さよならまたね | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


村人も参加したダリットの女性たちの歓迎式を終えると、今度は学校に呼ばれた

ここはガバメントスクール(公立学校)


都市部では様々な私立校が乱立し、裕福な家の子に限らず、生活がカツカツの家庭の子でも、その殆どが公立でなく、私立に通う

それは公立では十分な教育を受けられないと思われているからであり

・・ 実際その通りなのだ


プライベートスクールは経営だ

評判が良ければ高い授業料を払っても生徒はやって来る

昨今、こういった学校経営は加熱化の一途を辿っている

いくら働いても給料の安い公立の教師は怠慢な授業をするので人々は子供を行かせたがらないのだ



ネパールでは日本のように就学年齢が決まっていない

だから小さな子でも1年生であったり、大きな子が1年生であったりもする


プライベートスクールでの授業は英語で進められる

それで子供でも英語を話すようになる


だがそれはカトマンズ、パタン、ポカラといった都市部だけで

それ以外の殆どの地域は公立校しかない


ネパールの殆どを占める農村部では、子供も働き手として重要な役割を果たす

そんな家庭の考えも、昨今では教育が子供の将来に役立つ、という認識が徐々に広まり学校に通わせてもらう子が増えつつある


しかしこの国はインフラにしろ、教育にしろ信じられないほどいい加減で

その手の届く範囲は都市部だけ


地方のこうした学校を支えるのは政府ではなく、村なのだ


傷んだ校舎の修復、教材、果ては先生の給料まで村で出したりしているのが現実

村は政府から十分な予算を与えられるわけでもなく

各村のいわゆる金持ちが工面をしたり、知り合いに工事を頼んだり・・

それはもう四苦八苦の状態だ


つまり学校運営の殆どはその村で行なわれているのが現状である

そんな村に嫌気をさし、若者は都会を目指す

そうして村々は過疎化の一途を辿る



例えば過疎の村が観光課されたとする

するとそこには外国人観光客を迎えるために電気が引かれる

ある程度整備された道路も作られる


そこで村人はロッジを造り、軒先では土産物が売られる

彼らは運がいいといえる


しかしそんなひと握りの村以外の殆どは、ネパール政府が無視されている

政府は国土の殆どの地域を無視し続けてているのだ




学校に集まったのは先生方と村長を始めとする学校運営に携わる村の有力者たち



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           右に立って学校報告しているのがクリシュナ校長



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       窓の外にはすっかり仲良しになったジャールの笑顔が・・



学校からの報告等が終わり

朝食(ネパールの朝食は遅い)をいただいて帰路につく


一宿をお世話になったダリット女性チームのリーダーから、そして子供たちから、もう一泊を、と強く言われたが、とにかく時間がない


慌ただしい滞在だった


道に出るため丘を下っていると、家々から人々が出て来て家族で手を振って見送ってくれる

ジャールは下の道まで一緒に来てくれた

ちょっとこの子との別れが惜しまれるぞ・・


帰りはワインギという村まで歩き、そこからカトマンズ行きのバスに乗る



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                 村はずれで見送ってくれる女性




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                    干上がった谷をつたい



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               段々畑のあぜ道を歩き



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                    民家を突っ切り



そうして崖を下り

道なき道を歩くことしばし・・


やっとワウンギの小さな集落が見えてきた


こんなところに外人なんて来ないんだろうな

バスを停める場所(バス停などない)にある小さな売店にいた人々の好奇の視線を浴びながら

いつ来るともしれないバスを待つ


店の主人がやって来て、日陰の椅子を勧めてくれ、世間話が始まる



山を下っている時、途中から一匹の犬がついてきた


犬はカズリを気に入ったようで、彼の後ろを、前を歩き、道に出ると彼を見上げながらその隣を歩いていた



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結構な時間を待って、やっとバスがやって来た

しかし超満員


これじゃ乗れないよ・・ 魔女さんどうする?  とサヌが聞く



乗る! 何が何でも乗る!!



これ以上待っていたら、いつカトマンズに戻れるかわかりゃしない


諦めたかのように向こうの店の前に座り込む残りの2人を大声で呼び

荷物を屋根に放り、 みなさんごめんなさいよ! とムリクサ乗り込む魔女


本当はバスの屋根に乗りたかったが、荷物がいっぱいで無理! と断られた



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         ここでお別れだね・・   別れを惜しむワンちゃんとカズリ