インドラのしくじり | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

     

出窓から外を見ていたチャンドラ 「まじょ! 《いんどらにいたん》が わるいなかまといっしょに みちを うろついてるよ!!」



確かにツルんでいる相手は悪そうではある




         タヌ吉 「きょうは あっちに いってみようぜ」

   

         インドラ 「行ってみようぜ」





       タヌ吉 「ここは ちょっと きけんだから きをつけてな」


       インドラ 「おおよ」



ただそこらをうろつくだけで何イキがってんだぃ?




《インドラ》


ぼくはこのところ、《タヌ吉》と一緒に朝の散歩をしてる   (それ・・ 知らなかったわ)


《タヌ吉》がこのあたりのどこでもを知っていて、ぼくをいろんなところに連れてってくれるんだ



それにタヌ吉はみんなが言うほど悪い猫じゃない



前はとっても悪い猫で

よくぼくの家族とけんかしてた


《ジンジン》と喧嘩し、《パパ・ジョン》と喧嘩し、そして逃げる《かって》を追い掛け回して


ある日、《パパ・ジョン》と喧嘩して《パパ・ジョン》に怪我をさせた


ほんとうは《パパ・ジョン》の方がずっと強いんだ

けがをしたのは・・

それはお年(歳)のせいであり


《パパ・ジョン》はけがしたって平気で

顔をはらしても、どこか痛くても、シェキュリティーのお仕事を休まないで

それが《パパ・ジョン》の強さであり・・ 汗

強さであり・・汗汗


ぼくは永遠に《パパ・ジョン ブリアン》という猫を尊敬してて・・ あせる



《インドラ》、泣かないで日記を続けなさい


はい・・



とにかく

そのことで魔女は本気でキレた


その日、ご飯をもらいに来た《タヌ吉》に向かって魔女はいんどーを伝えた


『いんどー』 というのはさいごのつーこくなんだ




この身の程知らずの猫がっ


うちの誰かを傷つけたらおまえをもうここには入れないから!


あなたには自分が新参者だということを自覚しなさい!!


これ以上乱暴を働いたらこの私がただじゃ置かないからね


覚悟しなさいよ!!





めったに怒らない魔女が本気で怒った姿はものすごくて

それはまるで絵本で見た 『みぇじゅーさ』 みたいだったから

《タヌ吉》は逃げ出そうにも、恐ろしさのあまりその場で石のように固まってしまい、動けなくなったんだよ




その日から・・

《タヌ吉》はもう誰もおそわなくなった


《涼子》に殴られても

《アゾ》に突き飛ばされても

《凜》に蹴られても

黙って目をつぶって我慢し


《パパ・ジョン》と出会っても

《ジンジン》とはち合わせしても

後退りして退却するんだ



そうして魔女家は平和になった


あれからずっとおとなしくしている《タヌ吉》をぼくは許した



それでね

《タヌ吉》と一緒に歩き回ってて、空き地で一休みしてる時

遠くから魔女がぼくを呼ぶ声が聞こえたんだ

何度もね


《タヌ吉》が 「そろそろ かえったほうが いいようだぜ」 って言ったけど


ぼくはもっと遊びたくて魔女の呼ぶ声を無視した


それからまた歩いて、草むらで遊んで

そこらじゅうをはいかいして

《タヌ吉》とさよならして家に帰った


そうしていつものようにドアをノックした


かりかりかり・・ 


かりかりかり・・  (どんなノックだ?)



いつもはすぐに開くドアが開かない



かりかりかり・・


にゃあにゃあにゃあ・・


かりかりかり!


にゃあにゃあにゃあ!


かりかりかり!!


にゃあにゃあにゃあ!!!




まあじょおぉぉぉぉーーーー!!



開かない・・


それで階段のてすりに飛び乗ってリャビングをのぞいたら

《チャンドラ》がドアのそばにある背の高いおもちゃの上に乗っかって


「《いんどらにいたん》、まじょは いないよ!」 って何度も言った


ぼくは急に不安になって

自動的に無理なことを叫んだ



ぼく 「お部屋に入りたい!!」


チャンドラ 「むりだよ! 《ちゃん》には どあが あけられないもん」




ぼくは不安で悲しくなってその場でぎゃーぎゃー泣き出した


そしたらおもちゃの上の《チャンドラ》も泣き始めた


そんな《チャンドラ》を見て、ぼくは人生が終わった気がした


ぼくと《チャンドラ》はドアの向こうとこっちでわんわん泣いた


《チャンドラ》の横に飛び乗った《ユリぼうず》がぼくに向かって


「僕はねぇ、魔女が出かける時急いで家に戻って入れてもらったのよね~」 


って憎たらしい感じで言ったから

ぼくはますます泣いた



そして気がついたらぼくのシッポがぼーぼーになってるじゃないかーー!!


ぼくはぼーぼーのしっぽのまま、おりの中のシロクマみたいにろうかを行ったり来たりしながら変な声をあげた


それでも魔女はぜんぜん帰って来なくて


ろう下はぼくの足跡でいっぱいになった (たぶん肉球が汗まみれ)



そうしてちょうど頭がおかしくなりそうになったころ


車の音がした


魔女だ!!  


ぼくは猫用出入り口から駐車場をのぞいた


魔女が帰って来た!!



ドアが開いて、魔女が入ってきて

ぼくは魔女に飛びついた


魔女に抱えられてお部屋に入ったら

顔をっぐちゃぐちゃにした《チャンドラ》が駆け寄って来た



             ぼく 「《チャンドラ》!!」  (ひっつき虫だらけやんけ!)




魔女にひっつき虫だらけ! って言われて

ぼくはひっつき虫を取ろうとしていっしょけんめい体をなめた


そしたらひっつき虫が今度は口の中にひっついて

ぼくはケッケ ケッケってなって思わず吐いちゃった


それで魔女はぶつぶつ言いながらぼくの体のひっつき虫を取った




       

                 ぼく 「まじょおぉぉぉぉ・・」





              ぼく 「もうどこにも行かないでね・・」




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おまえがどこにも行くな! って話ですよね


こう見えて《インドラ》、まだまだ子供ですわ