単純なる仔猫に祝福を | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

先週の金曜は《チャンドラ》の抜糸だった


無事、抜糸にこぎつけたのは他でもない《インドラ》のおかげだ



さて、その日の《チャンドラ》はというと・・


運良く、ぐっすりと眠っていたので、それをさっと抱き上げ、ささっとバスケットへ


暫くして、バスケットの中ではっと気づいた《チャンドラ》は閉じられた入り口をバリバリと引っ掻きながら大声で喚きだす



「やだよおー! だしてえーー!! 《いんどらたーん》!!」



泣き喚いたまま車へ


部屋の出口まで追いかけて来た《インドラ》は

喚く《チャンドラ》に向かって


「すぐに帰れるから心配しないで!」 と声をかけるも


その言葉はバスケットの中で喚く《チャンドラ》の声にかき消された



往路の車の中でも泣き叫ぶ



「やだよーー!!  やだよーー!!」



「どこ ちゅれてくーー!!  かえるーー!」



「《いんどらたぁぁぁぁぁ~~~ん》! たしゅけてーー!!」



「まじょ きらい!!  だいっきらい!!」



「かえちてよおーー!  まじょの ばかあーー!」




ほんの少し静かになったと思ったら


「まじょ うらんでやる うらむ うらむ・・」 と、ぶつぶつつぶやいているし・・


そしてまたすぐに喚きだす  という・・

とにかく車中はおそろしくやかましい有様で


術後、声が出せるようになってよかったなぁ、と思っていたが

こういう時はイヤになるな



病院に着いても、待合室で喚いていて

診察室に入っても喚いてて


バスケットから 根性込めてぐわしっと抱えたタオルと共に引きずり出され

必死で抱えたそのタオルも空しく爪からむしり取られ


そうして、先生が《チャンドラ》を抱えたとたん 突然 シン・・ となる


診察台で看護士さんに仰向けにされても  シン・・ 


ただ、おっぴらいた目が空を泳ぐのみ



そして、いざ抜糸しようとすると・・

その長い尻尾を腹に巻き込み、それで傷口を隠す という技を繰り出した


先生が何回も尻尾をどけるも、その度に尻尾は一回りしてまた傷口を隠す、という・・



終いにそのしっぽも押さえられ、チャッチャと抜糸終了


再びバスケットに押し込まれ、帰宅の途へ



帰路も喚く、喚く


「うらんでやる!」 だの、 「まじょの ばか!」 だの、「《いんどらたーーん》!!」 だの・・


うるさいったらありゃしない



騒ぎは続いたまま家に到着


部屋に入ってバスケットの扉を開けると、脱兎の如く飛び出して目の前の《インドラ》に抱きつく


それから確認するかのように軍団ひとりずつに体を寄せる

うごろん、うごろろろん って、嬉しい声を出しながら



《チャンドラ》が、《インドラ》のまわりを喉を鳴らしながらぐるぐるまわっている途中で・・

魔女と目が合った


どうせ私のことは恨んでるんだろう  ふん、恨め、恨め 好きなだけ恨むがいいさ


そう思って見ていたら・・

《チャンドラ》が魔女の膝に飛び乗り、顔を見上げて言ったんだ


「ちゅれて かえって ありがと ラブラブ



ふぇ! なんて単純な猫なんだ


家に帰れた嬉しさいっぱいで

それまで自分が言っていた悪口雑言の全てを完璧に忘れ去ってしまっている


その後も、私の顔を見るたびに 「まじょ ちゅれてかえって だいしゅき!」 と言っては甘えてくるようになった


仔猫はまったくもって単純だ




  抜糸した夜、自分のチェミシュトリで我が家に帰った幸せ感に浸る《チャンドラ》



それからというもの

《チャンドラ》は以前にも増してはしゃぎまわるようになった


家族ちぃに作ってもらった《ボンネット》の毛で出来た毛玉ボールを追いかけて部屋中を縦横無尽に走り回っている


毛玉ボールが家具などの下に入りそうになると加速し、手で押さえ、口に咥えて広い場所に持って行ってまた遊ぶ、を一日中繰り返している



それでも時にボールは勢い余ってどこかの隙間に入ってしまうことがある


この時はテレビ台の下



       

台の下に入ったのが上手く取れず、台の扉を開けて中から取れないかと見当違いなことを考える《チャンドラ》に


インドラ 「《チャンドラ》、そこからは取れないよ」




       チャンドラ 「こっちからは とれないの?」


       インドラ 「そこからは取れないよ、ここの下に入ってるんだから」




インドラ 「ほら、良く見てごらん、あそこにあるでしょ」


チャンドラ 「あ、あしょこにある!」


インドラ 「ぼくは大きくて入れないんだ、 《チャンドラ》は小さいから頑張ったら取れるかもしれないよ、やってごらん」





  チャンドラ 「あった!  あれ! しょっちに いっちゃった!!」


  インドラ 「がんばって!」





       チャンドラ 「よっしょ! よっしょ!  しょこに・・」


       インドラ 「もうちょっとだ、がんばれ!」


       チャンドラ 「もちょっとだ!」




軍団は一緒に楽しく遊び、お互い助け合って暮らしているのでまったくの世話なしだ


魔女はご飯代を稼ぐため必死で働くのみ!