《ふぁふぁ》と魔女の食の戦い | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


以前にも述べたが

まじょはのらねこ軍団の食生活を贅沢にさせている


贅沢と言っても超高級なご飯を、ましてや20匹以上の野良ちゃんに与え続ける余裕はない


だから魚屋や、スーパーでマグロやブリのアラを安く大量に手に入れ

新鮮なうちにその身をこそぎ落とし、残りは冷凍にしたり、煮たりして与えている

それに足してカリカリも与える


のらちゃんは過酷な状況の中で日々を暮らし

その寿命も飼い猫に比べたらはるかに短い


だから短い猫生を少しでも美味しく過ごして欲しい

食は生きることにおいて、最も重要であり、且つ唯一の楽しみなのだから



当然、《ふぁふぁ》も5年間そうして暮らしてきた


美しい長毛と愛らしい顔が人気だった《ふぁふぁ》は

何年か前に誰かに捕獲されて飼われそうになったことがあり


しかし《ふぁふぁ》はそこを逃げ出して野良の世界に舞い戻って来た

過酷でも自由な生活を選んだのだ


《ふぁふぁ》はそうして生涯を終えるだろうと、彼を知る誰もがそう思っていた



それが、人の勝手に翻弄され

まさかの魔女家生活を送ることとなって・・


《インドラ》や《ユリぼうず》などの男組仲間もでき

もう外の世界に戻りたいとは言わないのだが


唯一

食の問題で困り果てている






《ふぁふぁ》はとにかく贅沢


それは魔女のせいではあるけれど

ここで暮らすとなるとそんな我儘は通用しない


それでも急に食生活を帰るのは不憫だからと

初めの頃は生のマグロや焼きブリお与えていた



《ふぁふぁ》はそれに飽きるとササミををくれとせがむ


そしてササミに飽きると魚をよこせと


しかも、解凍したものは好まず、新鮮なものでなければ食べないし

さらに食器からではなく、まじょの手からでしか食べないという面倒臭さ



魔女 「そうそうマグロや焼きブリは食べさせられないから」


ふぁふぁ 「まぐろ! やきぶり!!」


魔女 「無理!」


ふぁふぁ 「まぐろ! ぶり!!」


魔女 「ダメだって! ここではまじょねこ軍団と同じ物を食べてもらいます」


ふぁふぁ 「・・じゃあ たべない」


魔女 「それなら 食べなくてよろしい」



半日後、台所に《ふぁふぁ》の姿が

お腹が空いたようで、ひとりでご飯を待っている


魔女 「・・仕方ないな 今回だけだよ」


そうして例えばササミを《出すと

まじょねこ軍団が集まってくる


当然だよね

みんなだって食べたいもの


それで先ず《ふぁふぁ》にササミを差し出す


それを値踏みする《ふぁふぁ》 

新鮮かどうかをもたもたと確かめているうちに、まじょねこ軍団がよだれを垂らしながらグンと前に進み出る


値踏みが長すぎて

痺れを切らしたまじょが 《ふぁふぁ》の鼻先に突きつけていた一切れを他の猫に差し出す

歓喜のぶまじょねこ


ひとりだけにあげるのは良くないから、取り囲んだみんなにもあげる


そうすると・・



ふぁふぁ 「もういらない!」


魔女 「どうした」


ふぁふぁ 「ぼくのを みんなに あげた!」


魔女 「あなたがいつまでも食べないからでしょう」


ふぁふぁ 「たべようかな って おもったとこだった」


魔女 「じゃあ ほら、食べなさい」


ふぁふぁ 「だから もう いらないってば!」



そうして 早足でその場から立ち去り、テラスのボックスに篭るのだ



       テラスにある猫ボックスに立てこもる《ふぁふぁ》    気に入らないといつもこれだ


          そうなると、《インドラ》がどんなに説得してもダメ    すっごい偏屈な子になっちゃう



また


魔女 「はい、まぐろだよ」


ふぁふぁ 「あそこから だしたでしょ」


魔女 「だから解凍したじゃん」


ふぁふぁ 「あそこから だしたの おいしくない!」


魔女 「じゃあ食べるな!」


ふぁふぁ 「たべない!!」




そんな《ふぁふぁ》はお腹が減ると、先にも言ったように台所でアピるのだが・・


その度にこんな押し問答の繰り返し

この5ヵ月間、ずっとそうだ



まじょねこ軍団もまじょと《ふぁふぁ》のこんなやりとりにもう呆れ顔


もうこんなことの繰り返しはご免だ


それでまじょは心を鬼にした


ご飯が気に入らなければ食べなくてよろしい



そうした昨夜

食の我儘から、《ふぁふぁ》は一日半食事を摂っていなかった


無言でご飯を注ぎ分けるまじょ

それをリビングの《ふぁふぁ》も含めて11にゃんの猫たちの前の置く


廊下組の3にゃんにも持って行き、リビングに戻る


むしゃむしゃと、カリカリいう音が気持ち良く響く中  (ウェット組とドライ組に分かれているため)

《ふぁふぁ》だけがじっとウェットを見詰めている (《ふぁふぁ》はドライを食べない)


《ふぁふぁ》の隣の《インドラ》が、わざと 「おいしいなー! おいしいな~!」 と言ってくれる


そんな《インドラ》を見詰める《ふぁふぁ》


それからまじょを見上げるも、無視され



暫くして 、ゆっくりと食器の中のご飯に鼻を近づけ・・

少し考えてから・・ 食べ始めた


それからは勢い良く食べ、お代わりまでした



・・長かったな  この5ヶ月間


気難しい《ふぁふぁ》のことだからまだ油断は出来ないけど

心を鬼にして、最初の一歩を踏み出したところだ





      日は暑かったので家中うぃ開放     《ふぁふぁ》はバスルームまったりしておりました