ご機嫌の悪い猫
それは《ひな》
口内炎のせいでとにかくご機嫌が悪い
それは先月からずっとそうで
とにかく口内が痛い《ひな》は、それを誰かのせいだと言い張って
避難的な意味合いからこたつに篭るのですが
寒きゃみんながこたつに入りたいのは当然で
しかし、誰かが入って来る度に怒って唸る
特に《ユリぼうず》に対する風当たりが強く
《ひな》にしてみれば、どうやらこの痛みの首謀者は《ユリぼうず》に違いない、と思い込んでいるようだ
それで、気の弱めの猫は、コタツに入りかけては唸られ
その勢いに怖気づき、慌てて後ずさりをすることになるわけであり・・
さて
こたつといえば《ボンネット》
それ以外の場所ではビビリで有名だけど
一旦こたつに入ると水を得た魚のように活き活きとし
みなから『こたつの帝王』と呼ばれて久し・・ かったのに
今じゃこんな姿・・
こたつの横で擬似こたつ？
なんですか・・ これ
ってかんじでしょ
情けない姿の《ボンネット》でございます
ご機嫌ナナメのひな 「ちょっと、私の写真 とんないでくんない！」
魔女 「すみません・・」
とにかく機嫌が悪いことこの上ない
コタツの中に潜り込んで、食事もそこに運ばせる為
体中が毛玉だらけ
もう・・ むちゃむちゃね
まじょねこ軍団の雰囲気も悪くなるし・・
で、
《ひな》はついに何も食べられなくなり
先週末には病院送りとなりまして
病院では、これまた文句を言う言う
ジタバタとしながらも、そのジタバタ以上に痛いはずの口が動く動く
見かけと裏腹なダミ声で
「私に近寄るな！」
「私に触るな！」
「ここから出して！」
「家に帰せ！」
「ヤダヤダヤダヤダ！！」
「ヤダヤダヤダヤダーー！！」
そんな《ひな》の我儘を尻目に治療は続く
前回のステロイドではない傷み止めが意外と効いてくれたので
今回もそれを打ってもらい
あれして、これして
終了
しーーーーん
終了だけは知ってるし
前回はすっきりとはいかなかったようで、ご機嫌までは直らなかったことから
家に帰ってもまた軍団の雰囲気が悪くなることを鑑み
空いてる部屋で《ひな》をひとり暮らしさせることにした
《ひな》がお気に入っていたハウスを運び込み
もう誰もあなたを痛くする敵なんていないのよ～ って感じで個室作り
９畳ひとり部屋、最高じゃないですか
これでストレスなくなるかもね
というわけで部屋を整え終り
《ひな》を移そうと２階のリビングに戻ると・・
《ひな》が寄って来て
「私、毛がぐちゃぐちゃで気持ち悪いの とりあえずブラッシングして」 と言う
それでブラッシングすると
毛が抜けるわ、抜けるわ
２ヶ月近くもブラッシングさせなかったからもう大変
白い毛が山のように抜け、というか
既に抜けて周りの毛にからみついていたものを全部取ったら、《ひな》の体より大きな山となり
毛玉も全部梳かれ
やっとすっきりしたと思ったら
バリバリバリバリ！！
これが食べたい！ これを食べたい！！
※ 手前右の綿みたいなのは、ブラッシングで取れた《ひな》の毛のほーんの一部です
何ですか・・
この変わりようは
痛み止め、前回より効いてますが
魔女 「あの、《ひなちゃん》、みんながイヤだって言うから一人部屋用意したんだけど」
ひな 「なにそれ・・ 」
魔女 「ひとり部屋・・ 《ひな》のための・・」
ひな 「はあ～？ ひとり部屋？ そんなの淋しいじゃん！」
魔女 「ええ～？ だってみんながイヤだって唸ってたじゃない」
ひな 「私、な～んも イヤじゃないよ」
魔女 「な～んも イヤじゃない・・」
ひな 「ねえ、みんな！ 陽が暮れてちょっと寒くなってきたから一緒にこたつに入ろうよ」
みんな 「え・・ いいの？」
ひな 「いいに決まってるじゃ～ん！」
ボンネット 「ほんとに？ 怒らない？」
ひな 「なんで怒る～ 私が怒るわけないじゃ～ん」
左奥のひな 「やっぱ こたつは暖かいよね～」
中央奥右のレオポン 「《ひな》がいきなり怒り出したらわたし、怖い・・」
中央奥左のバニャ２号 「しっ！ とにかくいまのうちに温まっておきなさい またいつ機嫌が悪くあるかわからないんだから」
中央奥右端のボンネット 「わぁ・・ 久しぶりのこたつだぁ・・」
手前の左から大物気質の《チャンドラ》、《バニャ１号》、《ユリぼうず》はもうガン寝しちゃってます
久しぶりの平和な風景
それよか
魔女としては
もうこたつを片付けたいんですけど
さらにそれよか
《ひな》仕様のひとり部屋はどうなるんですか
あれはただの徒労ですか
さもなくば、また痛くなる日のためにそのままにしておくんですか
そんな日
来て欲しくない
なら、徒労でいい