《たぬきち》 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

昨夜

《たぬきち》は逝ってしまいました

 

 

夕方から意識が薄れ始め

夜8時頃に、体を撫でていると

薄れた意識、浅い呼吸の中

微かですが、喉を鳴らしてくれました

 

生まれて初めて人に触られた《たぬきち》は

 

それから少しだけ頭をもたげ

 

ひとりにして・・

 

 

 

 

 

魔女は部屋を出て

のらねこ軍団のところに行きました

 

 

《たぬきち》が旅立ったのは

魔女が部屋を出て少し経った頃と思います

 

その姿は

まるで眠っているかのようで

とても安らかでした

 

 

何とかいつもの《たぬきち》の顔にしたくて

ひどく汚れてしまっていた《たぬきち》顔を拭きました

そおっとだけど、何度も何度も拭きました

 

《たぬきち》は果樹園辺りから流れて来た子で

たぶん6才ほどだと思うのですが

折れた牙1本以外には歯はまったくありませんでした

 

 

 

《たぬきち》に馴染みの花を供えてあげたくて

だけど、うちの庭には花が咲いてなかったので

《たぬきち》の縄張りを歩き回って

雨で地面に倒れてしまった花と

散ってしまった花を集め

 

《たぬきち》に何度も ごめんなさい と謝りながら

散ってしまった花は《たぬきち》の体に

地面に着いていた花は洗って小さな花瓶に挿し、枕元に置きました

花瓶の花はその長い茎を撓らせて《たぬきち》の体を覆いました

 

 

 

 

 

 

 

 

《たぬきち》が

辛い体に鞭打って

やっとの思いで

魔女家への幾段もの階段を登り

玄関前のいつもの場所で私を待ち

 

潰れてしまったような目から

美しい涙を零しながら

 

 

ありがとう  

 

さよなら

 

 

を、言って

 

そうして再び

倒れ込みそうになりながら階段を降りていったのというのに

 

 

 

私は、そんな《たぬきち》を追いかけ

探し出し 

キャリーに入れ

車に乗せ

病院に連れて行って

無理矢理診察台に乗せ

 

 

 

重態の《たぬきち》に追い討ちをかけるように

怖い思いを

うんと、うんと、怖い思いを

させてしまった

 

 

その上

嫌がる《たぬきち》に

一度だけ強制食餌を与え

逆に苦しませてしまった

 

 

魔女は《たぬきち》の覚悟を台無しにしてしまった

 

私は最低で最悪のエゴイストです

 

 

 

いつも

何をしても

残るのは後悔ばかり