のらねこ軍団の夜 Ⅱ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


先日、公園からの帰り道


こちらに向かって大声で鳴く猫がいました




                   《ミズニー》です



《ミズニー》は以前と違ってあまり公園には来なくなりました


ある日突然公園に迷い込んできたちょっと乱暴な茶トラの子が苦手なようです


それまではずっと公園の入り口の草むらで暮らしていましたが

今は公園の向うにある民家の物置の下にいます


私が公園から帰るのをいつも公園の外で待っていてくれるのですが

この日はいつもと違って大声で魔女を呼んでいました


暫く一緒にいると、公園から他の猫たちも、恐る恐るの様子で駆け寄ってきます

《ミズニー》は座っている私の膝によじ登ると、こちらを見上げて細い声で鳴きます


《ミズニー》はお腹に赤ちゃんがいてるのです


暫くそうしていて

嫌がる《ミズニー》を膝から降ろし、他の猫を無理矢理公園に帰し、魔女も家に戻りました



翌日


公園に行くと、そこに《ミズニー》がいました

いつもは行きたがらない公園にいるなんて珍しいな・・


この日の《ミズニー》は、やはりいつもと違っていて

足元に集まるみんなを押しどけて私にくっついてきます

そうして小さな声で鳴きながら足元で右に左にと体擦り付けるのを繰り返すのです



《ミズニー》はずぅっとそれを繰り返していましたが

その後、座って体を舐め始めました


この日は同じくのらねこ軍団の世話をしているお兄さんもいて

私は椅子に座ってお兄さんからのらねこ情報の報告を受けていました



その時・・


お兄さん 「う・・ 産んでる・・」


魔女 「え・・?」



目の前で《ミズニー》が赤ちゃんを産み始めたのです


私が見た時は既に赤ん坊の体の半分ほどが出ており

それからじきに、5cmほどの小さな全身を現しました


周囲の猫たちは、《ミズニー》出産の様子を大人しく見守っていました


生まれたての赤ん坊は必死で母親となった《ミズニー》のお腹に向かって這い

ミーミーと鳴きながら乳を探します


しかし、臍の緒の違和感に戸惑った《ミズニー》が立ち上がり

繋がった臍の緒を振り払おうと、その場でグルグルと回転を始めたのです


臍の緒で繋がった赤ん坊は、ミーミーと鳴きながらブンブン振り回されています


慌てた私は


「《ミズニー》、ダメよ! 座って! 座って噛み切るの!!」



それでも《ミズニー》は回転を続け、赤ん坊は鳴きながら振り回されています


これには周囲の猫たちもオロオロとするばかり


「座って! 赤ちゃんが泣いてるじゃない! かわいそうよ!!」



それで《ミズニー》はやっと我に返ったように回転を止め

その場に座って赤ん坊を自分の体に寄せ、臍の緒を手繰り、やっと噛み切りました


臍の緒が切れた拍子で赤ん坊が地面に転がって

体をプルプルと震わせながらまたミーミーと鳴いています


そして、こちらを見上げる《ミズニー》


「《ミズニー》、ここで子育てをしちゃダメ! あっという間にカラスに赤ちゃんをさらわれるよ!!」



《ミズニー》が困惑を顕にし


「赤ちゃんを連れて住宅地に戻りなさい、いつも自分がいるとこ! わかる? いつも寝てるとこ」



すると、《ミズニー》は赤ちゃんを咥えようとし始めました

しかし上手く出来ず、《ミズニー》がそれを努力する度に赤ん坊はコロコロと地面を転がってしまいます


早くしないと次の子が産まれてしまう・・

私は手出しをしたい気持ちを必死で我慢しながら《ミズニー》に声を掛け続けました


何回か赤ん坊を地面に転がした後

《ミズニー》はやっと赤ん坊を咥えました


そうして赤ん坊を咥えたまますくっと立ち上がり、早足で住処に向かいました


お兄さんが《ミズニー》の後を追い、住処である民家の物置の下に入り込んだのを確認しました



そうして一週間後の昨日、公園に行くと《ミズニー》がやって来ました


「食べたらすぐに赤ちゃんのところに戻りなさい」


それでも《ミズニー》はグズグズと甘えてきます

気が気ではない魔女


しかし、20分ほどすると《ミズニー》は突然早足で住処に帰って行き

私はやっと安心しました




              昨日ののらねこ軍団です



           本日のバッグの見張り番は《森のボス》 



   《黒丸》はこの数日の急激な気温の低下で体調不良  



《すがりつき君》も風邪をひいて木陰の寝床に篭っており

《キリット君》も、捨てられた時から面倒を見ている《ちゃっちゃん》を抱いて同じく木陰でご就寝



でも子猫たちは元気で




                 サンボ 「まじょお~!」



       

             みて! せなか、かゆいのなくなった



       さんぼ 「《ころまるこ》~、あたち、かゆいの なくなった!」


                くろまるこ 「よかったね」




       くろまるこ 「まじょお~ あしょんで、あしょんでぇ~~♪」




先日置いて行かれた《こだくさんのおこさま》

最初は遠巻きにみんなのようすを見ていたけど

最近ではひとり遊びをするようになりました


自分と同じくらいの月齢の子がいないから、ひとり遊びするしかないのかな・・


でもこの日、《サンボ》が走って行って《こだくさんのおこさま》の遊びの相手をし始めました


ふたりで鬼ごっこが始まります

《こだくさんのおこさま》は嬉しそうに駆け回っています


よかったね



     でも時々お母さんが恋しくなっちゃうんだろうね・・ 

     《こだくさん》が立ち去った方をこうして見ている時があります



※ 以前にここで《こだくさん》を避妊手術のために捕獲する予定があると聞かされたことを

書きましたが、《こだくさん》の捕獲は失敗に終わったとのことです

あの時捕獲されていたら、この子たちはヤバかったですね


《こだくさん》の子供はこの子だけではありません

《こだくさん》は子供たちを独り立ちさせるにあたり、それぞれに別々の場所を与えました




この日の公園の見張り番は《つんでれ君》



       

                みんな、なかよく あそぶんだよ



さて、こうして監視役もいるし

魔女は帰ろうかな



                     帰れねえよ・・