれでも、《ドヤ》は他の人には懐かなくて

魔女だけだった

 

胸が痛いよ

 

ごめんね、《ドヤ》  怖い思いをさせて・・

 

《ドヤ》にとって、魔女は大好きな人から、恐ろしい人に変ってしまった

そうして壊れた関係は元には戻らないんだよね

信じていからこそなおさらなんだ

 

私は公園に行くのが楽しくなくなっていた

 

 

 

一昨日、みんなの食事の後

魔女はいつものベンチに腰を掛けて

《ちずのすけ》、《つんでれ》、《すがりつきにぃ》に囲まれてぼんやりと空を見ていた

 

晴れ渡った空の日差しを受けながらも《ドヤ》のことがあってからというもの、心はどんよりと曇ってる

 

 

《ちずのすけ》が魔女を突っつく

どうしたの? と聞くと、《ちずのすけ》は後ろに目をやった

 

それで振り向くと・・

 

 

 

《ドヤ》・・?

 

 

 

そっと立ち上がって前に回ってみると・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は《ドヤ》がどんな気持ちでるのかがわからないから

声を掛けずにまたそっとベンチに戻った

 

そうしたら

 

 

 

ドヤ 「まじょ・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

                      ドヤ  くんくん   (《ドヤ》は魔女の足フェチ)

 

 

 

ドヤ 「・・」

 

 

 

まじょ 「《ドヤ》、また仲良くしてね」

 

ドヤ 「うん なかよし しよぅ」

 

 

 

やっと心が晴れて

上を見上げたら

 

 

季節はずれの桜花が咲いてた

 

 

 

 

嬉しかった