涼子 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

夏には13歳になる筈の《涼子》

 

魔女家に来て12年7ヶ月

外暮らしを始めてこの6月で11年になります

 

 

先月から食欲が減退し始め

今月に入ってからはますます食欲を失くしてゆき

 

そうして

今月半ばあたりからまったく食事に手をつけなくなりました

 

 

《涼子》は旅立つ支度を始めたのです

 

 

今日で2週間、たった1回を除いては、まったく食べ物を口にしていません

 

その1回というのは

一週間ほど前、目に見えて痩せてゆく《涼子》を抱きしめ、私が泣いた時でした

 

《涼子》は膝の上から私を見上げ

 

「食べてみる・・」  と言ってくれた

 

そうして液状のものを1本

何回も途切れながら

やっと何とか食べ終えると

 

「これで 終りね・・」

 

と言って

以後、一切食べることはありません

 

 

旅立つ準備を進める《涼子》の意思を尊重し

見守るしかない私の心は

辛く、重苦しく、黒い大きな手で握りつぶされているようで

 

目に見えて痩せて軽くなってゆく《涼子》を抱きしめながら

ただ抱きしめるしかやりようのないじれったさだけがそこに溢れます

 

 

水だけは多少飲むのですが

《ジンジン》も最期はそうであったように

自然の湧き水しか口にしません

 

それで私は家から少し行ったところにある湧き水を汲んで来て飲ませようとしますが

食器からは決して飲まず

 

魔女のいない隙によたよたとそこまで歩いて行って直に飲むのです

 

昨日は途中の溝に落ちたらしく、泥だらけで帰って来ました

 

そんな体をタオルで拭いて

寝かせます

 

 

自分で体調がおかしいと感じてから

この2ヶ月ほどは家の中の玄関を上がったところの、魔女の部屋の側で寝ていました

 

そこで寝ると決めた時

《涼子》は魔女がその時着ていた(いつも着ている)上着を敷くよう頼みました

 

それで魔女は上着を脱ぎ、床に敷くと

《涼子》はその上で丸くなりました

 

 

 

玄関は常に開け放っておかねばなりません

 

外暮らしの生活を続けている者にとって、ドアを閉められるのは非常に恐ろしいことで

閉じ込められたという思いからパニックを引き起こします

 

寒いからと

《とらたん》が使っていたフード付きのベッドを用意しましたが

そこには絶対に入らず、《涼子》は常に魔女の上着にくるまっていました

 

 

魔女は時間のある限り《涼子》についていましたが

そうばかりはいかず

仕事に、まじょねこの食事や、人間の食事の支度

またのらねこ軍団の食事と

側を離れなければならない時間もあり

 

不安が募るのでしょう

《涼子》は魔女の声や足音が聞こえると

 

「ぉー」 「ぉー」 と、か細く鳴くのです

 

 

 

ここ数日は

ドアが開け放たれた玄関で

魔女はダウンジャケットを着て《涼子》に寄り添って寝ていました

 

蒲団を玄関に運ぶと《涼子》が、何事かと怖がるので

そのまま《涼子》にくっついて床で寝ていました

 

 

痩せた体では夜は寒かろうと、決して熱くない程度に布で包んだカイロを入れてあげるのだけれど

《涼子》はそれを嫌がります

 

 

 

体はそれまでの半分ほどになり

体中の骨が突き出て

まるで綿を抱いているように軽くなってしまった《涼子》

 

 

 

体力を失くしている《涼子》は

昼夜の寒暖の差から風邪をひき

痩せてしまった挙句に見る影もない顔になってしまいました

 

一日に何回も目や華や口周りを拭きます

 

薬はあるけれど、飲ませません

この状態では逆に苦しませることになりますから

 

 

 

昨夜

《涼子》は自らそれまでの住処であった物置に戻りました

 

玄関の寝床はそのままにしてありますが

戻ってはきません

 

魔女は物置で一緒に寝ようとしました

 

けど

 

「一緒に寝なくていい・・」

 

《涼子》にそう言われてしまいました

 

 

 

 

現在

皆様のブログへのコメントも、いいねも、ペタも

中途半端になっています

 

このところは《涼子》のことで頭がいっぱいでそれも出来ず

また、楽しい話も書けません

 

すみません

 

暫くはブログをちゃんと更新できないと思います

 

 

 

今はただ、《涼子》に寄り添っていたいです

 

今の気持ちを正直に言うと

 

《涼子》を早く楽にしてやりたい

 

それだけ

 

 

 

 

旅立とうとする者の意思を

尊厳死として尊び

 

しかし

その衰弱を

見続けるのは実に辛く苦しく

 

食べなくなってからの2週間が

2ヶ月にも、2年にも感じられます

 

 

でも《涼子》が決めた覚悟を

私は尊重し

最期まで見届ける