公園のどこかで眠っているあなたへ Ⅱ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

私が最後に《サンボ》を見た日

《サンボ》は公園の隣の果樹園に立てられた看板をじっと見上げていた

 

そこには果樹園が住宅用に開発され、そこに19棟の家が建つと書かれていた

 

自分が産まれて幼少期を過ごした桃源郷のような場所が壊され、人間の家が建つという看板を見上げている《サンボ》のまぁるい背中

それは今も魔女の目にしっかりと焼きついている

 

 

 

 

私たちはいつだって一緒だった

 

 

 

 

《サンボ》はさぁ

 

 

 

 

よく魔女とお話したよねぇ

 

 

 

 

それに、よくふざけてさ

 

 

 

 

 

毎日、毎日、楽しく遊んだね

 

『あそびもん』 の調達にかけては《サンボ》の右に出る猫はいなかった

 

 

 

ねえ《サンボ》、覚えてる?

 

 

 

 

小さな体で、台風で折れた桜の枝を引きずってきて

 

 

 

 

それと格闘してたこと

 

 

 

 

伐採で切られた枝を持ってきてはそれと戦い

 

 

 

 

時々訳のわからないものを持って来たりもしてたこと

 

 

 

 

魔女が作った《サンボ》の毛玉は格好のおもちゃとなって

遊び終わると秘密の場所に隠してたっけね

 

 

 

そして 『あそびもん』 が見つからないときは

 

 

 

そこらの

 

 

 

草を引っこ抜いて 『あそびもん』 にしてたよね

 

 

 

 

でもやっぱりかくれんぼが一番面白かったな

 

 

 

毎日がとっても楽しかったね

 

 

 

 

《サンボ》・・

 

ずっと、ずっと、ずっと大好きだよ

 

 

 


 

 

 

魔女 「《サンボ》 み~っけ!」

 

サンボ 「あ~ みちゅかっちゃったー!」