のらねこ軍団の夜 Ⅰ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


一時は公園に20~30匹以上、果樹園に30匹ほど ののらねこ軍団が迎えてくれていたが

今は公園と果樹園でそれぞれ10匹ほどに減少してしまいました


増えたカラスが、赤ん坊を食べてしまうのでまったく子猫がいないのと

それまでいた子が去勢、避妊手術の為の捕獲現場を目の当たりにしてそれに怯え、散ってしまったからです


散ってしまった子たち・・

どこかで元気に暮らしてくれているといいな


ここには独り立ちした子猫もやってくる

ここに来れば食べ物があるから


そうした子猫を連れ帰ってくれる人も現れ始めました



2週間前の夜の公園


足音を聞きつけたみんなが公園の入り口まで迎えに来てくれます


一緒に公園に向かいながら、みんなが足元でいろんなことを言います


ひとりひとりのお話を聞きながら足元でみあげる子たちを危なっかしく避けながら広場に向かう魔女です




       

            サンボ 「まじょ せなかが かゆいの・・」


    魔女 「ダニにやられちゃったね、たまらなく痒いでしょう、お薬をつけようね」


           サンボ 「うん」



暑くなるとダニにやられる子が増えます

毛色の黒い部分は茶色くなり、白い部分もまた茶色っぽく変色します


そうして酷くなるとその部分が粘着性を持ってベトベトになり

毛が抜け落ちるのです


ダニが付くと恐ろしい痒さに襲われ

ひっきりなしに体を搔くようになります


搔いたところの傷からばい菌が入り、皮膚病になったりするので早めに手当てをしなければならなりません


しかし過酷な外暮らしで健康体とは言い難い子が多いため

むやみに滴下薬を与えるわけにもいかず

ひとりひとりの健康状態を見極めてその方法を決めます




                おかん 「まじょ~」


                魔女 「なあに?」


                おかん 「あつくて だるい~」 


                魔女 「もう少しの辛抱だから・・」




       

                つんでれ  バタン!!


               魔女 「わかりました・・」   (撫でろ、という合図)





           ちずのすけ 「ぼくも せなか かゆい」


           魔女 「どれ、見せて」




            このところ元気のない《キリット君》



あんなにじゃれるのが好きだった《キリット》が

まったくじゃれなくなり、ここ暫くただこうしてじっとしているだけ

痩せ方がハンパなく、今一番心配な子です


このところ、公園には親切な方々が何人もいらしておられるようで

みなさん《キリット君》のことを心配して、缶詰を持って来て食べさせたり

毎日様子を見に来てくれたりしている方もいらっしゃるようです


今、魔女も一番心配なのが《キリット君》

目を離せません




子猫たちが遊び始めました

《サンボ》は体が小さいだけで子猫じゃないけどね

心はまだまだ子猫




            サンボ 「なに いるの?」


            くろまるこちゃん 「ここに むし いるの」


                         ※ 《黒丸》の子供だから《くろまるこちゃん》





サンボ 「あそこにも むし いるよ」


ちゃっちゃん 「あ、ほんとだ!」


くろまるこちゃん 「あ~! むし とんでったあー  つかまえようと おもったのにぃ」



魔女が始めてこの公園に来た頃

ここののらちゃんたちの食料は虫でした



《こだくさん》がやって来ました



       

          魔女 「どうしたの? こんなところまでやって来て」


          こだくさん 「こども・・ つれてきた」




            《こだくさん》に連れられて来た子供



《こだくさん》が ここに子供を連れて来たのは

この子を独り立ちさせるためです


子育てのベテランである《こだくさん》は、この子を独り立ちさせるにあたって

公園ならば食べるに困らない

このくらいの大きさになれば用意にはカラスに襲われない

この公園の猫たちは子猫を虐めない


そんなすべてを知り尽くしていて

自分の子供を新たにここの仲間に入れてもらおうと決めて連れて来たのでした



          これがこの母子が寄りそう最後となる画像



母親は独り立ちをどのようにして子供に言い聞かせたのか

それとも子供は既にそれを察していたのか


暫くこうして一緒にいて


《こだくさん》は立ち上がり、見つめる子猫を一度も振り返ることなく立ち去りました


子猫は母親の後を追いませんでした・・


ただじっと、その後姿を見つめていただけ




            ひとり公園に残された《こだくさん》の子供



今日からここでみんなと暮らしましょうね


魔女もお兄さんもいるし

猫はみんなやさしい子たちばかりだから、きっと仲良くなれるよ

お母さんもまたあなたの様子を見に来るはずだから