風太とインドラ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


《インドラ》


《チャンドラ》のばっし(抜糸)が終わって、ぼくは少し自由になった 


それでお外で遊びたんだけど

このところ《風太君》が来ない


おとなりで、ドッチャンガッチャンやってるのが原因と思う

それと毎日降ってた雨


今日も今はまたジャバジャブ降ってるけど、今朝は晴れてがすがすしかった



あ、《インドラ》、それ、すがすがしい


あ、ぼく まちがえちゃった?



今朝はくがすがしいかったです  


まじょは《風太君》が来ないことでうんと心配して

今朝はどっちゃんがっちゃんが始まる前に早起きしたの

そしたら《風太君》がいるかなって思ったんじゃない?


あんのじょうだったよ~



《風太君》が来て、ぼくはお部屋を飛び出した


部屋からは《チャンドラ》の泣く声が聞こえるけど・・

《チャンドラ》、がまんね ごめんね




       

ぼく 「《風太君》、久し振り! 今日はいい天気だね!  絶好の遊ぶびよりじゃない!」


魔女 「《風太》、先ずはご飯よ! 《風太》にご飯の差し入れをいただいたのよ」


風太 「さしれ・・ なに?」


魔女 「《風太》に食べさせてください、って」


風太 「さしれ、 ありがとうございます」


魔女 「よかったね」


風太 「うん! 《いんどら》、ぼく ごはん たべるから ちょっとまってて!」




       
                  ぼく 「おいしい?」


                  風太 「うん!」



       
           ぼく (まだかな・・ 早く遊びたいな)     


      魔女 「食べ始めたばかりじゃない、ゆっくり食べさせてあげて」





       
        ぼく 「そうだね、ぼく、ここで待ってるからゆっくり食べてね」



《風太君》、ご飯5杯お代わりして・・



       

             風太 「《いんどら》、 たべおわったよ!」




         ぼく 「じゃあ行こう!  何して遊ぶ?」


         風太 「ぼく・・ やりたいこと ある」


         ぼく 「なあに?」


         風太 「あきちに いったら いう」



         ぼく 「じゃあ、まじょ いってきま~す!」


         魔女 「いってらっしゃい」



それでぼくたちはお向かいの空き地に行きました



ぼく 「それで何するの?」


風太 「まじょに おれい する」


ぼく 「おれい? ここに かにかまがあるの?」


風太 「かにかま・・ って?」


ぼく 「《風太君》が 前にまじょに持って来たおれい、かにかま」


風太 「あれ、かにかまって いうんだ、 ぼく しらなかった」


ぼく 「どうやら 人間がつけた名前みたいだよ」


風太 「あれは そんなに かんたんに てにはいらないんだ・・」


ぼく 「じゃあ、おれい 何にするの?」


風太 「きゅーきゅーに しようかとおもってる」


ぼく 「きゅーきゅー?」


風太 「うん きゅーきゅーってなく いきもの」


ぼく 「・・」


風太 「きて! ほら、こんな ところに すんでて しっぽが はねるの」


ぼく 「わかったあ~! 《もりやさん》だ!」  (ヤモリね・・)


風太 「まじょ、よろこぶかな・・」


ぼく 「喜ぶよぉ!」


風太 「じゃあ さがそう!」



ぼく 「だけど・・」


風太 「どうしたの?」


ぼく 「もし 動かない《もりやさん》を持ってたら魔女は逆に怒って君にかみつくよ」


風太 「どうして?」


ぼく 「・・わかんないけど、前に《ユリぼうず》が生きものを動かなくした猫が魔女にかみつかれてたって言ってた すごく痛そうだったって」


風太 「きっと うごかなくなったいきものは おいししくないんだよ」


ぼく 「そうか!」


風太 「ぼくだって うごかない いきものは たべないもん」


ぼく 「あとね、生きものを痛くしてもいけないんだって」


風太 「いたくしても いけないの?!」


ぼく 「だから 見つけたら そおっとくわえるんだよ」


風太 「わかった!」



それからぼくたちは《もりやさん》探しをした

《風太君》は言うには、石のすき間とかにいるって


だから 石のすき間をかたっぱしからさがした

ずっと探した


そして、ついに ぼくたちは《もりやさん》を草むらで見つけた


草むらにいるんじゃん・・



《風太君》はす早く《もりやさん》を手で押さえた


ぼくはあわてて 「そっとだよ! そっと!!」 って言った



そして《風太君》が《もりやさん》を口にくわえようとした時

《もりやさん》のしっぽが切れた



ふぇぇ~~!!



ぼくは おどろいてしまって、思わず2つの足で立ち上がった



風太 「これは よくあることで しっぽに きをとられちゃ いけなんだよ」


ぼく 「しっぽが痛そうにしてるよ!!」


風太 「ちがうよ しっぽは ぼくらを ごまかそうとしてるんだ」


ぼく 「そうなの?!」


もりやさんをくわえた風太 「こふぇふぉ もふぇいっふぁら まひょふぁ おこふ?」


ぼく 「なに? これを持って行ったらまじょは怒る? って? 」


風太 「ふぃっふぉ が ふぁいふぁら」


ぼく 「尻尾がないからかぁ・・ あ、平気かも! だってこの前《バブ》がまじょに痛そうにはねてるしっぽだけプレジェントしてたもん」



それで《もりやさん》をくえわえた《風太君》とぼくは、走って家に入った


ぼくはお部屋のまじょに 「ちょっと出てきて~~!!」 って大声で言った



魔女 「どうしたの?」


ぼく 「《風太君》が、ご飯のお礼だって!」



《風太君》はくわえて来た《もりやさん》をまじょの手に乗せた



       



魔女 「まあ、可愛い《もりやさん》の親戚のヤモリさんねぇとかげ


風太 「いつも ごはん ありがとうございます これ・・ かねかまじゃないけど」


ぼく 「かにかま・・」


風太 「あ、かにかまじゃないんだけど・・  それと しっぽが・・ とれた・・」


魔女 「かにかまじゃなくてもいいのよ、 あ・・ しっぽ・・ ま、また生えるしね」


風太 「はえる・・?」


魔女 「うん」


風太 「そのまえに たべてね」 


魔女 「・・」


風太 「はやめに・・」


魔女 「わかった 新鮮なうちに、ってことねあせる  どうも ありがとうございます」



それから、ぼくたちはまた外に飛び出した

今度は空き地でおにごっこをして遊んだ


《風太君》は前の足でぎゅっと草をつかんで顔にかぶせるのが得意なんだ

そしてぼくは 高い草の中でひらったくするのが得意なんだよ




《魔女》


さて、家では



       
             《インドラ》の帰りを待ち続ける《チャンドラ》




つい先ほど


廊下でうるさく鳴いて魔女を呼び出すゲイ猫の姿が・・



       

   魔女 「なによ、ぎゃーぎゃーうるさいな!」


   かって 「ぼくと 《ふうた》って こと どっちが かわいいのさー! おせーてよ!」


   魔女 「《風太》」


   かって 「どうしてっ!」


   魔女 「悔しかったらあなたも 『飯くれ!飯くれ!!』 ばっか言ってないで 

        《風太》みたいにプレゼントを持ってらっしゃいよ!」




       
                      え・・ 


※ 《かって》は図々しいくせに臆病で、虫も触れません