アホナな奴らの忘年会 Ⅱ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください



       




ヤマネコはお腹がいっぱいになってしまい、もう口も聞けない

そしてどうやらそのまま眠っちゃったみたい


遠くに 「なんて単純なヤツなんだ・・」 とかささやく聞こえてたけど

子供の頃から,お腹が膨れると途方もなく睡魔が襲って来て身動きが取れなくなる体質は如何ともし難い



牛になった夢を見ていた

世界一強い牛(自分)が、気球に乗って世界一周をする夢だ


ふわふわと雲の間を飛び

海を見たり、気に入った場所があったら着陸したりして嬉々として冒険をしていた



「おい、ヤマネコ、二次会に行くぞ」 


揺すられてそう言われた


「・・ 私は・・  私は・・」


ウルフ 「私は・・ どうした?」


「私は・・ まだ10カ国しか行ってないのに・・ どうして起こすんだ!!」


ウルフ 「・・ここはもう時間切れなんだよ」


ウータン 「おまえ、かれこれ2時間寝てるぞ」


ヤマネコ 「マジでか! 帰るぞ!!」


オカピー 「ヤマネコ、二次会に行こうぜ」


ヤマネコ 「家で猫たちが待ってる」


ウルフ 「たまに会ったんだし、付き合えよ」


カワウソ 「そうだよ、ヤマネコ、おまえ殆ど寝ててロクに話もしてないじゃん」



ヤマネコ 「私・・」


ウルフ 「私・・ どうした?」


ヤマネコ 「私・・ 貧乏なんだ」


ハイエナ 「気にすんな、金は俺たちが持つから」


ヤマネコ 「てめえ・・ 誰が金のことを言った!!」


ハイエナ 「今言っただろうがよ!!」


ウルフ 「いいから・・ とにかく行こうぜ」



見送る店の人がヤマネコに向かって言った


「少しはお酒が抜けましたか?」


酒など一滴たりとも飲んどらんわ、 われぇー!!




居酒屋の外で

どこに行こうかという話しになり

ハイエナが自分の馴染みの店があるからそこに行こうと言い出した


ウルフが どんな店なんだ、と聞いたが 「それはお楽しみ♪」 とか言っている


ただ食べ物はそうないけど・・、とヤマネコを振り返って言った

ヤマネコは 「もう腹一杯だから食べ物はいらない」 と言い

みんなしてそこに行くことになった



暗い階段を降りると

そこは別世界だった・・


女がいっぱいいるじゃないか

どこなんだここは


ウルフがハイエナに何やら文句を言っているようだったが

やって来たボーイがヤマネコを案内して席に座らせちゃったものだから

ハイエナたち数人ははニタニタしながら

その他数名はキョロキョロしながら

ウルフは渋い顔のまま席についた



紫のドレスを着た女性がやって来て

ハイエナに向かって 「いらっしゃいませぇ~」 と体をくねらせて笑顔を作ってる


ヤマネコは立ち上がってその女性の真似をして体をクネクネさせた


するとみんなから 「キモイから止めろ! バカ!」 と怒鳴られた


ヤマネコは不本意な気持ちで、ど~んと席に座った

そのソファはあまりにも柔らかかったため、ヤマネコの体は深く沈んだ


この椅子を家に持って帰ったら軍団は喜ぶだろうな・・



ハイエナ 「今日は昔からの友だちを連れて来たよ」


椅子から這い出す感じのヤマネコ 「おい、私らはいつからアイツと友だちになったんだ?」


みんな 「知らねぇ・・」


紫女 「みなさま、ようこそ~ 今女の子たちを呼びますね」




若い女性達 「いらっしゃいませ~」



賑やかにやって来た女性達は有無を言わさず私たちの間に座った

おっきなお尻が前を行く

色んな匂いがない混ざって食欲が失せる (腹一杯で良かったなぁ)



紫女 「何をご註文なさいます?」


ハイエナ 「取り敢えず僕のボトルを持ってきて、それと・・」


ヤマネコ 「先ほどまでとは打って変わってあいつ、『僕』 とか言ってんぞ・・」


ウルフ 「いいから・・ ヤマネコは飲めないから何か別なの頼みな」


紫女 「え?! こちら、飲めないんですか?!」 (マジで驚き顔)


ヤマネコ 「・・」


紫女 「ソフトな飲み物はメニューのこちらに少しばかりありますけど・・」


ヤマネコ 「・・」


紫女 「ほら、こちらにね・・」


ヤマネコ 「暗くて読めない・・ この店は節電に著しく協力してるの?」


紫女 「はぃ?」


ウルフ 「あ 、じゃあウーロン茶をあせる


紫女 「かしこまりました」



赤女 「え~! お姉さん、飲めないのおー!! マジで!」



ヤマネコ 「私にタメ口を聞くんじゃない!」



赤女 「キャー!! こわ~い!」



ヤマネコ 「耳元でキャー!って言うな!! ケバケバしい!」



ウータン 「おい、ハイエナ、あの女をヤマネコから遠ざけろ、このままじゃ血を見るぞ」



オレンジ女 「あら、こちら(ハリネズミ)、いい男ね」


ヤマネコ 「ここに嘘つき女がいます!」



濃いピンク女 「私はこのお隣の方にまた会いたいな~」


白女性 「私、この人好みかも~」


ヤマネコ 「ここには嘘つき女がいっぱいいます!」




それでも男どもは鼻の下を長くした



オカピー 「ヤマネコ、さっきから何してんだ」


ヤマネコ 「目が慣れてきたみたいだからメニュー見てる」


カワウソ 「それ、逆さまだぞ、ほんとうに目が慣れてきたのかよ・・」


ヤマネコ 「・・」


ナマケモノ 「ヤマネコ、大丈夫?」


ヤマネコ 「フルー・・ツ・・ もり・・ごう・・なり?」


カワウソ 「それを読むなら盛り合わせだろうよっ!」



ウルフ 「食べたいのか?」


ヤマネコ 「うん」


ゴリ 「やめとけ・・」


ヤマネコ 「どして?」


ゴリ 「値段見ろや」


ヤマネコ 「げぇーー!!」



フルーツの盛り合わせは、まじょねこ1ヶ月分の食料の値段に匹敵していた


それでもヤマネコは

フルーツの盛り合わせを諦め切れなかった・・


つづく