デーヴァローカでシャクラが思い描いていたようには事は運びませんでしたが
地上に降り立ったシャクラは辛く、苦しい思いを経てまじょという人間に抱き上げられることとなりました
しかしやっと思いが叶ったその時は
シャクラの命の灯は消えかけておりました
気がつくと、シャクラはまじょの家におりました
それでもシャクラはいまだ薄ぼんやりとした意識しかなく
無意識のうちに口に落とされたミルクで喉を潤すのです
それは一日に何回もなされ
シャクラは残った力を振り絞ってそれを喉に通してゆきます
3日もすると、シャクラの意識は確かなものになってきました
魔女の指や胸にしがみつく
自らミルクを求める
などの意思を少しずつではありますが表せるようになります
そうして鼠色だった毛も、真っ白に戻ってゆくのでした
それでもシャクラの目や鼻から流れ出る膿状のものは絶え間なく
シャクラは常に目や鼻を拭かれていましたのでその顔は一日中濡れておりました
その後、何かを言いたげに鳴く素振りも見せ始めます
が、シャクラが声をあげて鳴くことは決してありませんでした
こうして5日が過ぎる頃には歩けるようになり
まじょがちょっと部屋を空けようとすると後追いをするのです
まじょが戻るまでの少しの時間を慰めてくれるのは最初に友だちになったおもちゃの鼠でありました
そうして命を繋ぐと言われた10日を迎えようとする頃には
シャクラは奇跡の回復を、それは堂々と見せておりました