5月23日は《ひな》の誕生日だった
その日、いつも通りにちょっと高級ご飯とマタタビでパーティーを開いた
4月生まれの《ライガー》と《レオポン》と共同でもらった家族①からのお誕生日プレゼントを断然気に入っているのは《ひな》だ
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最初に産まれた《ひな》の後には《きき》と《らら》という2匹のきょうだいが産まれた
しかし、若い母親、《バニャ2号》には母性本能が欠けていたようで
生まれたばかりの赤ん坊をしっかりと面倒を見ることが出来なかった
それで《きき》と《らら》は頑張りきれず、産まれて間もなく虹の橋を渡ってしまった
だが最初に生まれた《ひな》はしぶとかった
自力で探り当てた母親の乳を必死で咥え
母親が次の子を産む時も
そしてその後母親が赤ん坊を残して辺りをうろついていている時も
絶対に咥えた乳を離さなかった
うろつく母親の腹の下には、まだろくに毛もはえていない《ひな》が乳を咥えてぶら下がっていた
そうして《ひな》は、その乳を絶対に離さなかった
《ひな》は歩き回る《バニャ2号》の足元で、常に引きずられていた
どこまで引きずられても、《ひな》は咥えた乳を決して離さなかった
それが《ひな》だけが生き残った由縁だ
《バニャ2号》の母親としての自覚のなさは私たちを困惑させた
それがそれまで野良であった《バニャ1号》とその子供たち共にここに迎えた理由だ
何故《バニャ1号》と共にかというと
産んだばかりの赤ん坊を置いたままどこかに出かけ、いつ戻るとも知れない《バニャ2号》の代わりに、その1ヶ月前に子供を産み、母親として甲斐甲斐しく面倒を見て今も乳を出しているこの猫に《ひな》母親代わりをしてもらうためだ
《バニャ1号》におっぱいをもらう《ひな》 一番右の小さいのわかります?
暑くなっちゃったねの・・ 口元のほくろみたいな模様が印象的だった
これらの経緯は2012年6月に、このブログで書いた通りだ
それまで母親としての責任も果たせず、元の場所に置いてけぼりにされた《バニャ2号》は
《ひな》がいなくなってからというもの、狂ったように娘を探した
それで結局《バニャ2号》もここに連れて来て現在に至っている
《バニャ1号一家》と共に魔女家に来た《ひな》は先ずは《バニャ一家》と共に家族①の部屋に住み
野良時代(短かったけど)と同様、《バニャ1号》の子供である《ライガー》と《レオポン》に可愛がられて生活をした
生後一ヶ月半のヤンチャ盛りの《ライガー》と《レオポン》に、《ひな》は相当おもちゃにされていた
仕事を終えて部屋を覗くと、箱の中で眠っているはずの《ひな》がいない
慌てて部屋中を探す
探して探して・・
部屋の隅っこの敷物の端っこで、まだ目も見えない《ひな》が仰向けになってぷるぷると震えている
《ライガー》と《レオポン》が面白がって引きずり回し、途中で飽きてホカしたのだ
こんなことは何回もあった
また、自分の大きさもわからないこの2匹が、《ひな》の上に乗っかって遊んでいることも度々
窒息しそうになってもがく《ひな》
まだ目が見えない赤ちゃん猫が、おもちゃにされ、遊ばれて、頭に引っ掻き傷を作っていた
そんな日々が続いて
少しずつ目が見え始めて
はっきりとは見えない動くものをじっと見詰めている姿がなんとも言えず可愛らしかった
目が見えるようになると、《ライガー》と《レオポン》の遊びに加わりたくなった
よっちよっちと時間をかけてやっと彼らのいる場所まで辿り着く
すると2匹は遊びながら駆けまわってどこかに移動してしまう
一瞬戸惑う《ひな》
でもまた彼らを追いかけてよっちよっちと
やっとの思いで辿り着くも、落ち着かないお兄ちゃんたちはまたどこかへ行ってしまう
それでもめげずによっちよっちと後を追う《ひな》
《ライガー》、《レオポン》に比べるとまだまだ体は小さかったが
《ひな》は自分の動きが速くなってくると、いっちょまえにお兄ちゃんたちに戦いを挑んだ
こうして蹴っ飛ばされても、ぶっ飛ばされても、懲りずに戦いを挑むんだ
何をされてもメゲない《ひな》
もっと おっきくなったら いいのかな・・
リビングに移ってみんなと暮らすようになり、テラスから落ちて大腿骨を骨折したこともあった
それでも折れた足を引きずって走り回り、読様にもご心配をいただいた
それもいつの間にか完治し・・
《ひな》は強くて逞しい子です
それは産まれた時からそうだった
ほんとうに生命力の強い子
あれから2年・・
《ひな》はこんなにでっかくなりました!
でかくなり過ぎだろう・・