その前に、昨日のトイレ小屋ですけど
あれからすぐに出来上がりまして、設置しました
ガムテープの所に切れ目が入っていてそこから出入りする 切れ目は反対側にもある
部屋の窓両端を開けて、部屋からすぐにトイレに行けるようにした
トイレの場所も形も変わって軍団が戸惑わないかと案じていましたが
何のことはない
置いたとたん、シートの切れ目からチャチャと入って行って用を足す一番乗り猫
このお利口さんは誰でしょう
それから暫くしてやって来た他の軍団もスムーズに利用
猫ってこんなに順応力が高かったのね!
ただ・・ 中が広いからって子供軍団が遊びだしたよ
自分勝手な利用法は謹んでもらいたいんだけど・・
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ムスタンの風に吹き飛ばされて
谷側に向かって吹き荒れる風に立ち向かうようにしながら
私たちは広い場所に移動して休息を取る
風が体力を奪ってゆくらしいよ
私にはよくわかんないけど、ラクちゃんがそう言ってた
あーそーですか それよか魔女はサンダルばきの足が寒いです
ラクちゃん 「さあ、体力を付けるために豆を食べるんだ!」
魔女 「やだ・・」
ラクちゃん 「嫌いでも食べるんだ! これが一番いいんだから」
魔女 「やだ! 体力消耗してない気がするもん」
それに私、ビスケット持ってるんだ~
ラクちゃん 「なに?! 僕にもおくれ!」
魔女 「やだ! ひとりで食べるんだもん」
ラクちゃん 「なんて嫌なヤツだ・・」
魔女 「その代わり豆、いらない」
ラクちゃん 「知ってるよ! ばか!!」
ラクちゃん 「カズリ、豆食べな」
カズリ 「うん」
ここまで二人分の荷物を持ち、さらに強風で体力を消耗したらしいカズリ
貰った豆をひたすらポリポリと食べる
さあ、行くよ!
ラクちゃん 「ちょっと待ってよ、自分がビスケット食べ終わったらもうこれだ・・」
魔女 「い・く・よっ!! 空を見てみな!」
私はラクちゃんを急かしながらリュックを担いだ
この身を少しでも重くしなければ強風で谷底に吹き飛ばされるからだ
空模様が怪しくなり、風はさらに強く吹き荒れ、山は砂塵で霞み始めた
風はさらに勢いを増し、雲をも散らし、時には悲鳴をあげて吹き荒れる
ムスタンの風に吹き飛ばされそうになりながら
私たちは細い山肌の道を一列で進んだり、崖を下ったり、岩に隠れて突風から身を守ったりしながら慎重に足を進める
春の山は気候が不順で、いつどうなるかもわからない
この天候では一刻も早くカグベニに着かなければならない
私たちはショートコースの危険な道と危ない空模様を天秤にかけ
危険な道の方を選んだ
こうして時間との戦いが始まった