昨夜のお手紙 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

 

ようやく寒く冷たい季節が終わりかけようとしているというのに・・

 

 

今まで秘密にしていたけど

 

一昨年

冬になる前に《たんぽぽ》と寝床探しをしました

 

その前に見つけた場所はひと気のない民家の庭に放置された物置だったのですが

錆びて使い物にならなくなってきたからです

 

 

散々歩き回って見つけた場所は

《たんぽぽ》のいる駐車場のすぐ側

 

 

駐車場はその四面を戸建て住宅やアパート、マンションに囲まれていて

中の一面には二階建ての古いアパートが庭を挟んで2棟あります

 

その1棟には猫が嫌いな男性が住んでいて

もう1棟の空き部屋が多い方の土台に四角く空いた部分があって

 

夜、ふたりで歩き回っていて、《たんぽぽ》がそこを見つけました

ちょうど猫ひとりが入れるほどの四角い穴が開いていた

 

 

たんぽぽ 「ここ、どうかな・・」

 

魔女 「中が見えない・・ 《たんぽぽ》、入ってみて」

 

 

 

それで《たんぽぽ》が入って、暫くしてから出て来ました

 

 

 

魔女 「どうだった?」

 

たんぽぽ 「すごく ひろかった」

 

魔女 「寒くなかった?」

 

たんぽぽ 「そとより あったかかったよ」

 

魔女 「変な臭いとかしなかった?」

 

たんぽぽ 「だれも いない においだった こまった においは しなかった」

 

魔女 「湿ってない?」

 

たんぽぽ 「だいじょぶ」

 

魔女 「もし誰か入って来たら隠れるとこある?」

 

たんぽぽ 「はじっこに ある」

 

 

 

それで、そこの他にあと4箇所の猫が出入りできる穴を確認し

万が一の時は、他の穴からも出られるということで、《たんぽぽ》の冬の住まいをそこに決めました

 

魔女は《たんぽぽ》の仲間にもここを教えるように言い

ただ・・ 出入りには気をつけること、絶対に人間に見つからないようにね、と念を押しました

 

もし、大雪でそこが塞がったら、夜中に魔女が雪をどけて助け出す、ということも言いました

 

そこは猫たちにとって、人間の手が届かない、それまでにない安全な場所となり

その後の《たんぽぽ》たちは、そこで雨風や雪を避けて過ごせたのです

 

 

 

 

 

昨朝

猫のお世話仲間の方から知らせを受けました

そのアパートが取り壊されることなになってしまった、ということの知らせです

 

彼女のマンションからはそこが見えるのです

 

 

その人は《たんぽぽ》がそのアパートの縁の下で夜を過ごしていることはご存知ありませんが

《たんぽぽ》たちがいる駐車場に重機や何台もの大型トラックが来たものだから心配して連絡をくださったのです

 

 

その時初めて私は、そこが《たんぽぽ》のねぐらだということを彼女に伝えました

 

昨日の魔女は一日中仕事に追われていて

《たんぽぽ》がどんな思いでいるかと思うと直ぐにでも飛んで行きたいところが、どうしても行けず

 

彼女はというと、いても立ってもおられず、部屋から解体工事と共に《たんぽぽ》の様子を見ていてくれ

 

 

『たんぽぽちゃん、アパートの前に居て壊されるのを見ています。 なんだか切ない  なにもできずにすみません・・』 

 

というメールくれました

 

 

 

 

昨深夜、半壊のアパートを見ながら《たんぽぽ》たちにご飯をあげました

 

《たんぽぽ》も、《しゃま》も、《らぶ》も、《片目のしゃー》も、《ぶす》も、《こどくさん》も・・

殆どご飯を食べませんでした

 

たくさん持って行ったご飯

励ますつもりで持って行ったみんなが大好きな鶏肉も

全部余ってしまった・・

 

 

そんな中

昨夜も《たんぽぽ》に《ふぁふぁ》からのお手紙を伝えました

 

 

 

 

 

拝啓 たんぽぽさま

 

 

今日も変わりなく元気ですか?

暖かくなってきたね

 

もう寒い冬はいっちゃったみたい

やっと楽になるよね

 

こっちの新しく来た子猫はとってもやんちゃです

おれらも子供の頃はああしてきょうだいで遊んだっけ、って思い出します

 

駐車場で走り回ってたあのころは楽しかったな

時々みんなで公園にもたんけんに行ったりして

 

果樹園、なくなったって、

さみしいね

 

もうあそこにはたくさんのお花は咲かないんだね

 

 

さっきとらたんと写真をしました

見てね

 

あと、写真、らぶにも見せてあげてください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《たんぽぽ》、元気でな

また明日手紙言います

 

 

ふぁふぁ

 

 

 

 

 

《たんぽぽ》のお返事です

 

 

 

 

はいけい ふぁふぁさま

 

 

おにいちゃんと とらたんの しゃしん みました

 

げんきそうで よかったー

とっても うれしいです

 

らぶも すごく よろこんでたよ

ずっと みてました

 

 

たんぽぽは きょうも げんきです

 

なにも かわり ありませんから しんぱい ないです

 

あたたかくなって みんな うれしがってます

 

おにいちゃん、こどものころは たのしかったね~

かあさんも きょうだいも みんな いっしょだった

 

 

また おてがみ ください

たんぽぽ、おにいちゃんの おてがみと しゃしん、 たのしみ まってます

 

 

 

 

たんぽぽ

 

 

 

 

 

 

今朝

魔女は駐車場で《たんぽぽ》を探しましたがおりませんでした

 

《片目のしゃー》が、解体工事員が一服に入って重機が止まった現場に足を踏み入れておりました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何を思ってか、《しゃー》はこのまま現場に入って行きましたので、急いで後を追って出しました

 

 

 

 

 

 

 

アパートの半分以上はもう無くなっていて、埃にまみれたむき出しの部屋が顕です

 

そんな様子を横目に見ながら私は公園に向かいました

公園ではお世話仲間の方が既に公園組のご飯を終わらせてくれていて

《たんぽぽ》のことを話されました

 

 

今朝、《たんぽぽちゃん》がいたのでご飯をあげました

けれど 《たんぽぽちゃん》、それを全部吐いちゃった・・

 

 

《たんぽぽ》が吐くなんて、魔女が知る限り初めてのこと

 

 

 

 

帰り道、《たんぽぽ》が車の下におりました

 

《たんぽぽ》は魔女を見つけて走って来ました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たんぽぽ・・

 

 

 

 

 

 

 

 

今夜は《たんぽぽ》たちの新しい寝床をまた探します