《凜》
私が出禁になって、もうどのくらい経つかわかりません
《凜》はずいぶん長いこと外に出ていません
今はただ、テラスの網に張り付いて、お隣の家を覗き見するしか楽しみがなくなってしまいました
↑ やめなさい!!
誰を恨めばいいんでしょう
魔女ですか?
魔女 「あなたが涼子を襲うからでしょうが!」
私 「あれは《凜》が 『《涼子》、遊びましょう!』 と言ったら、《涼子》が 『あっち行って!』 と言ったから 《凜》が怒って 『なによ!!』 ってなって、喧嘩したんです」
魔女 「《涼子》が遊びたくない、って言ってるのにあなたがしつこくするからそうなるんでしょう」
私 「《凜》と遊べばいいじゃないですか!」
魔女 「とにかく《涼子》はお外で暮らしてるんだから《涼子》の場所に踏み込まないで!」
私 「面白くないです」
魔女 「知りません!」
《凜》は面白くない
つまらない
だから魔女が夜に寝室に行った後
猫ご飯の入った段ボールをあさります
そこの一番上にはちゅ~るとか、かつお棒の入った袋があって
目的はそれです
一回目は箱の上に乗ってるものを落とし
ふたの隙間をひっかき
かつお棒の袋を引っぱり出しました
軍団は凜のやるのをまわりで見ていて
引っぱりだしたらみんな喜んで寄ってきました
そんな中
いつもは優雅でゆったりしている《ひな》が変身し
恐ろしい声でみんなを唸っていかくして
かつお棒の袋をくわえて逃げました
そうして、ひとりで食べてしまいました
そばに誰かが来るたびに恐ろしい声でいかくしながらです
《凜》の目的はストレス解消に箱から引っ張り出すことですから、別に誰がかつお棒を食べようとそんなのどうでもいいんです
それに、《とらたん》の脱走騒動以来、魔女は怖い声で怒れませんからね
今はいたずらのチャンスなんです
次の夜、箱の上にはさらに重たいものが乗せてありました
やりがいがあります
時間をかけて重たいものを落っことし
また中身を出してやりましたよ
そしてまた《ひな》が変身しました
・・昨日の夜、箱はなくなっていました
仕方がないからキッチャン(キッチン)の引き出しを開けて
中身を床にぶちまけてやりました
今朝、魔女が起きて来てそれを片付け
引き出しにテープをくっつけて、開かなくしました
それで今度は水遊びをすることにしました
なにしろ《凜》は水のプロですからね
水遊びは魔女がお風呂に入っている間やります
魔女は昼間にもお風呂に入るからちょうどいいんです
まず棒(コック)をこっちにします (お湯の出る方)
それからちょとずつ押します
最初にやった時、一気に押しすぎて水がバンバン出て自分が水だらけにまりましたから、学習したんです
けど、直ぐに温かい水は出ませんから待ちます
温かいのが出たか触って確かめます
出たら手を振りまわして水を引っかきます
※ 魔女が風呂から出てきたら・・ やってたよ
カーテンの隙間から証拠写真を撮ってやった
《凜》の動きが早すぎてボケボケ
なのでフラッシュで撮ってみた
フラッシュを焚いたせいで魔女が写真を撮っていたのがバレた
魔女 「どうしてそんなことしたの! キッチンがびしょびしょじゃない」
私 「ストレスです!」
魔女 「・・」
私 「出禁のストレスです!」
魔女 「・・もう何ヶ月も外に出てないよね よく我慢してる・・ 《凜》はとっても偉い子だよ」
私 「・・はい」 (もう・・ 泣き出しそう)
そんな《凜》に
お友だちの《もっちゃん》がシールを送ってくれました
軍団のシールです
この子が親友の《もっちゃん》です
↓
すごいですねぇ
どこにぺったんしましょか
もっちゃん、ありがとおーーー!!
もっちゃんは、《凜》のいるところからうんと離れた所で暮らしてます
それで私たちは夜の同じくらいの時間にらんちきをします
私たちはこれを 『遠距離合同らんちき』 と呼んでいます
※ 夜の10時にひとりで暴れだすのがそれか・・