インドラ ありがとう | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


《風太》は利口な猫だ


魔女は《風太》に、遠慮しないで毎日いらっしゃい、と言った

すると彼は数日前から毎日来るようになった


やって来るのは朝で

廊下組の食事が終わり、みんながそれぞれお気に入りの場所に散った頃合だ

それもまた《風太》の気遣いなのだろう


しかし今日、食事を終え、各自が散ったはずの廊下組の一部が・・



       

              風太 (・・だれか みてる きがする)




          かって (ぼくよりいっぱいごはん もらってる・・)




       

                     バブ (だれ・・)




       
             タヌ吉 (うお?!  ごはん もらってるぞ!)





 インドラ 「その子はぼくの友だちなんだ  いじめたら しょうちしないからね!」




フラッシュで写真を撮ると良く分かるのだが



       

                  《風太》は傷痕だらけ



この他にも両頬と首に大きめの傷痕があり、いまだにその部分は毛が抜けたままだ


《風太》は自ら他の猫に喧嘩を売る子じゃない

前に住んでいたところで虐められていたのだろうか・・



だけどもう大丈夫


ここでは



         インドラ 「《風太君》、お腹減ってるんでしょ」

         

         風太 「あ・・ うん・・」


         インドラ 「えんりょしちゃだめだよ」




    インドラ 「まじょ、《風太君》、お腹減ってるって! ご飯あげて!」





            インドラ 「お腹いっぱいまで 食べてね!」



優しい《インドラ》が世話をやいてくれる



さて昨夜

《チャンドラ》の見張りを魔女と交代して《インドラ》はちょっとだけ散歩に出た


帰って来た《インドラ》が 「ただいま~」 といつものようにドアを引っ掻きながら言うのでドアを開けたら・・


目の前に《インドラ》と《タヌ吉》と仲良く並んで座っているじゃないか



「《タヌ吉》はもうけんかしないって!」 



と、《インドラ》が魔女を見上げ、ほっぺを膨らませて言うのだ


《タヌ吉》はちょっとバツの悪そうな上目遣いで私を見上げていた

そして少し離れたところには《涼子》や《バブ》や《かって》も見てた


《タヌ吉》、《インドラ》となかよし協定を結んだんだね

《タヌ吉》のとぼけた顔が可愛らしく見えた


そして・・ それからというもの

毎夜聞こえていた喧嘩の声はまったく聞かれない




《インドラ》はほんとうに心の美しい子で・・


親に見捨てられ

生後2ヶ月だというのにいまだ掌ほどの大きさしかなく

そんな小さな小さな体で必死に生きてはきたが・・ 力尽き


命の炎が消えかかっていたのを抱き上げて魔女家に連れて来た

もはやミルクを飲む力さえもなかったので注射器で一滴ずつ口に垂らし続けてそれを喉に沁み込ませ

目から鼻から溢れ出る膿のような粘液を日夜ぬぐい続けた


夜中に何度も起きては生きているのを確認していたあの時から

7月が来れば2年が経つ



《インドラ》は神様がめぐり合わせてくれ

ジョン ブリアンが愛情いっぱいに育ててくれた子だ


《インドラ》が魔女家に来たのは必然だと気づいた



《インドラ》の純粋さは

彼が出会ったノラちゃんたちの荒んだ心を和ませ

きっと美しく変えてゆくのだろうな


そのうち魔女家周辺では

争いのない、素敵な猫社会が出来上がる気がする