ラクちゃんとロクシと子猫 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


ラクちゃんが魔女に耳打ちをする



クちゃん 「ここには泊まれないよ、夜にはトラが出るんでしょ?」


魔女 「うん」


ラクちゃん 「それにお風呂もトイレもないじゃん」


魔女 「そうだよ」


ラクちゃん 「他所に泊まる!」


魔女 「そうだねぇ・・ で、どこに・・」


ラクちゃん 「むこうに見えるバザールまで行けばホテルくらいはあるかもって、さっき聞いた。 だからあそこに泊まりに行こう」


魔女 「そんなことリサーチしてたの?!」


ラクちゃん 「そりゃそうさ! でなければベシサハールまで行けば確実にホテルがあるからそこに行こうよ」


魔女 「いやいやベシサハールまで行かなくても、その途中のバザールにもホテルはあるよ」


ラクちゃん 「じゃあそこにしよう!」


魔女 「だけどもうどこかの家で私たちが泊まる支度をしちゃってるよ」


ラクちゃん 「だって・・ ぼく、ここには泊まれない! トラやシャワーなしはムリだもん!」



こうしてラクちゃんはどこかのホテルに泊まる作戦を本気で計画し始めていた



そうこうしているうちにすっかり陽も落ち



       

サヌの兄嫁がラクちゃんとサヌのために酒のつまみの鶏肉料理を作り始めた




    ここには電気がなく、夕方はそのまま夕方、夜は本来の闇夜だ



豆の料理と鶏の料理が出来上がり

その旨さにラクちゃん感動





           

    豆は枝豆くらいの大きさの黒豆をチリとニンニクで味付したもの

   魔女は日本の煮豆は食べられないが、この味付だったらいくらでもいける



ラクちゃんは最高に旨いし料理と共に出されたロクシに上機嫌で舌鼓を打ち

酒が進むにつれ、その舌鼓は際限のない饒舌と化す


ロクシは各家庭で作られる穀物を中心とした蒸留酒で度数が高い

それぞれの家で材料も違って作られるので味もまた様々



その後魔女が泊まる家に移動して魔女は夕食

ラクちゃんとサヌはここでもお酒を飲んで上機嫌




 こちらはこの夜魔女が泊まることになった家の中の壁に貼られたヒンドゥーの神々




       
                 この家のお嫁さんと子供





                   この日の夕食  

   鶏肉とカウリフラワーのおかずにトマトのアチャール(漬物)と豆のスープ



サヌの家でも、この家でも、鶏は飼っていたものをこのように提供してくれる

鶏はいらないから、ってあれほど言ったんだけどなぁ




ラクちゃん 「魔女、魔女!」


魔女 「なに・・」


ラクちゃん 「ここのロクシ、サヌのとこのより断然美味しい・・」


魔女 「それは良かったね」


ラクちゃん 「さっきのは味が大雑把で薄かったの」



もう・・ メチャクチャご機嫌のラクちゃん


隣のサヌが 「ラクスマンさん、もう一杯どうぞ」 と言い、酒の入った、元はマウンテンデューかなんかのペットボトルを差し出す


「いやいやもう十分だよ!」 と、コップを自分の横に隠すラクちゃん


サヌが 「そうですか・・」 と酒を引っ込め掛けると、ラクちゃんは慌てて、然もメッチャ素早くボトルの口にグラスを突きつける



なんだか ややこしいヤツだな・・



魔女 「飲みたきゃ普通についでもらやいいじゃん」


ラクちゃん 「一旦遠慮するのがネパールのマナーなんだ!」


魔女 「面倒なマナーだな!」


サヌ 「そんなマナー、私知りませんよ」


魔女 「ほら・・」


ラクちゃん 「・・」



ラクちゃん、ロクシの旨さに負け他所へ泊まる作戦 完全健忘・・


こうして深夜まで楽しんだラクちゃんは

ご機嫌でサヌと一緒にどこかの家に向かって闇夜に消えた




ここの家には他の家のように10cm四方の小さな風通し用みたいな窓ではなく、大き目の窓に鉄の柵があった

小さな窓も鉄柵もトラ避けだ



 夜、みなが家に引っ込んだ後に、子猫がやって来て軒下で何かを食べ始めた




               

                       柱の横でたそがれる子猫ちゃん

                 

                       トラに食べられないようにね




       

      寝静まった深夜の風景    子猫、どこにいるかわかりますか?


      トラの見張り番でもしてくれているのかな・・