シャクラの物語XVII  ~ 出会いと別れ 7 ~ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

 

出会いがあれば

いつか別れが来ることもあるとわかってはいても

 

共に楽しい日々を送った分

別れの辛さは格別で

 

 

 

さらに不幸は続くのです

 

 

この年の秋が始まった頃

インドラとよく廊下で食事を共にしたバブが最期の時を迎えるべく姿を消してしまいました

 

それはそれは可愛らしい猫でありましたのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インドラの憂鬱は深まります

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなインドラを

さらに深い悲しみが襲うこととなるのです

 

 

シャクラがインドラとなってまじょの元に来た時から

ユリぼうずを母親

そしてジンジンという猫を父親としてまいりました

 

 

ジンジンの穏やかで楽しい性格は、インドラの心を優しく育みました

 

インドラはこのふたりに囲まれて、明るく優しい子に成長してゆくのです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真というものの撮られ方もジンジンに教わりました

 

まだ子供のインドラは途中でふざけてしまいますが

ジンジンは根気よく教えます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジンジンはインドラとよく遊んでくれましたし

一緒に庭の散歩も致しましたし

夜は一緒に眠ってもくれました

 

 

 

ジンジンが癌であることが発覚したのはバブが逝ってしまった頃のことでした

 

ジンジンは目に見えて痩せてゆき

以来インドラはそんなジンジンの体を舐めて暮らしました

 

そうしてこの年の終り

インドラだけでなく、すべての猫たちに父親と慕われたジンジンは

それは、それは、みなの心にたくさんの思い出を残し

15歳の生涯を閉じるのです

 

 

ジンジンの最期は、大好きだったまじょの腕に自ら抱かれ

そうして、静かに目を閉じ

動かなくなりました

 

 

ジンジンの死を受け入れられないインドラは

まじょの膝に飛び乗り

必死でジンジンを揺すります

 

 

「ジンジン 起きてよ!  お返事して!」

 

 

インドラは繰り返します

 

「いやだ! いやだよ  ジンジン  目を覚まして!  目を開けて!!

 

 

インドラはずっとそう言いながらジンジンの体を揺すり続けました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでも

ジンジンは再び目を開けることも、動くこともありませんでした

 

 

インドラは泣き出しました

ジンジンの名を呼びながら

涙が止まらないのです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死というものを認識できるインドラを襲う度重なる悲しみの果てのジンジンの死は

まだ若いその心をズタズタに引き裂きました

 

 

その日からインドラは毎日を泣いて暮らします

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジンジンが旅立った直後

ブラツキーも姿を消してしまいます

 

 

こうしてまじょの猫や家を守る者はいなくなってしまいました