大雨の中ののらねこ軍団 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

私は深夜だけでなく、昼間も仕事に出た日の帰り道には のらねこ軍団の公園に顔を出す


大雨の日・・


こんな日はいないだろうと思いながらも心配になり公園に向かった


車を止め、道の方から公園に入って進むと

椅子の上に彼らの姿が見えた


椅子の上には屋根があるものの、それは高く

雨は容赦なく彼らに吹き付けていた


真ん中には子猫たち

そして、子猫たちを大人の猫が取り囲み、吹きすさぶ雨に目を細めて団子になっている


風の具合で、彼らがいる椅子の部分だけが湿っていて、他はびしょ濡れだった




すがりつき君 「あ! まじょだ!」


サンボちゃん 「まじょ!」


ちゃとらん 「まじょ!」


魔女 「みんなびしょ濡れじゃない! どこかに雨宿りしなくちゃだめでしょ」


すがりつき君 「ぼくら、まじょを まってたんだよ」


魔女 「こんな日は待ってなくていいのよ、こんなに濡れて・・ 風邪をひいちゃったら大変でしょ」


すがりつき君 「へいきだよ、なれてるもん」


魔女 「・・お腹空いてない?」


ちゃっちゃん 「あたし すいてる!」



それで持って来たご飯をあげたけど

足りなかった・・


魔女はみんなに言った


「ご飯取りに行ってくる! 待ってて!!」


そう言って立ち上がろうとしたら

みんながすがり付いてきた


「いかないで!」 って驚いた目をして言う



それで、魔女はまた戻って来るという印に

タオルを入れたいつもの赤いバッグを椅子の上に置き、雨の中を車に向かって走った


途中で振り返ると、全員が雨の中を追ってくる


「待ってなさい! すぐに戻るから!! 屋根の下に戻りななさい!」


強い口調でそう言うと、そこでみんなの足が止まった



その時の彼らの不安そうな顔が忘れられない


どうして行っちゃうの・・


どの顔も同じ思いの目をしていた



急いで家に戻りに、猫のご飯を抱えて公園にとんぼ返り


雨の中を走って向かうと》椅子に座っていたみんなが駆け寄って来る


屋根のあるところまでまたみんなで戻って

ふと見たらそこには私の携帯が置いてあった

急いで戻ったものだから置き忘れて行ったのだ


バッグはビニールだからいいけど、携帯は濡れるとマズい

焦った私は携帯に手を伸ばした


・・濡れていない


よく見るとバッグも濡れていない


みんなで乗っかって濡れないようにしていてくれたのだ・・


ほんとうに、ほんとうに、ありがとう・・



そして椅子のほんの少しだけ残った、多少濡れてはいるがびしょ濡れではない部分にみんなで座る

肌寒い雨の中、猫たちが膝に乗って来る


私は持って来た数枚のタオルでみんなの体を拭いた

無駄なのはわかってるけど・・ 拭いた


私はのらねこ軍団と一緒に濡れながらそこで過ごした


後から家族①もやって来た

家族①はひとかたまりになって濡れている私たちを見て笑った




       
これ以上は無理だといっているのに、何が何でも膝に乗ろうとする子猫の《ちゃとらん》





             結局無理矢理乗っかっちゃった・・


       向かって右隣は乗り切れなかった《ちゃっちゃん》 

       左にいるのはやはり乗り切れなかった《キリット君のお子さま》




       
    下から《すがりつき君》、《サンボちゃん》、上まで這い登った《ちゃとらん》




私の足元には《黒丸》、《オダギリ君》、《ちずの助》がいて


山からはびしょ濡れになって《おかん》が下りて来た

《おかん》は公園の上に住んでいて

最近自分のひとりっ子を独り立ちさせた


《おかん》の縄張りを離れることになったまだ小さな子猫、《おかんのお子さま》は

今、自分の所在をどこに持っていけばいいのかわからないでいる


《おかんのお子さま》は私が来れば姿を見せてくれるが、ここの縄張りの子ではない


独り立ちさせられたストレスからか

この子は背中の毛が抜け落ちてしまい、そのせいですごく寒がっている・・



そんな寒さがたまらず

この子は公園が縄張りの《キリット君》の隣にこっそりと忍び寄った


そしてそおっと体を寄せる・・


そのまま5分程様子を伺う


そして《キリット君》が何もしなさそうだと思うと

今度は《キリット君》の背中に片手を置く


それでまた5分

大丈夫そうだと知ると、今度はもう片方の手も背中に置く


子猫の気持ちがわかっている《キリット君》は、わざと動かないでいてあげている


それから10分程


子猫は恐る恐る《キリット君》の背中に乗る

それまでの動作は、スローモーションのようにゆっくりとだ


それでも《キリット君》は黙っていた


そうして最後に、子猫は《キリット君》の背中に顔を埋めた



そこに《オダギリ君》がこちらの椅子の下からやって来て、そっと寄りそう


子猫はこうして《キリット君》と《オダギリ君》の両方の背中に乗っけてもらって

温められる



こうして体と一緒に心細い心もまた癒されたこの子は

もうすぐ公園の子たちの仲間になるのだろう



       

       隣の椅子の端っこの《キリット君》、《オダギリ君》

       そして彼らの背中に乗っけてもらった《おかんのお子さま》




長い時間を共に濡れて過ごした


もう夕方、まじょねこ軍団のご飯の時間だ


雨足が強くなってきて

帰りあぐねる魔女の心を読むかのように《すがりつき君》が言う


「まじょ、ぼくたちは まじょが おもってるより りこうだよ、 だいじょうぶだから しんぱいしないで!」


サンボちゃんも 「きょうは ありがとう」  って


《ちゃとらん》はまだお子さまだから 「いかないで!」 って後追い・・



雨が激しくなってきたからみんなどこかに避難してね




               みんな風邪をひかないようにね