ネパール・兵糧攻めに苦しむ国民 | まじょねこ日記

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ネパールで新憲法が成立したが

これに納得できないインドがネパールへの物流を封鎖し始めて、もうすぐ2週間になる


他国の憲法に納得できないも何もないし

それに干渉するというのも非常識甚だしい



ネパールはインドと中国に挟まれている小国

中国側にはヒマラヤが聳えているせいもあって、殆どの物流はインドから入る


生活必需品をインドからの輸入に頼っているネパールにとって

封鎖による死活問題が続いている


ガソリン、調理用ガス、食料など、一切が入ってこなくなったカトマンズ

ガソリン、調理ガスはインドから輸入に頼るのみのネパール

食料も国内生産のみではカトマンズの人々の食生活を満たすことは到底できない


現在ネパールの人々は大変な窮地に追い込まれているのだ


9月の終わりには一台給油3リットル制限のガソリンを求めて並ぶ車やバイクの列が3~4kmにも及んでいたのはまだ良いほうで

現在更に深刻なガソリン不足により、一般車両は給油できなくなってしまった


人々は自転車か、徒歩で移動するしかない状況だ



インド政府はこれについて、当初、我々の知らぬところ、この事態はマデシやタルー民族がやっていることだと関与を否定していたが

インドが指揮を取っているのは間違いない

その証拠にインド政府はネパール政府に対して7か条に渡る憲法の改正要求を突きつけていた


その後この封鎖のインド政府関与が明るみに出始めると

インド政府は慌てたように封鎖解除を公式に発表した


だが、とっくに解除されているはずの封鎖はいまだ続いている

ほんの一部の車を通して名目上解除したとしているだけだ


封鎖は指示していないと言いながら、その事実が公になると公式に解除を発表するなど

インド政府のやり方には幼稚極まりないものがある


とにかくインドは現在ネパールを兵糧攻めにしている事実があって

ネパールの人々は窮地に立たされているのだ



ネパール大地震から5ヶ月

いまだ復旧をみないままの状態に追い討ちをかけるこの状況は

人々を更に混乱に落とし入れ、いまや、再び立ち上がろうとする彼らの気力さえも消し去ろうとしている



調理ガスがないため、カトマンズの多くのレストランが休業、または閉店に追い込まれている

ホテルもレストランが機能していないところが増えてきた


ラクスマンのレストランもまた、危機的状況にある


現在は、観光客を含め、やって来る客のために

厨房外にて薪を使っての調理を続けている

これはラクスマンの意地とも言える


しかし、それもいつまで続くかわからない


この近くにある日本料理店はシャッターを閉めて既に5日目を迎えている



       
        ラクスマンとデイブのレストラン、Gillingcheの緊急屋外厨房  

        集めてきた薪で、こうして客に提供する調理を作っている




現在ネパールは観光シーズンのピークを迎え

やって来る観光やトレッキングの旅行者に対し

迎えるネパールは彼らに不便さと戸惑いと苛立ちを提供するしかないこととなってしまった


旅行者はその情報不足から

このような現状を目の当たりにし、お門違いのネパール人を責める様子さえあちこちで見受けられる



街から車が消え

レストランは営業できなくなっている


各家庭もまた、ガスがないから食事が作れない

食料も生活必需品も大幅に不足している



今月13日からネパール最大の祭り、ダサイン祭がスタートする

しかしこの状況ではその祝いもどうなるか・・




他国の憲法に文句をつけ

それに対して身勝手な要求を突きつけて憲法改正を指示し

それを飲ませるために相手の弱点を攻める嫌がらせでネパール国民を窮地に陥れる

このようなインドの卑怯なやり方とその陰湿さ、あつかましさには憤りを禁じ得ない


人々の生活が掛かっている以上

このやり方は『呆れた』では到底済まされるものではない



とにもかくにも

ネパールの窮地が世界規模で問題になっていないのが不思議だ

アジアの小国の事など、世界は眼中にないのだろうか


日本のメディアもネパール大震災の模様は散々伝えていたにもかかわらず

今回の危機的状況をろくに報道しないというのは如何なものか



早急な国連関与を願いたい


でなければネパールの人々は混乱の中に干上がってしまうだろう





山積みの所用を抱えて、私は11月8日にネパール入りの予定


現地では傷痕の残るラクスマン宅の自室に滞在するつもりだ


ラクスマンはそれまでに私の部屋を修理すると言ったが

私はそれを断った


今日明日にでもレストランのシャッターを下ろさなければならない状況下で

今、彼はそれどころではないから



デイブは今月3日にアメリカに向かい、現在アメリカに滞在している


デイブにいつネパールに来るのか、と訊ねられ

11月8日深夜の到着を告げると

それでは自分は11月7日に帰国して、8日は空港に迎えに行くと言う


私はわざわざ帰国する必要はない、と彼に言ったのだが・・


この状態が続くなら

私がカトマンズの空港に降り立っても、そこからの足がないということが考えられる

それを懸念してデイブは7日の帰国を考えたのだろうと推測される



折しも私の到着翌日からティハールの祭りが始まる


果たしてネパールの人々はこの美しい祭りを祝うことができるのだろうか