村の生活と子供たちの夢 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


学校を後にし、細い瓦礫の坂を登ってサヌの家に行く


カトマンズで働くサヌはそこで部屋を借りている

なのでここの家にはサヌの兄夫婦とその息子夫婦が住んでいる


この兄、数年前に出稼ぎに行ったチトワンから16才の娘を連れて帰って2番目の妻だと言い放つ

しかもその娘は妊娠しており・・   


この時は参った

私はいつも世話になっている本妻様の顔がまともに見れず

その後、色々あって大変だった

貧しさが嫌気がさしたのか、この娘は今はいない


とにかくこの国の地方部やいくつかの族の中では婚姻届を出すということもなく結婚し

さらに一夫多妻が当たり前だったりするのだが 

私はどうもそのへんは受け入れ難く、この時、決して気分の良い顔は出来なかった


現実にゴルカ出身の私の知り合いのお金持ちの父親には4人だか5人だかの妻がいるそうな

他にも何人かそのような人を知っているが・・


一夫多妻など

ラクちゃんやママたちネワール族にはありえへんことです




さて、暑さへろへろになりながらやっとサヌの家に着いて軒先のゴザに腰を降ろし

嫌な予感がして靴を脱ぐ


案の定、蛭さん右足の小指から魔女の血を吸引中

私が剥がす間もなく、サヌが慌ててお食事中の蛭を引っぺがす


あら、ちょっと血が止まらないわ


するとここのお嫁さんが小さく千切った紙片をよこす

血が止まらない場所にそれをペタッと貼っておくのだ


それで 血・・ 止まるのよ




学校を終えた子供たちが続々とやって来る






       



       

               えっと・・ どこの子だったか忘れた



子供はまだいたのだが、載せきれないので・・




       

            この人が紙を切って渡してくれたお嫁さんです




彼女が抱いているこの子供、2才だそうです


日本の2才児と比べたら格段に小さい

それはどの子供もそうで、これはやはり栄養状態の問題ですね




       

                       ロシャン


大変性格の良い子供で、ラクスマンと魔女の英語の会話を真剣な眼差しで聞いている



この後、何か英語で話してごらんなさい、というと


彼はたどたどしい言葉だが、一生懸命に考えながら話し始めた

その中で、彼の兄の話になった



ロシャン 「明日は僕の兄の結婚式です」


魔女 「それではロシャンは明日はよそいきの服を着て、靴を履いて結婚式に臨むのね」


ロシャン 「服は・・ Tシャツだよ  靴は持ってないからサンダルで行きます」


魔女 「あなたの持っている素敵な心があれば服や靴なんてどうでもいいね、きっと良い結婚式になるよ」


ロシャン 「はい」





                    雲間に現れたヒマラヤ





               落ち始めた陽がヒマラヤを朱に染めて行く




一緒にそれを眺めてから

ロシャンは帰宅時間だから、と言い、手を振りながら帰って行った




学校という場所で

まがりなりにも世界を垣間見

それまでは知らなかった広い世界に目を輝かせる子供たち


私はこれまで、学校で子供たちから外国の暮らしについて様々な質問を受けてきた


私たちにとって当たり前の生活が、彼らにとっては大変な驚きであったり

その制度や生活の違いに驚愕したり

彼らは私の一言一句を聞き逃すまいと、その真剣な眼差しをさらに輝かせたものだ



良い国家を創るのは公正で正しく、心のある教育


読み書きを覚え

計算式を覚え


そうして本を読み

様々な学習というものを通して物事を知るまでは

子供たちには希望や夢の意味がわからなかった


例え言葉は知っていても

その実態が何であるのかがわからなかった



今、自分の未来について話す子供たちの目は

それまでのぼんやりした戸惑いから打って変わって

一直線に希望を見詰めている


はっきりと口に出し、笑顔で語る将来の夢


みんな、夢が叶うといいね