たっぷり寝て、外のやかましさで目を覚ます
子供たちが集まっている
こう見えても私は子供が苦手で
特にうるさい子供としつこい子供が大嫌い
それで外に出たくなくて部屋でだらだらしていた
それでなくても寝坊をしている
おかげで朝の雄大なヒマラヤを見損なってしまった
ここから最も美しい眺めの山はマナスルだ
今朝はマナスルからアンナプルナ、マチャプチャレまで見渡せたとサヌとカズリが言う
NAMIさんも早起きしたから美しい山を観たらしい
くそ・・
魔女が起きだした時には
既にヒマラヤは薄れ・・
ふと気がつくと、悔しがる魔女をこんな風に見つめる少年がいた
こやつ・・ 子供の気がしない
動物的本能からこの人間を気に入った
それからの時間をこの子、ジャールと私は一緒に過ごしたが、不思議なことに全くうっとおしさを感じさせない子だった
この後、信じられない事実が発覚する
私は昨夜サヌについて行ったNAMIさんが他の家の一室をあてがってもらって過ごしたと思い込んでいた
しかし実は彼女、魔女と同じ家の母屋にいて・・
然も自分が寝ていたベッドの横の床にはサヌが寝ていたというのだ
サヌは若くはないけれど男性であり
驚きと期待で昨夜は一睡も出来なかったというNAMIさん
驚きはわかるけど、期待・・ってなんだよ ププッ!
とすれば、サヌが 「魔女さん?! トラ?!!」 と叫んでた時も一緒にいたのかΣ(=°ω°=;ノ)ノ
知らなかったわ・・
申し訳ないことをしてしまった
そりゃNAMIさんが一睡も出来ず、早朝から外にいるのも当たり前だわ
ネパールの人は家が狭いということもあってみんなで一緒に寝るのが当たり前
それは老若男女ひっくるめてであって、全く普通のことなのであるが
だからさ、私は前もってサヌにここは100歩譲って個々に寝かせてくれと頼んでおいたのに
まったく・・
さて、気を取り直して向こうの小さな谷に歯を磨きに行こうか
ここは昨年まで谷水が流れていたがこうしてパイプを敷いた
村人が一日に何度もここまで水を汲みに来る場所
山羊さん、おはよう!
みんなおはよう
これは食した動物の人間が食べない部分の内蔵を鳥に与えるため木に吊るしたもの
衛生面を考慮した処置でもある
トカゲさん、おはよう!
私がこのトカゲを嬉しく見ていた時
トカゲに向かって小石を放った子がいた
じっと動かないトカゲを動かそうとして、わざと当たらないように投げてはいたが、トカゲは驚いた様子で逃げ出してしまった
先程から私と一緒だったジャールも彼を叱ったが
小石を投げた子が魔女によってどんな目に遭ったかはもう皆様、想像に難くないでしょう
そうして戻ってくれば
外にあるかまどではお茶の用意がされ
制服を着たダリットの女性たちがセレモニーの支度を始めていた
2人の子供持つこの人も、今は読み書きの勉強に勤しむ学校の生徒