《インドラ》 その無垢な心で | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


家族②が今でも言う

《インドラ》がちょっと怖いって


それはもうだいぶ前のことなんだけど

《インドラ》がトイレに入っていた時のこと



《インドラ》はウンチをする時に必ず 「みゅ~ みゅ~」 と鳴く

それは赤ちゃん猫がそうするのと同じ


それを4才になった今でも 「みゅ~ みゅ~」 鳴きながらやるわけなんだけど



ある日、トイレを終えて砂を掛け、そこから出た時、家族②が言った


「《インドラ》、臭いよぉ」


すると《インドラ》は驚いた顔で立ち止まり

急いで踵を交わすともう一度トイレに行って砂を掛けた


それでも臭かったんだろうね、家族②が 「まだ臭いよ」 と言う


《インドラ》はまたトイレに戻って今度は丁寧に砂を掛けた


が、また言われてトイレに戻ってさらに砂を掛ける


臭いと言われる度に、それも3回もトイレに戻り、砂をかける《インドラ》を見ていて

家族②はちょっと怖くなる



魔女は他の猫が日記を言う時

ちゃんと気持が表せないでいるとその感じを解って文字にすることがある


だけど《インドラ》の場合は彼が言っていることはきちんと解るし

《インドラ》もまた魔女の言うとことを完全に理解している



《ジョン ブリアン》がそうだった

だから《ジョン ブリアン》が生きている時

彼が言う日記が非常に多かったのはそういう訳だ



以前からの読者様はご存知のように


その《ジョン ブリアン》が一生懸命に面倒を見たのが《インドラ》だ


育児放棄されたため、《インドラ》はふつうに子猫ができることが出来なかった

水の飲み方もわからないし、カリカリの食べ方も知らない


それを数ヶ月をかけて教え続けたのが《ジョン ブリアン》で


今となって思えば・・ 

その時《ジョン ブリアン》は腎不全を患っており

辛い体を押しての行為だったはずだ


そうして《インドラ》がようやく水の飲み方を覚え、カリカリが食べられるようになった時

《ジョン ブリアン》は虹の橋を渡って行った



                  インドラ 「まじょ  《じょんにいたん》 どこ・・」 



           《インドラ》だけじゃない、この時はお世話になったみんなが泣いていた




Indra

               それから《インドラ》は長いこと泣いて暮らした




Jyon brian&Indra
これは《ジョン ブリアン》が《インドラ》に水の飲み方を教えているところです



                        『私のジョン ブリアン』



※ 《ジョン ブリアン》は私がネパールに行っている間に突然のように亡くなってしまった

   空港で魔女を迎えてくれた時は遺骨という悲しい姿で・・

   私はその場に崩れ落ちた

  

   その後1年以上《ジョン ブリアン》の写真が見られなかった

   そして1年後、これは私が泣きながら描いた《ジョン ブリアン》の絵です




何度も考えた

どうしてこの子が母親に見捨てられなければならなかったのかを


そうして最近思うんだ

猫としてはあまりにも変わっていて、猫らしくない《インドラ》を

母親は猫の子と認識できなかったのかも知れない、って



母親に見捨てられた幼子は

生きることを諦めてただじっと死を待っていた


人の出入りが多い、行き交う人もいる道脇すぐのマンションの駐車場で

学校帰りの生徒が私に連絡してきた

彼らによると登校時には既に同じ状態ですでにそこにいたという


その間、誰ひとりも手を差し伸べなかったのかと、それが私には驚愕だった


生後2ヵ月は経っていると思われるのに、片手の掌にすっぽり収まる大きさで

その骨と皮だけの体にはまったく重量感がない

そして・・ 動かない



膝に抱えた《インドラ》の、潰れかけた目を無理矢理に開きながら

動物病院に車を走らせた


診断は非常に芳しくなく、胸が締め付けられて息苦しくなった覚えがある


行き交う多くの人々もまた命を見捨てた現実がここにあって

私には人としての責任を取らなければならないという気持も一部にはあった



強く逞しく、いずれみんなの上に立つくらいの猫に育って欲しくて

その生い立ちの共通点も加味し、『雷神・インドラ』 からそ名をもらった


意地で看病し通した10日間が過ぎ

《インドラ》は生き延びた



《インドラ》は決して淘汰される運命の子ではなかったはずだ

それの証明が今魔女家にある


母親には見捨てられたが、《インドラ》はここで《ジョン ブリアン》を始めとする猫たちからたくさんの愛情をもらって育った



「だって僕は 《ジョンにいたん》の血を引いてるからね!」


《インドラ》を褒めると、この子は必ずそう言う




《インドラ》が毎日一生懸命に手伝ってくれるから私も頑張れる


《インドラ》は神様が魔女家によこしてくれた明るく輝く太陽のような猫です