奇跡の猫たち Ⅲ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


かかりつけの獣医師にも軍団を離れ離れにはしない決意を伝えた


先生は理解を示した上で

《キリット君》のウィルス排出量が高数値だったことから、まじょねこ軍団が感染しているのは間違いないだろう

こうなったら、誰かが発症したら別の部屋に隔離し、また誰かが発症したら隔離した猫の方に移し

そうして次第に猫の家族は減ってはゆくでしょうが・・ と、悲しい顔で提案された



私は通っていたエアロビを辞め

店を閉店して自由人になった友人を週一で訪ねるという約束も果たさず


仕事とのらねこ軍団の世話と食料品等の週一回の買い溜め以外は一切外に出ず、軍団と過ごし始めた


まじょねこ日記も今年で終わると覚悟も決めた



《キリット君》の発症から数えれば潜伏期間の3週間は過ぎており

魔女はいつ誰が発症するかわからない不安を抱えて日々を過ごさなければならなかった


色々考えて眠れない日々は続く


私が《キリット君》にシリンジでご飯をあげている時、皿に入れたそのスープを《レオポン》と《ひな》が舐めていた、とか

しかし、いつも仲良く一緒に寝ていた《ユリぼうず》が危ないんじゃないか、とか

でもよく《キリット君》の世話を焼いていたのは《インドラ》だった、とか

コタツの中ではいつも《ボンネット》と一緒だった、とか


けど、以前から水の容器も、トイレもみんな一緒に使っていたから・・ やはりみんな危ないんだ



それからというものは

誰かが吐けば青ざめ

誰かが食欲不振になれば心臓が縮みあがり

誰かが寝てばかりいるだけで発症したかと疑い


《凜》が高熱を出した時は抱えて病院に走り

《チャンドラ》がテラスから落ちて何日も消息がわからない時は、ウィルスに侵されて倒れているのではないかと心配で探し回り


こうして何ヶ月もの間を眠れずに過ごし

軍団の些細な不調も病気を疑ってしまい

生きた心地なぞしなかった


ただ、軍団の前ではいつも楽しくしていようと決めていて

ふざけたり、遊んだり、軍団が大好きな追いかけタッチごっこをしたり

毎日が運動会のよう

そうして遊び疲れたらみんなと一緒に眠って暮らした


私が家にいてそうすることが嬉しいらしく、軍団は毎日機嫌がよかった




昨年からずっと辛いことが続き

それはネパールの《バブー》との思わぬ別れから始まり

傷心を抱えて帰国すれば、可愛がっていた数十匹ののらねこ軍団をウィルスによって失うという悲惨な事実が私を待っていて

その中には《すがりつき君》や《くろまる》もいて・・


ウィルスに感染して苦しんでいたいたものの、まだ生きていた《サンボ》や《くろまるこ》、《ミズニー》、そして森の子たちは救えたが


その後に《ミズニー》のエイズ感染が確認され

治療中に魔女家から脱走して自力で公園まで戻って私たちを感動させた《くろまるこ》は、今年1月に悲惨な死を遂げた

春には《おかん》も亡くなった


そして今回の出来事と続くこととなる



私の心はズタボロになっていた


まじょねこ軍団に残された日々を如何に楽しいものにするか

ただそれだけを必死にやるしか他になかった


時を惜しむようにまじょねこたちを抱きながら過ごす日々の中で

彼らと過ごした時の分だけの思い出が走馬灯のように心を駆け巡って

哀しみの淵で楽しかった日々を思い出すほど辛いことはないと思い知る



毎日を不安と戦い続け


気がつくとあれから7ヶ月が経っていた


その間、腎不全で《バブー》が

癌で《ジンジン》が虹の橋を渡ってしまったけれど

コロナウィルスではなかった




現在まじょねこ軍団は誰ひとりとして発症せず、新しい年を迎えようとしています


悲しいことが続いて

魔女は神様はいないと確信しました



同時に、私は奇跡は起こる、ということを知りました


それは神が与えた奇跡ではなく

軍団自身が起こした奇跡です



あの時まじょねこ軍団をを引き離していたら

こうしてみなが一緒に新年を迎えることはなかったでしょう


もう終りだと思っていたこの日記も続きます



家族は何があっても離れてはならない


これからも、私たちは命ある限りみんな仲良く、楽しく、ここで暮らしてゆきます


 



 

                 軍団と一緒に観た昨夜の月





















 




今年のブログはこれで終わります


皆様には今年も大変お世話になりました

いつも私たちと苦楽を共にしていただいていること、心よりお礼を申し上げます


来年もまじょねこ、のらねこ軍団をどうかよろしくお願い致します


どうか良い年をお迎え下さい