はいけい たんぽぽさま
ずっと へんじ しなくて ごめんなさい
おれが へんじ しないあいだも 《たんぽぽ》は まいにち てがみを くれた
おれ・・
なんて いったら いいのか よくわからないけど
《とらたん》がね
ここに きたこと わかったんだ
まじょから 《とらたん》の においした
びょうきの においした
それ わかった とき おれ・・
すごく やな きもちになった
そのときは なんでか わからなかった
まじょが したの へやから（アトリエ） ここにきて（リビング） とらたんの においすると すごく やな きもちに なった
それで おれ、 ごはんも たべたくなくなって
まじょが しんぱいして おれの すきな さかなとか もってきてくれたけど
さかなも なにも とにかく たべたくない
おれは だめならない くらいの ごはんを まいにち ちっとだけ たべて あまり うごかなかった
それから あとに 《とらたん》が ここに きた
おれは 《とらたん》を みなかった
どうしても みなかった
《とらたん》は すぐに おれにのとこ きたけど
おれは よこむいた
《とらたん》は かなしい かおして じぶんの いれもの（ゲージ）の なかに もどってった
おれは もっと もっと いやな きもちになった
けど、 どうしょうも なかった
おれは ますます ごはん たべられなくなって
まじょに びょういん！ って いわれた
おれが うんと ちいさくなったから だって
いっかい ねた まえ （昨日）
まじょが おれを だきしめて
それから 《とらたん》を だきしめて
《たんぽぽ》からの おてがみ いった
そのとき おれ わかったんだ
おれ・・ あめ ないとこ さむい ないとこ いて
さむい とこ いた 《とらたん》が びょうきになって
くるしかったんだな
さむかったんだな
おれ しってるから
まえ いたとこ くらすの すごく たいへん って しってるから
じぶんだけ あたたかい とこ
あめ こない とこ いて
《ゆりぼうず》 とか
《いんどら》 とか
なかよしして
いろんな ねこと ぐっすり ねたりして
それで
《とらたん》 みたとき
《たんぽぽ》に 《とらたん》に わるい きもちに なったんだ
いやな きもちに なったんだ
だけど いっかい ねた まえの たんぽぽの おてがみの こと
「《たんぽぽ》は ここで くらすのが すきなんです」 って いったんだよね
まじょは いうんだ
それぞれが こころが おちついて しあわせと おもうとこで くらせば いいんだよ
《たんぽぽ》は とっても あたまが いいから ながい あいだ くらしてきた ちゅうしゃじょうで きっと じょうずに くらすでしょう
《ふぁふぁ》の おてがみを たのしみに まちながらね
・・って
そうなの？ 《たんぽぽ》
《たんぽぽ》は そこが すきなの？
おれは そこで くろうした
《とらたん》も そこで びょうきになった
おれも 《とらたん》も もう そこに かえれないけど
《たんぽぽ》 ひとりで さみしくないの？
まじょは 《たんぽぽ》は 《ふぁふぁ》が おもってるより ずっと あたまが いいんだよ
すごく ちえが あるんだよって
だから じょうずに いきているし、これからも いきる って
だから おれが しんぱい するのは 《たんぽぽ》に しつれい だって
《たんぽぽ》の かしこいことを しんじないと しつれいだ って
そうか、 たしかに 《たんぽぽ》は かしこい
こどものころから ずっと かしこかった
おれ・・ きょうから てがみ いいます
《たんぽぽ》 げんきに してるって
まいばん はしってるって
いつも いっとうしょう なんだってね
《とらたん》は とっても げんきに なりました
あんしん してください
おれも ごはん たべる
でないと 《たんぽぽ》が しんぱいするからな
《たんぽぽ》、 おれ ずっと おへんじ しなくて ごめんなさい
これから、また まいにち てがみ いいます
まいにち さむいけど ずっと、ずっと、げんきで くらしてください
《とらたん》と いっしょに 《たんぽぽ》の おてがみ まってます
ふぁふぁ
昨夜は満月でしたね
《ふぁふぁ》が窓越しに月を見ていました
きっと《たんぽぽ》も見てたよね
