公園
日差しの中で目を瞑ると
今はいない仲間との日々が蘇ります
楽しかった日々
私が愛した子たち
それが蘇って
愛らしかった子たちの姿が浮かんで
胸が詰まり
涙が出てきます
毎回お供えものを持ってのお墓参り
ハナミズキの木の下に眠るのは《公園 くろまるこ》
ここは《くろまるこの》気に入りの場所でした
そして今も、公園組の全員がまるで《くろまるこ》を囲むように昼寝をする場所
気立てがよく、一途で
みなに愛された子
腕の中で感じた、愛らしいこの子の悲惨な最期
この世に神はいないのかと
運命を恨んだ夜を、私は忘れない
《公園 キリット君》のお墓の側には大きな紅葉の木があって
お墓のに掌を合わせた後、立ち上がってそれを仰ぎ見るのが私の常となっています
人に傷つけられ
魔女家に引き取られてから共に暮らしたのは９ヶ月という短い間だでした
そして、この子もまた壮絶な最期を遂げました
墓参りでは、毎回 『ごめんなさい』 の言葉が突いて出ます
《公園 サンボ》が最後に迎えた春
一緒に公園を歩き回っていて
見事な河津桜を見上げて感嘆する魔女に
足元の《サンボ》は目の前の小さな花を見詰めながら呟きました
「まじょ ここにも おはな あるんだよ」
それは道端に咲いた小さなスミレで・・
《サンボ》はもういないのに
《サンボのスミレ》は毎年同じところに咲きます
《サンボちゃん》のお墓はどこなんだろうね
森の中も
果樹園も
ずいぶん探したのよ
《サンボ》との４年間を
魔女には１０年にも思えるんだ
《サンボ》が最期に風の中から伝えてくれたお別れの言葉
私は片時も忘れないでいます
カリシウィルスに感染し、危なかった時は魔女宅で入院治療生活を送りました
この公園に
この森に
今はなき果樹園に
たくさんの仲間が眠っていますし、いました
私がこれまで関わってきたのらさんたち
その数は５０にん以上に上ります
みんなとても優しく接してくれました
それは愉快な日々でした
そうして、楽しいことも、悲しいことも・・ 私たちは共有したね
今やっと、のらちゃんたちはここで堂々と暮らせるようになったんだよ
もっと早くそうしたかったのに・・
お空の仲間たち
ごめんなさい
ひとりひとりの猫生には様々なドラマがあって
みんな懸命に生きたね
短い命も
それなりに生きた命も
それはそれは美しく輝いていた
そんなあなたたちひとりひとりを
私は決して忘れない