シャクラの物語XVIII ~ 出会いと別れ 8 ~ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

 

ジンジンが逝ってしまって間もなく

地上では西暦2016年となりました

 

 

ジンジンの死と共にブラツキーも姿を消し、ボス的な猫がいなくなったまじょの家の廊下では

残ったアゾと言う猫や、涼子、かってたちがたぬきちによって食事を奪われ続けることになります

たぬきちのそういった行為はインドラの耳にも入っておりました

 

 

 

 

息が白く見える庭先で

インドラはジンジンの面影を追っておりました

 

そこには涼子とかってという猫が朝食を摂っていて

インドラは離れたところからその様子をぼんやりと眺めておりました

 

 

そこへやってきたのはたぬきちでありました

 

たぬきちは躊躇なく食事中のふたりに向かいます

 

直ぐ後ろに迫ったたぬきちの姿を見てかってが逃げ出し

いまだ留まる涼子の食器に、たぬきちはお構いなしに顔を突っ込みました

 

 

それを見たインドラには突き上げるものがあったのでしょう

 

もの凄い勢いでたぬきちを襲います

 

勿論たぬきちは応戦しますがとても敵いません

 

たぬきちは思わず逃げ出します

しかし、風のような速さで追いつくインドラは、そこで再びたぬきちを襲います

 

たぬきちはインドラを力を見縊っておりました

 

 

 

しかしたぬきちの悪行はおいそれとは修まらず

その日からというものは、インドラの目を盗んでは同様のことを繰り返すことになります

 

するとインドラはたぬきちを探し出して襲い始めます

たぬきちは何度もインドラに襲われることとなり

 

終いにたぬきちはインドラの姿が現すだけで恐れるようになりました

 

 

さすがに懲りたたぬきちは、すっかり大人しくなり

他の猫のご飯を奪うことを諦め

インドラに諭されてからはたいそう行儀がよくなりまして

他の猫の食事中はどんなにひもじくとも遠くで待つようになったのです

 

そんなたぬきちに

インドラは食事を与えるようにまじょに頼みます

 

以来、まじょの家の玄関先には涼子とたぬきちの平和な食事風景が見られるようになりました

 

 

こうしてインドラは

まじょの家と猫たちを守るという役目を自ら負うことを決めます

 

近隣ではインドラに敵うものはおらず

どんな猫もインドラには従うようになります

 

 

 

 

この年の最も寒い時期に

ひとりの猫がまじょの家族となりました

 

 

人間の都合で丸裸にされ、極寒の野外に放たれようとされていた猫を

まじょがその直前で保護したのであります

 

猫の名前はふぁふぁといいました

 

 

 

体中の毛を剃られ

ガタガタと震えるふぁふぁに

インドラは布を咥えてその体に掛けます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからというもの

インドラは日に何度もふぁふぁのいる部屋を訪ねては

食事の世話やら、トイレの使い方やらを教えます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、ふぁふぁがまじょの猫と一緒の部屋で暮らすようになると

キリットの時と同様、インドラは早速檻の閂を抜いて、ふぁふぁを檻から出してしまいます

 

 

 

 

 

 

 

 

ふぁふぁはインドラがいることで、なんら不安なく部屋で暮らすことが出来ました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春になり

インドラは地上で4歳となりました

 

そうしてこの年もまたお盆が迫って参りました

 

 

 

 

「ぼくの ぶんまで いきて」   

 

不治の病に苦しむライガーに、風太がそう伝えた時のお盆から2年の月日が流れておりました

 

ライガーはその言葉を支えに頑張っておりましたが

最近では体重もめっきり減ってしまい

既に頑張りきれないところまできておりました

 

 

 

そんなライガーを、インドラは外に連れ出して気晴らしをさせたりも致します

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

しかし

ライガーは次第と動くことも儘ならなくなってゆきます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうすぐお盆という時に

ライガーは夢の中に風太の言葉を聞きます

 

 

「もう  がんばらなくていいよ・・」

 

 

それから少ししてライガーは息を引き取ります

 

 

それはお盆の前のことで

4日間をまじょの家に帰って来ていたみんながあの世に戻る時

 

彼らの真ん中

風太の隣には、共に空に向かうライガーの姿がありました

 

 

 

ライガーと同じ歳であったインドラは

ライガーの短い生涯の

その殆どが闘病生活であったのを見続けておりましたゆえ

 

ライガーがまだ元気だった幼い頃にふざけあったこと以外には苦しみの時間が多かったことから

深い淋しさとともに、逝ってしまったライガーの安息を思って見送るしか術がありませんでした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その月の終りには

アゾという猫が最期の時を迎えるべく姿を消しました

 

 

 

 

 

 

 

武士になりたかった猫、という

大変印象深いアゾはまじょやインドラの生活にもたくさんの愉快な思い出を残しました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悲しみが癒えままま秋を迎え

寒さも深まった頃

 

 

まじょはまたひとりの猫を連れてきます

 

その猫の名前はとらたんと言い

ふぁふぁが外暮らしをしていた時に一緒にいた猫でありました

 

酷く体調を崩したとらたんを、まじょは説得して家に連れて来たのです

 

 

 

病状は芳しくなく、病院というところでの診察の結果

とらたんにはこの時重症であった病気のほかに、口内に悪性腫瘍が見つかりました

 

 

 

 

当初は重態の為、インドラはとらたんのいる部屋に入ることが出来ませんでした

それでインドラは日に何度もとらたんを見舞うのです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか動けるようになったとらたんは

インドラが見舞いに来るのを窓辺で楽しみに待つようになります

 

 

 

 

 

 

 

 

治療のしようがない腫瘍は別として

元気になったとらたんは猫のみんなと同じ部屋に移ります

 

 

とらたんにはインドラがいれば幸いでした

 

 

 

 

 

 

 

 

これがインドラの出会いと別れの全てであります