広州空港まで辿り着いたが、まだ日本が遠い
スーツケースは空港預かり
バッグひとつの着たきりすずめがホテル差し向けの車で深夜の広州を行く
どこまで行くんだよ！ っていうほど長い道のりだ
空港付近のホテルじゃダメなんですか
これから行くホテルと何か提携してるんですか
同じ様な道を何度も通る感じ（そんなわけはないけど）でホテルに着いたのが深夜１時くらいだったと思う
そしてここもまた高級だった・・
高級なんかどうでもいいから、少しでも長く眠る時間が欲しいのだよ、こっちは
昨夜のホテルより更に広いバスルーム
さすがに風呂に入りたく、バスタブにお湯を溜める
すると ピンポ～ン
と部屋のブザー鳴らされる
誰だいこんな深夜に・・
こんなところに知り合いなぞおらんぞ
と思いながらドアを開けると
ボーイが 「お食事をお持ちしました」 と容器に入った食事を差し出す
深夜１時過ぎにお食事ですか？！ Σ(･ω･ﾉ)ﾉ！
この日、カトマンズのクラウンプラザで豪華な朝食をそこそこいただき
カトマンズの空港でチキンカリーをいただき
やっと来た飛行機で機内食を先ほどいただいたばかりなのに
その上、こんな深夜にホテルで夜食か！
食えるわけねえだろ～～～！！
あ・・ 果物は美味しそう
それは食すわ
でも、ご飯は無理ね
しかしちょっとお味見してみようかしら
え・・ 美味しいじゃない
食べちゃおうかな
この豚肉の味付がなかなかよろしくて・・
私、胸やけしそうな勢いで・・ バスタブに浸かります
あぁ・・ 疲れが取れる・・ かも
そうして着たきりスすずめでベッドに潜り込んだのが２時
りゃんりゃんりゃん ！！ りゃんりゃんりゃん！！
誰っ！！
「モーニングコールでございます」
・・・
「出発は６時半です。 レストランに朝食を用意しております 早く食べてください」
・・
時は５時半
３時間半しか寝てない・・
何だかんだでもう６時
バッグひとつを持ってダイニングに向かう
広いダイニングには実に様々な料理が並んでいた
コンチネンタルは元より、中華料理、日本料理もある
寿司だ・・
魔女の好きな巻き寿司もある
でも４時間前に食事をとったばかりなのよね・・
まっちゃら、まっちゃら食していたら
出発だってよ！！
車窓から見る広州はけぶっていた
これは朝靄ではなく、光化学スモッグだ
長い道のりを広州国際空港に到着
いちいち正規の手順を踏み、よたつきながらやっと出発ゲートへ
そうして最後尾の席に押し込まれ
私は日本に向けて飛び立つ
・・これでやっと日本に帰れる
長い、長い道のりだった
極度の寝不足と着たきりすずめと過食の帰路
それにしてもこの航空会社、完全に赤字だな
誠意はわかったが、その誠意によって余計疲れさせられた欠航騒ぎ
苅田で受け取ったスーツケースに付けていた錠前は
幾度も積み替えられたせいでひん曲がり、キーが差し込めない状態になっていた
魔女はバカだから
スーツケ－ス本体のキーを買ってすぐに失くし
ダイヤル式のロックが怖い
もし数字を忘れたら・・
とにかく自分が信じられないんだ
それで今時のスーツケースに古風な錠前をしている恥ずかしいヤツになっちゃった
で、その錠前をダメにされたので鍵を切るしかない
家に帰ってこの鍵を切るほどの強力なカッターを、私は持ち合わせていない
丸一日遅れで日本に到着したのだが
恐ろしく長い旅だった気がする
ことほど左様にいろんな意味過酷な帰路だった
唯一救われたのは
日本の税関で、何枚ものネパールビザが張られた私のパスポートをめくっていた係官が
思い出したように顔を上げ
心からの笑顔を見せて 「いつもご苦労様です」 と言ってくれたこと
この係官は私の頼みを快く聞き入れてくれ、他の職員に大型のカッターを持って来させ、スーツケースの鍵を切らせ
そうして再度 「ご苦労様でした」 と声を掛けて到着ロビーへと送り出してくれた
今回のネパール日記
これで終わります