ラクちゃんの買い物は女性並に長いというお話 | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

          

話は遡るが

ポカラ到着の日、ラクちゃんの買い物に付き合った


トレッキングするのに、私が持っているようなウェストポーチが欲しいと言うのだ

毎回リュックを下ろして細かなものを出し入れするのが面倒だと言う


確かにな・・


歩き回っているうちに、私が一軒の店で手ごろなウェストポーチを見つけた

しかしどうやらラクちゃんの様子からしてそれは高額らしい

何度も手に取っては眺め、ファスナーを開いては中を確かめ

最後に溜息をついて元の場所に戻す

そしてまた手にとって・・ の繰り返し



実は今回の旅、もうひとりネパールに来る予定の子がいた

それがドタキャンになって、カトマンズ、ポカラ間のツーリストバスや、国内線など、既にトレッキングのための手配を終わらせていたラクちゃんには大変な迷惑を掛けてしまった


キャンセル料を支払うから言ってくれ、とメールで告げたのに、彼はそれを請求しなかった

現地でもそう言ったが、気にしないでくれ、と言ってお金を受け取ってくれない


そんなこんなのいきさつがあって

私はラクちゃんのために、このウェストポーチを買うことにした


とんでもない! と拒否るラクちゃんに、私はさっさとそれを買って彼に渡した



よほど欲しかったんだろうね・・


メッチャ嬉しそうな顔

何度も袋から出しては触ったり、眺めたりを繰り返してから・・

それを肩から斜めに掛けた


ウェストにしないのか! Σ(・ω・ノ)ノ!



その帰り道、ラクちゃん、立ち止まった

今度はリュックを眺めている


今のはデイブから貰ったお古で、破けている

新しいリュックが欲しいんだろうな・・



魔女 「それも買ってあげるよ、どれがいいの」


ラクちゃん 「何言ってるんだ! このくらいは自分で買うよ」


魔女 「そぉ・・?」


ラクちゃん 「高いな・・  おばちゃんまけて」



ラクちゃんの値段交渉が始まる

長いわ・・



奥さん「これ以上はまけられないよ!」


ラクちゃん 「まけて!!」



こんな会話が延々と繰り返され、奥さんも後には引かない



ラクちゃん 「じゃあ買わない!」


奥さん 「別にいいわよ」



それで奥さんに背を向けて店を出るかと思いきや

また戻って行ってリュックを手に取って眺め回す



そんなことばかり繰り返したって時間の無駄だろう!



魔女 「もういいよ、私が買うから!」


ラクちゃん 「ダメだよ! 買ってもらう理由なんてない!」


魔女 「キャンセル料だよ!」


ラクちゃん 「だから あれはいらないって言っただろ!」


魔女 「こんなんでうじうじされるぐらいだったらキャンセル料を取っといて欲しかった!」


ラクちゃん 「だってこれは高いんだぞ!!」


魔女 「いくら・・」


ラクちゃん 「2000ルピー」 (¥2000)


奥さん 「2300ルピー」


魔女 「話が食い違ってるじゃないか・・」


奥さん 「これ以上は無理よ!」


魔女 「よし! じゃあ2000ルピーで私が買うよ」


奥さん 「あらそう?」


魔女 「それ、帰りに貰うから取っといて、これ、内金の100ルピーね」


奥さん 「なんか違う・・」


魔女 「今気づいても遅い  それ、帰りまで取っておいてよ」




そう言って取っておいてもらったリュックをこの日、朝食帰りに取りに行ったわけだ


私はどこの店だか覚えてなかったが、ラクちゃんはしっかり覚えていて

嬉しそうにその店に飛び込んだ


店の奥さんは私に安く買い叩かれたことなどすっかり忘れ去っていて、満面の笑みで私たちを迎えてくれた




                奥さんの櫛、すげえです   



   それは髪を梳かす途中だったんですか?  それとも正規の髪飾りですか?


奥さんは指定したリュックをちゃんと取っておいてくれたが

ここでラクちゃん、行きと違って気持ちに余裕が出来たのか・・ 目移り


こいつ・・

悩み出すと すんげえ長い





            退屈な私たちは店内の商品見散らかし・・


勝手に服を下ろすたまちゃん  (だって奥さん達はラクちゃんの相手で大変なんだもん)



いちいち相談してくるラクちゃん 「魔女、こっちにしようと思うんだけど・・」


魔女 「じゃあそれにしたらいいじゃん」


ラクちゃん 「だけどこれも気に入った」


魔女 「自分で決めなよ・・」


ラクちゃん 「自分で決められないから相談してるんじゃない」


魔女 「じゃあこれ!」


ラクちゃん 「だけど、あっちもいいと思うんだ」


魔女 「じゃあ あっち!」


ラクちゃん 「だけど・・」


魔女 「いい加減にしなさいよ・・」




               迷う男と、うんざりする女



ラクちゃん 「ねえ奥さん、これが欲しいだけど中が破けてる、新しいの出して」


奥さん 「どれを出しても穴は開いてるよ!」


ラクちゃん 「どうして・・」


奥さん 「空気穴だからだよ!」



ラクちゃん、ほんとうに他のも開いてるか確かめる

奥さん、そこらじゅうのリュックをひっくり返してどれにも穴が開いていることを証明する

ラクちゃん黙る


それでも開いてないのがいいと言い張るも・・

そんなのない



ラクちゃん 「この細いビニールの部分が擦れてるから新しいの出して」


奥さん 「言っちゃ悪いけど、それ、一回使うと擦り切れるよ」


ラクちゃん 「擦り切れないのない?」


奥さん 「ないっ!」



ラクちゃん、あーでもない、こーでもないと言って

40分くらいが経った


もう・・ 埒が明かないから強制的に私たちで決めた



それはウェストポーチとお揃いのリュックで、なかなかイケてる代物だ


ラクちゃんに迷い過ぎだよ、と言ったら

買って貰うものだから長く使いたいし、慎重に選ばなきゃと思って・・などと言い訳をした



一旦迷い始めるとドツボにはまり、さらに迷いに迷って、終いには訳がわからなくなる人間の典型だ

ラクちゃんの買い物には二度と付き合わないと心に決めた



嬉しそうにリュックを抱きしめ、頬ずりまでし、スキップでホテルに戻るラクちゃん

よかったなぁ



ホテルに戻ると、庭からUK軍団の姿が消えていた

清々としたわ


たまちゃんはペントハウスでぐっすり眠れたのか、平地に戻ったからなのか

大分元気になっている


さて、ちょいと山まで登りますか


殆ど寝てませんが、私たち元気でしょう


いえね、私は決して山に登りたかったわけじゃない

あの金属音を発するキラ(虫)の姿を何が何でもこの目で見たかっただけなのですよ



そうして向かったボート乗り場にパワン(知り合い)の姿はなかった


魔女に気づいて声を掛けてきた、ブラックマッシュルーム(通称)によると

パワンはある日忽然と姿を消したと言う


パワン自身か、彼の家族に何か起こったのだろうか・・



        
      着たくもないライフジャケットを着せられ、ボートで湖の対岸まで行く





                  さあ、漕げやマイケル  


             船頭 「あの・・ 僕の名前はキシュワルですが」



相変わらずだらしなくポーチの口が開いている

現地では気づかなかったが、こうして写真を見ると常に開いてる・・


これでよくパスポートやお金を失くさなかったものだ
我ながら感心する


やっぱ心掛けが良かったんだろうな・・  ← 運が良かっただけだよっ!