病院のお話、そして《ちゃっちゃん》のこと  | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

 

昨日はお隣の市に住む親友のお宅にお邪魔することになっておりました

彼女の母上様が亡くなられたのでお花を届けに行きたい、と魔女が勝手を言いまして

 

この友人は例の《ちゃっちゃん》を引き取ってくれた人です

 

 

親友の母上には私、これまで言葉では言い尽くせぬほどのお世話になっておりまして

高校時代から、週末はそこの屋敷に泊り込んでは楽しく過ごしていました

母上は栄養士でありましたので、それは美味しい食事を用意してもてなしてくださいました

 

母上と、友人、そして彼女の弟と麻雀に興じて過ごすという楽しい日々は何年も続きました

大人になり、それぞれが忙しくなった後も、母上は折を見ては私の好物を用意して屋敷に招いてくださったものでした

 

今は・・ ただただ淋しくてなりません

 

 

 

 

訪問の前日

この親友の弟から電話がありまして

 

彼は昨年、近所のゴミ捨て場に住んでいたのらちゃんの仔猫4にんを引き取って家族にしていたのですが

その中のひとりが姿を見せず、夜になってやっと帰って来たのだけれど動かない、というのです

 

それで医者に連れて行くと、左足が付け根から完全に折れているとのことで

医者は、ここでは手術が出来ないということで

それをするならと、私の区の設備が揃った大きな病院を紹介しました

 

友人の弟に相談された魔女は、即座に別の病院で治療を受けることを勧めました

 

 

 

皆様覚えていらっしゃるでしょうか

友人の弟が勧められた病院は

真冬のさ中、のらちゃんお世話仲間のひとりが風邪を引いてしまた《ふぁふぁ》を治療に連れて行った折に

のらである《ふぁふぁ》を、その後再び外に放つのを知った上で、その毛ををバリカンで刈った病院なのです

 

その時、医者は言い放ったのです

 

「1ヶ月もすりゃまた毛が生えてくる」 

 

 

 

1ヶ月先の話じゃないだろう

今、この2月に毛がないんだぞ!

凍え死ねと言うのか!!

 

 

 

 

丸裸にされた《ふぁふぁ》の姿を目の当たりにして怒り骨髄に達する魔女

 

 

顔と、足と尻尾の以外の全身の毛を剃られた《ふぁふぁ》は

とんでもない時期に毛を剃られたせいで

その後4ヶ月以上も、まったく毛が生えることはなかったのです

 

《ふぁふぁ》が現在魔女家にいるのはそういう経緯であります

 

 

 

 

 

話を戻して

私は昨日朝に、骨折した子と、その子の家族である友人の弟を隣の市に迎えに行き

そうして離れた区にある別の動物病院に向かいました

 

 

そこは緊急、そして手術、入院の必要がある重大な時に私が猫を連れて行く病院で

そこで、《ジョン ブリアン》や《ボンネット》は命を救われ

また、痙攣を起こした《くろまるこちゃん》を、かかりつけの動物病院の先生と共に夜間に運び込んだ病院でもあります

 

 

この病院はまるで動物たちのERのよう

8名の獣医師たちは一日に幾十もの手術をこなします

 

交通事故などで運び込まれた猫は自腹で手術や治療を施し

元気になったら里親を探してくれるのです

 

 

 

 

前夜に友人の弟にその病院に電話をして看護師に細かな事情を説明するように言い

その後、夜になって最後の手術を終えた院長が電話をくださり、翌日午前に時間を空けておくとのこと

 

 

そして昨日 

「遠いところをわざわざご苦労様です」 という院長の言葉から始まり

レントゲン画像を観ながらの丁寧な診察で

子猫は手術をすることとなりました

 

私からすると、その手術はかなり画期的であり

院長がこれまで手がけたの何千例もの臨床例からその方法に至ったと考えます

 

 

 

生きものに対して、その命を慈しむ心が医者にあるのとないのとでは

治療にもたいそうな違いがあると私は確信します

 

 

生きものの命の尊厳を謳うこのような病院で動物が治療を受けられるならば

それは幸いと思います

 

 

 

 

 

子猫を病院に託し

これから仕事に行くという友人の弟を駅で降ろし

遅ればせながら親友宅に向かうため、一旦自宅に戻って御霊前の生花を車に積み込もうとしましたが

魔女の2人乗りの車の助手席には箱が大き過ぎてどうにもこうにも収まらず

仕方なく花を箱から出してむき出しの状態で積み込みました

 

 

友人宅にて

ご霊前では母上様には何の恩返しもできないままだったことを謝り

そしてまたこれまでの感謝を込めて掌を合わせました

 

 

介護のために実家からお母様を引き取った友人

ほぼ時を同じくして引き取られた《ちゃっちゃん》は

自らも病身の身でありながら、それは活き活きと介護猫としての役目を果たしておりました

母上もまた《ちゃっちゃん》をたいそう可愛がってくださいました

 

 

しかし、母上様が亡くなられたことを、《ちゃっちゃん》は感じ取ります

 

それから《ちゃっちゃん》の体調が悪化してしまいました

 

友人は今、そんな《ちゃっちゃん》を連れて毎日動物病院に通ってくれています

 

 

 

 

伸ばした私の手を両手で抱えた《ちゃっちゃん》は

横たわったままこの指を自分の口に引き、そっと噛み始めました

喉を鳴らしながら、いつまでも噛んでおりました

 

「《ちゃっちゃん》」  と声を掛けると顔をもたげてじっと私の顔を見詰めてくれます

 

「《オダギリ君》、《ちずのすけ》、そして《つんでれ君》がよろしくって言ってたよ  元気で暮らしてね、って言ってたよ」

 

 

そう声を掛けると

《ちゃっちゃん》は声をあげてお返事をしてくれました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人と暮らしたい

例え野良の世界に身を置いていても

その一心を変えられずに何年もの時を過ごし

人に懐くことが裏目に出て虐待され、命を落としかけた《ちゃっちゃん》

 

そんな《ちゃっちゃん》を親友が引き取ってくれ

そうして、ようや長年の夢が叶ったんじゃない

 

《ちゃっちゃん》、やっと幸せになれたんだから

頑張って生きて

生き抜いて

これからも私の親友にいっぱい甘えてください